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いーかわらばん vol.302

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2007/12/13
  • vol.302

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

「コーチング」から「メンタリング」へ?

■ 2. 山崎発、経営を考える

修羅場の効用(その6)・・「命」の本質は「役割」と自らの「変化」

■ 3. 事業承継の真視点

数種の株式・・・議決権制限株式(その1)

■ 1. 時の話題

<「コーチング」から「メンタリング」へ?>

「メンタリング」ということばを巷で聞くことが多くなりました。ついこの間まで、
「コーチング」が大流行だったのですが、それにしても次から次へと新しい言葉や
手法が生まれてくるものです。

「メンタリング」の語源は、なんと古代にさかのぼります。トロイ戦争時代の叙述詩、

『オデュッセイア』に登場する「メントール」という人物は、オデュッセウス王の友人で
あり、かつ息子のテレマコスの教育者としての立場を担った賢者の一人でした。

その名前が由来となって、それを英語読みした「メンター」が
 「よき理解者、よき指導者、よき支援者」
という意味を持つようになったといわれています。

「メンタリング」は、「コーチング」に比べてより広範囲であると同時に、コーチングが
どちらかというと、ある一定の目標を達成するための支援をするのに対して、
モチベーションを向上させ、信頼関係を築くといった、より人間的、根源的な部分に
対して、何らかの支援を行おうとする点で、違っているといえるでしょう。

具体的には、プロジェクトチームを作り、基本方針やルールを設定した上で、メンター

(支援者)とメンティ(部下、新入社員等)を選定し、実施を図る、といった手順を
たどります。

昔は、先輩社員や上司が、メンターの役割を果たしていたわけで、このような言葉を
使わなくても、優秀な上司であれば、カウンセリングも、コーチングもメンタリングも、

ごく日常的に行ってきたはずです。

こういった言葉を使って、社内のシステムとして支援を行わなければならないところに、

大きな時代の変化、意識の変化を感じるのは、私たちだけでしょうか。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<修羅場の効用(その6)・・「命」の本質は「役割」と自らの「変化」>

前回は、予想因果関係が“低レベル”でないにもかかわらず、修羅場を迎えてしまう
原因として、 
 ① 人間の力の及ばない突発的なできごとが起こること
 ② 社会の営みは「人間」がおこなうものであり、その人間は「命」をもっているという事実
の二つをあげました。

①は、リスクマネジメントの問題ですので、まず②から考えてみましょう。

人間が「命」をもっているという、この当たり前のことの本質はどこにあるのでしょうか。

「命」という言葉は、物理的な「生命」という意味のほかに、たとえば、
 「使命」「天命」「本命」「拝命」「命令」
などという使われ方があります。

この場合の「命」は、その人の持っている、持つべきである、あるいは、持ちたいと思って

いる、「役割」であるとか「置かれている立場」といった意味で使われていると思います。

では、もどって、物理的に「命」のあるものとそうでないものの違いはどこにあるので

しょうか。

それが動物であれ、植物であれ、生きとし生けるものの本質は、「変化する」ことだと思い
ます。しかも、より重要なことは、外部からの力ではなく、内部からの力で変化すること
ではないでしょうか。

たとえば私は、今、この原稿を書くのに、パソコンで作業をしています。この目の前にある
パソコンを思い切り机の上から放り投げたとします。パソコンは、バラバラに壊れてしまう
でしょう。すなわち、放り投げる前と後とで、パソコンの形状が「変化」したことになります。

しかし、残念ながら、パソコンは「変化」するのですが、内部からの力ではなく、外部から
の力で変化したに過ぎないのです。すなわち、パソコンには「命」はないのです。

回りくどい例をとりましたが、植物が光合成により成長して花を咲かせることも、さなぎが
脱皮して蝶になることも、人間がミルクを飲んで育っていくことも、すべて、外部の力を
利用しながら、内部に自ら持っている力で変化している事実を示しています。

逆に、自らの力では何も変わらず、外からの圧力のみでたまたま変化するだけの人は、

厳しいかもしれませんが、ほとんど「命」を失っている、すなわち死んでいる、ということに
なるのかもしれません。

「命」についてこれだけの紙面で語ることはとても失礼な話だとは思いますが、
「命」の本質が、
 「役割」と「変化」
という二点に集約されるという考え方は、大筋で間違っていないと私は思っています。


とすると、予想因果関係が“低レベル”でないにもかかわらず、修羅場を迎えてしまう

原因として、
 ②人間が「命」をもっているという事実
をあげたということは・・・

人間に潜む「役割」と「変化」が、そこそこ論理的な予想因果関係をはるかに超越した

ものであることを意味しています。

なぜでしょうか。

それは、「役割」と「変化」が、「論理」や「因果関係」だけから来るものではなく、たぶんに、
「感性」「感情」「感覚」といったものに影響を受けるからです。
次回は、そのあたりと修羅場との関係についてさらに深めていきましょう。

■ 3. 事業承継の真視点

<数種の株式・・・議決権制限株式(その1)>

前回は、数種の株式に関する概要についてお話をしました。同時に、譲渡制限株式に
ついて触れ、1株でも譲渡制限のない株式のある会社は、会社法の上では、公開会社
ということになることをご説明しました。

それでは、まず、最もポピュラーである、議決権制限株式からスタートすることに
しましょう。

議決権制限株式とは、厳密には、会社法108条第1項第三号に示されている株式で、
議決権を行使することができる事項やその条件については、定款で定めなければ
なりません。もちろん、すべての事項についての制限も可能です。
これを「完全無議決権株式」と呼びます。

この議決権制限株式については、ここのところの相次ぐ商法の改正で大きく変化して
きました。

平成13年以前は、配当優先株式に限って議決権の制限をつけることが認められて
いましたので、たとえば、昔に作られた社員持株会などには、社員がこの配当優先
無議決権株式をもっているといったパターンが非常に多かったように思います。

それが平成13年11月の改正によって、配当優先と議決権制限とが切り離されると
ともに、議決権制限株式は発行済株式総数の2分の1まで認められることになりました。


さらに、今回の会社法改正では、非公開会社に限ってですが、その2分の1規制も
撤廃されています。したがって、非公開会社に限って言えば、わずかの議決権株式と
大多数の議決権制限株式といった構図も、不可能ではないことになりました。

また、会社法303条第1項では次のような記載が見られます。

 303条 株主は、取締役に対し、一定の事項(当該株主が議決権を行使することが
      できる事項に限る。次項において同じ。)を株主総会の目的とすることを

      請求することができる。

これはいわゆる株主提案権についての記載ですが、この括弧書きにありますように、
議決権を行使できる事項についてだけ株主提案権が認められていることから、
議決権制限株式については株主提案権はないと解釈できます。まったく同様に、
会社法第304条に規定する議案提出権についてもないものと考えられます。

すなわち、事業承継を前提にすれば、事業承継をする立場にない人が、議決権制限
株式をいくら多く保有しようとも、その制限されている事項について横槍を入れる
ことはできないわけですから、安全性は増すということがいえるでしょう。

次回は、この議決権制限株式を利用した事業承継の具体的事例について
考えてみましょう。

■ 4. おしらせ

12月29日(土)から1月6日(日)まで、年末年始休暇とさせて頂きます。
従いまして、新年第1号のいーかわらばんにつきましては、1月10日(木)
の配信とさせて頂きます。
尚、年内は12月20日(木)の配信が、本年最後のいーかわらばんです。
どうぞ宜しくお願い致します。

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 財務ホット情報
  • 4. おしらせ

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