いーかわらばん vol.348
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2008/12/04
- vol.348
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<短期消滅時効の改正>
会社法については、近年大改正が行われましたが、1898年に施行された民法に
ついては、2004年に、カタカナからひらがなの口語体に変わっただけで、特に債権
分野の法改正については、ほとんど手つかずの状態でした。
そこで、法務省は、民法の改正検討委員会を通して、抜本的改正について検討を
重ねてきたのですが、その結果、まずは債権の消滅時効の見直しが打ち出されて
います。
消滅時効とは、債権について、一定期間行使をしなければその権利が消滅する、
というものですが、原則としてその一定期間としては、10年と定められています。
実際の商取引などにおいては、10年は長すぎて、証拠書類の点でも大変ですし、
債務者の負担も重い、などといった理由で、債権の種類ごとに、短期の消滅時効が
定められています。
たとえば、
商事債権について、原則5年、
労働者の退職手当なども、同じく5年、
生産者・卸売または小売商人の売掛代金債権は、2年、
ひと月以下の単位で支払われる使用人給料は、1年、・・・
などといった具合です。
ところが判断のややこしいものもあります。
たとえば、約束手形については、
所持人から振出人に対する請求権 3年
所持人から裏書人に対する請求権 1年
裏書人から他の裏書人や振出人に対する遡求権または請求権 6か月
と複雑に規定されています。
さらに、現実に、医師・助産師・薬剤師の医療・助産・調剤に関する債権は、民法
で3年と規定されていますが、これがマッサージ師にも適用されるかどうか、という
ことになると、見解が分かれていたりするわけです。
ということで、長すぎる原則の10年を短縮すること、および、さまざまに規定されている
短期消滅時効を廃止して3年なり5年として統一する、といった方向で現在改正論議
が進んでいます。
景況が厳しい中、債権管理には神経を使うことが、増してくると思われます。
2010年改正を目指している民法の中身にも、注目しておく必要があるでしょう。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<効用的修羅場の買いつけ(その17)・・・一流の人間と接触することの大事さ>
過去数回にわたり、
理念7: 変化の予兆=24時間で種が膨らみ、1ヶ月で少し芽が出る!
理念8: 意識を具体化し、無意識にできるまで継続してこそ成長の花が咲く!
理念9: 自分の成長ノウハウが他人に通用して、はじめて真の実を結ぶ!
という「種→芽→花→実」にかかわる理念について、お話を進めてきました。
そして最後は、実がこぼれて、次の可能性を持った種が膨らむための「土」について
考えてみましょう。
これは前回にも触れたように、
①気づき→②初期行動→③意識の「具体的行動」化→④習慣化するまで継続
のプロセスを前提として、
(3) 上記①②③④こそ自己成長に寄与する、という風土を持った組織は、
その組織そのものの成長可能性も高くなる
という点と密接に関連します。ここでも「風土」という「土」という言葉が使われている
わけです。
前回の理念9で申し上げたように、成長プロセスは自分だけでなく、他人をも成長
させる可能性をもつノウハウまで昇華させて、はじめて結実するとするならば、次の
段階として、それを組織全体に広げることが、重要かつ必要であることは、いうまでも
ありません。
しかし、重要で必要なこととわかっていても、実際にそのような風土を作り上げていく
ことは、非常に大変なことです。では、その大変なことを実現するためにはどうすれば
よいのでしょうか。
すこし話題を変えてみましょう。
野球を極めたい人間は、大リーグへどんどん流出してしまう、サッカーをやりたい
人間は、イタリアやブラジルに行く、画家を目指す人間は、パリで修業する・・・。
10年ほど前から、これが何を意味するのか、その本質を私はずっと考えてきました。
(以下は私がたどって来た思考プロセスです。)
当然、世界で自分を試したい、というチャレンジ精神や向上心が根底にあることは
間違いないだろう、しかし、それだけだろうか。それより、なぜ、大リーグであり、
イタリア、ブラジルであり、パリなのだろうか・・・。
それは、そこに行けば自分を磨き、より成長させることができる環境がある、
つまりそこには、自分を成長させる「風土」なり「土壌」があると感じているから
ではないだろうか・・・。
ではなぜ、そこには自己を成長に導く風土や土壌があるのだろうか・・・。
学校などの教育養成機関が充実しているからだろうか。それもあるかもしれないが、
それよりも、強い思いやチャレンジ精神を持って成功してきた人間、現在華々しく
活躍している人間が、数多くそこに集まって来ているからではないのか・・・。
では、なぜ、そういった人間がいっぱいいれば、自分が成長するのだろうか。
それはそういった一流の人間に身近に接することによって、成長するための心の
持ち方やプロセスを体で感じ取り、自ら試してみることができるからではないのか・・・。
そうか、結局、成長を促す「風土」の要件は、
①強い向上心、挑戦意欲を持った人間
②師と仰ぐことができる一流の人間の存在
③それを踏まえて実践と体得を試みる仲間
をどれだけ多く周囲に集めることができるか、ということだ・・・。
書けば、たったこれだけのことですが、ここまで来るのに相当な時間を要したのが
正直なところです。
問題は上記の①②③を満たすために、どういったことを仕掛けていけばいいのか、
ということです。放っておいても、それなりの人間が集まるならいいけれども、
そうでない大多数の会社はどうすればいいのだろう、それが私の次の課題でした。
次回は、そのあたりを、さらに整理してみたいと思います。
■ 3. 今月の事務
●年末調整の実施
12月中に年末調整を行う会社、1月に入ってから行う会社と、各会社の予定に
合わせて、各人より扶養控除等(異動)申告書、保険料控除申告書兼配偶者
特別控除申告書などを提出してもらいましょう。
各種所得控除を受けるには、払込証明書類の添付が必要になります。
併せて提出してもらいましょう。
●年末調整の改正点
住宅借入金等特別控除の改正
・税源移譲対応特例
所得税から住民税への税源移譲の実施に伴う対応として、平成19年
1月1日から平成20年12月31日までの間に居住の用に供した場合、
現行特別控除との選択により、適用されることになりました。
・バリアフリー改修促進税制の創設
居住用家屋について、50歳以上の者、介護保険法要介護または要支援の
認定を受けている者、障害者である者等が、一定のバリアフリー改修工事
(廊下の拡幅・階段の勾配の緩和・浴室やトイレの改良・手すりの設置・屋内
の段差解消・引き戸への取替え工事又は、床表面の滑り止め化)を含む
増改築を行い、平成19年1月1日から平成20年12月31日までの間に居住の
用に供した場合は、増改築に係る現行特別控除または、税源移譲対応特例
との選択により適用することができます。
尚、以上の特例を年末調整で適用するには、平成19年中に居住の用に供し、
平成19年分の所得税について確定申告により特例の適用を受けた人に限ります。
適用初年度は、確定申告が必要になりますので、その点に注意が必要です。
●年賀状の投函と年末年始休暇中のフォロー
年賀郵便の特別扱いは12月15日から始まります。混雑を避け早めに投函をしま
しょう。また、年末年始の休暇について、取引先への連絡や確認、休暇中の新聞
郵便物等の一時休止の依頼、緊急連絡網の整備など休暇中のフォローを進めて
おきましょう。
■ 4. おしらせ
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 今月の本棚
- 4. おしらせ
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