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いーかわらばん vol.291

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2007/09/27
  • vol.291

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

「役職定年制度」から「役職任期制度」へ

■ 2. 山崎発、経営を考える

マニュアルは指導を受けるものが作成する!

■ 3. 財務ホット情報

執行役と執行役員

■ 1. 時の話題

<「役職定年制度」から「役職任期制度」へ>

定年年齢が55歳から60歳へ、さらに65歳へと上昇してきたこの十数年のあいだに、
管理職の定年制度を導入する企業が増えてきています。

2006年度の上場企業3,500社を対象としたある調査によれば、40.4%の企業が役職
定年制度を導入しています。その大半が、すべての役職に同一年齢の設定がされて
おり、平均55.6歳とのことです。

しかし、この役職定年制度のもとでは、有能な人材も一定年齢で役職を外れてしまい、
一方で、問題の役職者もよほどのことがない限り、解任はしにくい、という問題点が
ありました。有能な人間だからと定年後も職位を延長すれば、定年制度自体が結局の
ところ、なし崩しになってしまいます。

そこで、浮上してきたのが、役職任期制度です。

たとえば「課長」という職位に対して「2年」という任期を設定します。課長の職位を
与えられた者は、2年間にどのような改革を起こして、いかなる成果を出すべきか、
を設定し、2年後に再任されるか否かの判断を待つ、ということになります。

在任期間中に緊張感を持たせることはもちろん、若手に役職に挑戦させる機会を
与えることもでき、また、敗者復活についても非常に柔軟に対応できる、といった
メリットがあります。

もちろん、人事評価制度と同じく、就任や再任に関する、一定のしくみや基準が必要で、
社員の納得が得られるものでなければなりませんが、高齢化、少子化の流れの中で
人材のレベルアップを図るためにも検討の価値は十分にあると思います。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<マニュアルは指導を受けるものが作成する!>

前回までに
ステップ1:継承・伝承項目のリストアップ
ステップ2:継承・伝承させる人、受ける人のリストアップ
ステップ3:継承・伝承方法の整理とツール作成
ステップ4:継承・伝承のスケジュール化
について、順次ご説明をしてきました。

今回は、最後のステップである、
ステップ5:継承・伝承の実践とマニュアル化
について整理しましょう。

前回のステップで設定されたスケジュールに基づいて、継承・伝承を実践していくプロ
セスがここでの中心ですが、前回お話したように、実践をしていきながら、その中身を
文字などに表し、いわゆるマニュアル化を進めていくことも、ここでの重要なポイント
です。

このステップでマニュアル化を実施する理由としては、以下のものがあげられます。

一つ目は、前回もお話したように、人的、時間的制約の大きい中堅・中小企業では、
事前にマニュアル化に大きな時間を割くことができず、実践しながら行うことがもっとも
効率的であるからです。

二つ目は、マニュアル化を事前に行って、それにしたがって推し進める、とした場合、
目的がマニュアルの作成になってしまって、そこですったもんだした挙句、結局、肝心
の継承・伝承が一向に進まない、といった傾向が強いからです。継承・伝承は、実践
してこそ意味があります。

三つ目は、本来、継承・伝承は、取り立ててプロジェクトとして行うものではなく、日々
のなかで、OJTとして、繰り返し繰り返し実践されていく、広い意味での「育成」の
一環です。

今回は、最近の2007年問題を念頭に問題提起しましたが、マニュアル化も、取り立てて
プロジェクトで行うものではなく、ツールとして利用しながらそのつどバージョンアップ
していく、といった性格を鮮明にしておく必要があります。

四つ目は、以上のような「日々実践」を前提にする限り、マニュアル作成者が誰であるか、
が非常に大事です。多くの企業で誤解をしているように思うのですが、マニュアルは、
指導をする側が作成するのではなくて、指導を受ける側が作成するものだと思います。

より厳密に言えば、たとえば、①技術作業マニュアルと②技術指導マニュアルを作成すると
して、AさんがBさんを指導するのであれば、
 ・Aさん=技術指導マニュアル作成者
 ・Bさん=技術作業マニュアル作成者
ということになります。

そうすれば、指導を受けたものが本当に習得したかどうかも判断できますし、本人にとって
は、最高の復習整理のプロセスとなるはずです。

そして、最後に、たいていの会社では、技術「指導」マニュアルが不在です。指導者を作り
上げなければレベルは上がらないはずなのに、その「指導」に関するマニュアル化がされない、
というのは、先ほど述べたように、Aさんが「作業」マニュアルを作成しているがゆえに、
「指導」マニュアル作成まで頭が回らない、その重要性が認識されずに終わってしまう、
という事態になっていると思われます。

ぜひ、実践を通じて、「作業」と「指導」(または「育成」)の両方のマニュアル化を図り、
企業の歴史の中に潜むすばらしい暗黙知を形式知化することに取り組んでいただきたいと
願っています。

■ 3. 財務ホット情報

<執行役と執行役員>

執行役と執行役員 名前は似ていますが、「員」がつくかどうかで税務上の取り扱いは
ちがってきます。
これは執行役とは商法上の制度で、税務上役員等として扱いますが、一方
執行役員は商法上なんら規定されておらず、使用人とされる点に起因しています。

これまで、税務上、執行役員の定義については明文化されていませんでしたが、国税庁が
さきほど公表しました所得税法基本通達改正に伴うパブリックコメントに対する考え方で、
「執行役員とは、会社法、法人税法及び所得税法上の使用人であることを前提としている」
「執行役員はあくまで使用人であって役員ではない」
と初めて明確化されました。

これを踏まえて通達では、使用人から執行役員へ就任した場合、退職手当等の名目で
支給された一時金の取り扱いについて、税務上、退職手当等とすることができる要件を
明らかにしました。

一定の要件とは、①執行役員と会社との契約が委任契約等で、かつ、執行役員退任後の 
使用人としての再雇用が保証されていないこと ②執行役員に対する報酬や福利厚生、
服務規律等は役員に準じたもので、執行役員はその任務に反する行為等により使用者に
生じた損害について賠償する責任を負っていること としています。

なお、この取り扱いは、執行役員に就任した場合に支給した一時金に対する取り扱いに
すぎず、この要件を満たした執行役員が「役員」として扱われるのではありませんので
ご注意ください。

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

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  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 今月の事務
  • 4. おしらせ

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