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いーかわらばん vol.474

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2023/01/10
  • vol.474

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

戦後6回の卯年を振り返って・・・

■ 2. 山崎発「新天動説」への幕開け(11)

活動舞台(ステージ)を高める!という発想

■ 3. みんなの疑問!?(11)

1on1とかエンゲージメントとか最近横文字が飛び交っています整理してもらえますか?

■ 1. 時の話題

< 戦後6回の卯年を振り返って・・・>

皆様、あけましておめでとうございます。
2023年、令和5年がスタートいたしました。

卯年、今年こそはぴょんと飛躍の年にしたいと願っている人も多いことでしょう。
卯年は、第2次世界大戦後、今年で7回目となります。過去の6回を簡単に振り
返りながら、時代の変化を眺めることにしましょう。

最初の卯年は昭和26年(1951年)です。
サンフランシスコ平和条約が9月8日に調印され、連合国による日本の占領が終了
しました。日本が独立国として世界に認められることとなったのです。同日、
旧日米安全保障条約の署名も行われました。NHK紅白歌合戦はこの年が最初です。
もちろんラジオ放送のみで、テレビの放映は4回目からでした。

次の卯年は昭和38年(1963年)。
東京オリンピックの前年で、高度成長の真っ只中でした。アメリカではケネディ
大統領が暗殺され、日本ではプロレス界のヒーロー、力道山が刺殺されました。
ボーリングが大流行し、「こんにちは赤ちゃん」「高校3年生」などの歌が巷に
流れました。

昭和50年(1975年)が3回目の卯年です。
オイルショック後の不況が深刻化し、100万人を超える失業者が出たと言われて
います。なぜか紅茶キノコが空前のブームを巻き起こし、テレビでは「Gメン75」
歌では「シクラメンのかほり」「いちご白書をもう一度」「時代」など、フォー
クソングがヒットしています。

4回目は昭和62年(1987年)です。
4月1日には国鉄民営化によりJRが誕生しました。半年後の10月19日、香港で
始まった株価の暴落は、欧州、米国、日本へと飛び火し、大恐慌を上回る下落率と
なりました。いわゆる「ブラックマンデー」です。日本ではその後株価は上昇し、
バブル景気へ突入します。昭和の大スター石原裕次郎が亡くなり、「マルサの女」
が日本アカデミー賞の各部門を独占しました。

20世紀最後の卯年は平成11年(1999年)です。
バブル崩壊後、経済の悪化は長期化し、日銀が実質ゼロ金利政策をスタートした
年です。6月、ルノーが日産に出資、8月には第一勧銀、興銀、富士銀行が事業統
合を発表、10月には住友銀行とさくら銀行が統合に向けた全面提携を表明するな
ど、業界再編が相次ぎました。EUではユーロが導入され、ソニーがペットロボッ
トAIBOを発売、「だんご三兄弟」が大ヒットしました。

直前の卯年である平成23年(2011年)3月11日、東日本大震災が起きました。
時の民主党政権に対する批判と失望が渦巻き、大阪では知事と市長のダブル選挙
で維新の会が圧勝、タイでは大洪水が発生し、為替は歴史的な円高でなんと1ド
ル75円台を記録しました。サッカーW杯でなでしこジャパンが優勝、AKB48が
オリコン上位に躍り出ています。 

ざっと振り返った72年間、感慨深いものがあります。「10年ひと昔」の言葉のと
おり、為替を見ても干支のひと回りで2倍近い変動がありました。

戦後8回目の卯年はどんな年になるのでしょうか。コロナやウクライナ、その他
の課題山積の状況ですが、これをチャンス!ととらえて、明るい、希望に満ちた
一年にしたいものです。
   

■ 2. 山崎発「新天動説」への幕開け(11)

<活動舞台(ステージ)を高める!という発想>

前回は、アート(芸術学)、フィロソフィー(哲学)、フーチャオロジー(未来学)
が、広義の価値観と使命感を醸成する基本であり、特に未来学の大事な手法の一つ
としてバックキャスティングがあることをお話ししました。

これらは「リベラルアーツ」として古代ギリシャから続いている学問体系の重要な
一部分であり、中世の大学教育では一つの学部として、また近代の欧米では主とし
て中等教育に導入されてきました。

バックキャスト発想が、「生まれつき」の要素に加えて、若い段階からの訓練によ
って「体得」できる可能性が高いとすれば、F君の言葉にあったように、日本の
中等教育にその機会がほとんどないのは「致命的」なのかもしれません。

それを補うためにも、企業はバックキャスト発想の訓練をする必要があるので
すが、私が見聞きした具体的な実践例を二つ挙げてみましょう。

A社グループでは、入社時から40歳直前まで毎年、「40歳の自分デザイン」
を描くことが新年の課題です。

そこでのポイントは、
1 40歳にはいかなるパワーを身につけていて、社会にいかに貢献しているか。 
2 40歳では、どのような家族、家庭に囲まれて、どんな生活をしているか。
3 それを本気で実現するために、この1年、何に取り組むか。 
4 そのためにここ数年で異動したい部署はあるか。
の4つです。

これに加えてもう一つ、約束事があります。それは「前年と全く同じことを書い
て終わらない」という点です。この1年の経験を踏まえて、何かしらのステップ
アップが要求されるのです。これらは会社の上層部、本人の上司、同部署の仲間、
HR部門に提出されて、その人のキャリアアップの材料とします。

B社の例に移りましょう。これはその構築過程で私が相談を受けたものです。同
じように40歳を節目にしていますが、より広く人生全体に焦点を当てています。

人生80年をまず前半40年と後半40年とに分けて、40歳をマラソンでいう「折り
返し点」と位置づけているところが特徴的です。前半は前方を見て死に物狂い
でゴールに向かい、後半は、後ろから追ってくる人たちとすれ違いながら、その
人たちの支援も考慮に入れます。

さらに前半を15歳までの第1期と40歳までの25年(第2期)、後半を40歳
から65歳までの25年(第3期)と65歳以降の15年(第4期)に分けます。
そして第2期は第2期と第3期のゴールを、第3期は第3期と第4期のゴール
を設定し、そのゴールに到達するための行動計画も策定します。これを各人が
25歳から5年ごとに考え、文字にするとともに、過去5年を振り返り、自分の
レベルアップの軌跡を確認することになっています。

会社人生のみならず、老後まで含めて、自分自身の人生を25年以上の単位で、
長期的、主体的に考えることで、バックキャストの発想が確実に身につくよう
に工夫されています。

ここでも二つのポイントがあります。
1 可能な限り、自分の活動舞台(ステージ)を高めることに挑戦する。 
2 会社人生を自分ごとにする(自分が会社という舞台を動かしていく) 
の二つです。 

この二つはB社の経営陣が最も重要視している中身で、会社も個人も、活動する
舞台(ステージ)が高まることは、成長の「糧」(原因)でもあり「証し」
(結果)でもある、という考え方です。したがってゴール設定において「いかな
る舞台(ステージ)」で活動しているのか、そのフィールドが問われます。

そして、この会社の経営陣や幹部のすばらしいところは、個人一人ひとりのステ
ージアップが「束」となっていく結果として、会社のステージアップが実現する、
と「心の底から」信じているところです。

またA社、B社に共通しているのは、40歳という年齢だけでなく、バックキャスト
発想が自分自身の人生からスタートしている、という点です。会社の戦略や成長
を前提にしたり、それに依存しているわけではありません。ここに「一人ひとり
が軸になってこそ、その周りに意味(価値)が生まれる」という、「新天動説」
の真髄があります。

この点は、コロナ後の経営戦略を考える際の中核に据えるべき理念と考えて
いいでしょう。

次回以降は、今まで考えてきた「人」の視点を前提に、コロナ後の「新天動説」
に基づく経営戦略のあり方について深めていくことにしましょう。

■ 3. みんなの疑問!?(11)

<1on1とかエンゲージメントとか最近横文字が飛び交っています整理してもらえますか?>

そうですね、本屋さんに行っても、1on1とか、エンゲージメント、パーパス経営
など、横文字が飛び交っている印象を受けますね。

今回は、1on1とエンゲージメントについて取り上げたいと思います。

簡単にいうと、上司と部下が1対1で面談を行う事を 1on1ミーティングとい
います。
今までも、もちろんやってこられていると思いますが、コロナの影響でテレワー
クが進み、部下一人ひとりの様子が見えにくくなってきたこと、そして研究も進
み、効果があることがわかってきたことなど、急速に1on1ミーティングという
言葉が広まってきました。

1on1ミーティングをすることで、部下のエンゲージメントが高まるという効果
がよく言われています。

ここで、エンゲージメントという言葉が出てきました。
もともとは、「契約」「約束」「婚約」というように訳されますが、ここ最近
企業で使われている意味合いは、従業員一人ひとりが会社や組織を信頼し、
事業に貢献するため自発的に仕事に取り組んでいる状態と解釈されています。

1on1ミーティングを行うことで上司と部下がお互いをより理解し合えるように
なります。相互理解が深まれば、チームのパフォーマンスに良い影響を与える心
理的安全性(vol.468 時の話題をご参照ください。)を高めることができます。
そして、心理的安全性が高まることで、プライベートや仕事でなかなか相談しづ
らいことも上司に相談できるようになるため、仕事の生産性をより高めることが
できます。

心理的安全性の高い職場では、離職率も低いということも言われています。

1on1ミーティングの成功は、上司の力量に大きくかかわってきますので、管理職
の方の教育が一番のポイントとなってきます。
継続できるか、部下の声をちゃんとキャッチできるか、フィードバックを適正に行
えるかなど、しくみの構築及び、訓練が大切になってきます。

やっているけどうまくいかない、そういう場合は管理職の方の力量を1つ1つ確認して
問題を解決していく事が、1on1の成功につながると思います。

■ 4. 今月のおすすめ3冊

このコーナーでは、山崎が最近読んだ書籍の中から、皆様にも目を通していただけ
れば、と感じるものを3冊選んで掲載いたします。
ネット上に多くのレビューがありますので、解説は最小限にとどめます。
また、最近の出版物だけではありませんが、ご了承ください。

1『流山がすごい』 大西康之著 新潮新書 
人口増加率6年連続トップ! 千葉県の北西部、埼玉県に接する流山市は、市長
を筆頭に「やりたい人」が集まって発展させており。保育も、起業も、最先端を
実現しています。地方自治のみならず、国も企業も大いに参考になります。

2『ビジネス教養としての半導体』 高乗正行著 幻冬舎   
「産業の米」と言われてきた半導体ですが、今や米より私たちの生活に密着して
います。コロナ禍でサプライチェーンに乱れが生じ、日本の半導体に悲観論が走
っている今こそ、半導体のビジネスにおける意味を考える必要があるでしょう。
3『デジタル変革とそのリーダーCDO』 神岡太郎著 同文館出版 
勉強会で一橋大学教授である著者の講演を聞きました。本書では、CIOとCDOの
違いを、戦略的価値を生み出す、という視点からアプローチしており、さらに
組織風土、人事政策の重要性にも言及しています。経営者必読と言える一冊です。

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いーかわらばん
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