いーかわらばん vol.285
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2007/08/09
- vol.285
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
「ウィー」&「ニンテンドーDS」のヒットが教えてくれるもの
■ 2. 山崎発、経営を考える
継承・伝承させる人、受ける人
■ 3. 今月の本棚
『会社は頭から腐る』 富山和彦著 ダイヤモンド社
■ 1. 時の話題
<「ウィー」&「ニンテンドーDS」のヒットが教えてくれるもの>
「Wii(ウィー)」や「ニンテンドーDS」の快進撃はいまさら言うまでもありませんが、
数年前の一時期はゲーム機の世界で、ソニーやセガに脅かされていた任天堂が恐ろしい
勢いで快走しています。
2007年の3月決算の数字を、有価証券報告書で確認してみますと、連結ベースで、
売上高 9,665億円
経常利益 2,888億円
営業キャッシュフロー 2,746億円
自己資本比率 69.93%
と、どれをとっても、文句なしの超一流企業です。
私が感ずるところ、任天堂のこういったすごさには、他の企業とは違ういくつかのポイ
ントがあるように思います。
もうすぐ1兆円に届く企業でありながら、従業員数が、
3,373人(ほか、平均臨時従業員数991人)(有価証券報告書より)
と記されていることです。これはトヨタの約百分の一です。
任天堂は従来から、ファブレス企業(製造を外部委託し工場を持たない企業)を標榜して
きました。したがって、日本の製造業における強さとして、真っ先にあげられるトヨタ式
の「カイゼン」や「ジャストインタイム」といった概念にはあまり関心がありません。
しかも、ゲーム機の部品の製造に多額の投資をしたソニーと比較するとよくわかるのです
が、最近の任天堂は、誤解を恐れずに言えば、ゲーム機そのもののスピードや画像の
性能をあげることには無頓着でした。
それよりも、「難しくなくて、お年寄りでも、ビジネスマンでも、家庭の主婦でも、気軽に、
楽しく、遊べるゲーム」というコンセプトの完成に全力を注いだ結果である、ということが
できるのではないでしょうか。これはある意味で、「iPod」をヒットさせている
アップルと共通するところがあります。
こういった進み方は、中小・中堅企業の進み方に大きな示唆を与えてくれます。
もちろん、最先端の技術力で勝負することができる会社は、そこで秀でることに全力を注ぐ
べきですが、ごく当たり前の技術しか持てなかったとしても、使う側に新しい「意味」や
「価値」を新たに感じさせることができれば、それは立派な広い意味での「技術」ではない
でしょうか。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<継承・伝承させる人、受ける人>
前回は、まず「継承・伝承」項目の「たたき台」を完成した後、二つの課題がある
ことを申し上げました。
ひとつは、「たたき台」が必要にして十分なものかどうか。
もうひとつは、できあがった「継承・伝承」項目の、具体的な実践方法でした。
前者は前回の最後に述べた優先順位をつけて整理する、とういうことで終わりに
していますが、この必要十分な選別については、もう一度あとで詳述すること
になります。とりあえずここまでが、
ステップ1:継承・伝承項目のリストアップ
というプロセスです。
したがって、これから数回は、前回予告したとおり、第二の具体的な実践方法につい
て考えてみましょう。
この具体的な進め方を考える際に、まずしっかりと認識しておかなければならないこ
とは、当たり前ですが、継承・伝承するには、
① 継承・伝承させる人
② 継承・伝承を受ける人
の最低二人が存在する、ということです。
すなわち、具体的方法を考えるスタートは、①と②を担うのは誰か、ということを
しっかりと見定める、ということになります。
もちろんこれはステップ1の継承・伝承項目によって異なるでしょう。したがって、
ステップ2:項目ごとに、継承・伝承させる人、受ける人のリストアップ
というプロセスが次に来ることになります。
実は、この前後で、継承・伝承を目的とした、プロジェクトチームや委員会といった
ものを、さまざまに命名して、作り上げておきます。いわゆる、継承・伝承の体制
を本格的に立ち上げておくわけです。
次回はステップ3に進むために、ステップ1と2で、ぜひ考えておかなければならない
注意点について整理しておきたいと思います。
■ 3. 今月の本棚
<『会社は頭から腐る』 富山和彦著 ダイヤモンド社>
なんとも刺激的なタイトルです。著者の富山氏は、知る人ぞ知る産業再生の請負人、
元産業再生機構のCOOだった人です。
1960年生まれ、東大法学部出身で在学中に司法試験に合格し、スタンフォード大学
で経営学修士・・・と絵に描いたようなエリートですが、書いてある内容は非常に「ベタ」
であると同時に、経営者としての人間の本質に迫っているように感じます。
それは、次のような文章にも表れています。
そこに善も悪もなく、言い換えればインセンティブと性格の奴隷となる「弱さ」
にこそ人間性の本質のひとつがある。性悪説でも、性善説でもない「性弱説」に
立って人間を見つめたときに初めて多くの現象が理解可能になってくる。
ある動機付け、たとえばよき家庭人たろうとする動機づけに基づく行動が、切羽
詰まったプロジェクトに必死にとりくんでいる他のメンバーから見れば、悪しき
行動となる。自分たちが長年勤めた職場や、自分と仕事仲間の家庭の生活を守る
というよき目的のために、有価証券虚偽記載という犯罪行為に手を染めてまで、
会社の延命を図ろうとする。気がよくて情にもろい性格の人、気が弱くて目の前
でトラブルが起きるのに耐えられない人、こういうよき隣人、よき日本人は、
今日の出血を避けるべく問題を先送りする。・・・
構成は全部で6章からなっており、以下のとおりです。
第1章 人はインセンティブと性格の奴隷である[経営と人間]
第2章 戦略は仮説でありPDCAの道具である[経営と戦略]
第3章 組織の強みが衰退の要因にもなる[会社の腐り方]
第4章 産業再生の修羅場からの臨床報告[現場のカルテ]
第5章 ガバナンス構想を徹底的に見直せ[予防医学その1]
第6章 今こそガチンコで本物のリーダーを鍛え上げろ[予防医学その2]
お盆にでもぜひご一読ください。
■ 4. おしらせ
山崎修一オープンセミナーのお知らせ
日時:8月22日(水) 10:00~16:45
テーマ:『失敗しない事業承継対策 オーナー社長の打つべき手』
お問い合わせ:SMBCコンサルティング株式会社 06-6222-9586
http://www.smbc-consulting.co.jp/company/seminar/
kansai/month/200708.html27_seika.html
日時:8月23日(木) 13:00~17:00
テーマ:『経営者・幹部のための経理実務講座』
お問い合わせ:神戸商工会議所 078-303-5808
http://www.kobe-cci.or.jp/seminar/jinzai/070823_keiri.html
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 事業承継の真視点
- 4. おしらせ
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