いーかわらばん vol.292
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2007/10/04
- vol.292
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<ロックフェラー、ロスチャイルド、ビルゲイツ、そしてミッタル>
アルセロール・ミッタルが、極東の鉄鋼会社を傘下に治めるべく、食指を動かし
はじめている、といった情報を随所で聞くようになりました。
アルセロール・ミッタルをご存知でしょうか。
インドのラクシュミ・ミッタル氏が、1976年にミッタル・スチールを設立して以来、
十数カ国、20社近くの買収を繰り返し、2006年に、世界第二位の鉄鋼会社、
アルセロールの買収によりできあがった、世界最大の鉄鋼会社です。
粗鋼生産では、世界の10%超を占め、それは新日本製鐵の実に3倍の規模と
なっています。
“ラクシュミ・ミッタル”という名前はどこかで見たことがある、という人は、
たぶん、2007年発表のフォーブス誌による世界の長者番付第5位にランクイン
された人物だからでしょう。長者番付というと、ビルゲイツと孫正義に注目が
集まりますが、アジアナンバーワンは彼なのです。
国際基礎素材は、石油をはじめとして、ここ数年、かなりの価格上昇をしています。
「鶏が先か、卵が先か」の議論はともかく、その背景に上記のようなさまざまな資本
の変動が見え隠れしています。
思い起こしてみれば、19世紀後半には、アメリカでロックフェラー家のスタンダード
石油が業界を独占し、それが独占禁止法によって分割されると、ロックフェラーは
ロシアに目を付けてカスピ海へと進出しました。
そのロックフェラーに対峙したのがロスチャイルド家です。配下のバクー油田を
ロイヤル・ダッチ・シェルに売り渡すことで得た資金を振り回して、ロックフェラー
のヨーロッパ進出を封じ込めました。
一方で、ビルゲイツ率いるマイクロソフトは、家庭用ロボット分野の統合に向けて
動き出した、というニュースも流れました。
さて、島国日本の長者達は、歴史的、国際的な資本変動の波に、どのように対応
することにより、権益を守り、あるいは新たな制覇の夢を描いていくのでしょうか。
地球に渦巻くさまざまな「気流」を宇宙から眺める目を、時として持つべき時代に
なりました。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<「知」が流れる、流血の事態!>
継承、伝承をテーマにしたお話はそろそろ終わりに近づきました。したがって、
このテーマの総括整理に入りたいと思います。
まず、ステップとしては、
ステップ1:継承・伝承項目のリストアップ
ステップ2:継承・伝承させる人、受ける人のリストアップ
ステップ3:継承・伝承方法の整理とツール作成
ステップ4:継承・伝承のスケジュール化
ステップ5:継承・伝承の実践とマニュアル化
の5段階を設定して、ご説明をしてきました。
もともと、今回の継承・伝承がテーマになった背景には、二つのものがありました。
一つ目は、「知」の世界からのもので、「顧客との対話」を軸にした「外部的な知」と、
「継承・伝承」を軸とした「内部的な知」とがあり、vol.280までが「外部的な知」、
そのあと今回までが「内部的な知」のご説明ということになります。
二つ目は、いわゆる2007年問題で、この継承・伝承の課題を、特に製造業の技術的
側面について、プロジェクトの形で行うことを想定してお話をしてきました。
しかし、重要な点は、本来このような継承・伝承は、「プロジェクト」として行われるべき
ではなくて、日々の教育の一環としてなされるべきだ、ということです。
その際に、もっとも見逃されがちな点が、
「知」であるという認識不足
です。上記のステップに当てはめると、ステップ1が日常的におこなわれるかどうか、と
いう点です。
たとえば、企業買収をする、その際に苦労したさまざまな体験について、これが「知」で
ある、という認識があるかどうか・・・
たとえば、海外進出をした、その際のさまざまな行動が「知」の塊である、という認識が
あるかどうか・・・
たとえば、物流部門をアウトソーシングした、そのときのさまざまなトラブル履歴こそ、
最大の「知」である、という認識があるかどうか・・・
もっと身近なところで、毎月末に行う「棚卸業務」ひとつとってみても、そこで発生した
問題は、「知」の塊だという認識、後世に伝えようという認識があるかどうか・・・
これらを「知」だとは認識しないで、たぶんやりっ放しで終わっているもったいない事態
の何と多いことか、というのが私の実感です。これを「知が流れる」と私は表現している
のですが、まさに「流血の事態」ではないでしょうか。
では、これらを継承・伝承の対象と認識したとして、日常的にこれらを伝えていくために、
どのようなしくみが必要なのでしょうか。次回はその部分について考えてみましょう。
■ 3. 今月の事務
●税務調査への対処
税務当局は7月から新しい事務年度に入り、秋口から税務調査が本格化します。
いつ税務調査を受けても大丈夫なように、証拠資料などを整備しておきましょう。
契約書の印紙などは見逃しがちなので、確認しておきましょう。
●レクリエーションへの対処
秋は社員旅行・運動会などのレクリエーションを予定している企業も多いと思います。
実施した場合は、費用やスケジュールに関する資料をきちんと保存しておきましょう。
次回の計画の際や、税務調査での証拠書類としても有効です。
●新社会保険料による控除と納付
7月に提出した報酬月額算定基礎届に基づく定時決定により、9月から健康保険・
厚生年金の標準報酬が替わっています。一般被保険者の厚生年金保険料率が、
14.996%に引き上げられています。
9月に支給する給与から変更している会社もあると思いますが、原則は10月に支給
する給与から徴収されることになっています。 事務処理には、特に注意しましょう。
保険料は、児童手当拠出金とともに10月31日が納付期限です。
■ 4. おしらせ
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 今月の本棚
- 4. おしらせ
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