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いーかわらばん vol.467

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2022/04/15
  • vol.467

▼INDEX▼

■ 1. 山崎発「新天動説」への幕開け(4)

「高いスキル」を駆使した「深いマインド」勝負の時代  

■ 2. みんなの疑問!?(4)

4月施行の法改正ってありましたっけ?

■ 1. 山崎発「新天動説」への幕開け(4)

<「高いスキル」を駆使した「深いマインド」勝負の時代  >

前回は、一つ目の疑問、「新天動説」の世界で、企業と人材の関係がどのように
変化するのかについて、考えてみました。そして、
 「人材シェアリングの大規模な普及」
が生じる可能性についてお話をしました。

さて、今回は、二つ目の疑問、「そもそも翻訳のような仕事はどんどんAIに置き
換わっていって、人材シェアリングの枠組みから外れていくのではないか」という
問いについて考えてみましょう。

確かに、翻訳など汎用的な領域はかなりの部分がAIに置き換わっていくことになる
でしょう。その部分は、間違いなく人材シェアリングの枠組みから外れます。

しかし前回のメタバースの例で示した百貨店の店員さんレベルになると、各百貨店
の意向をしっかりと把握したうえで、その百貨店に来られるお客様の気持ちや考え
方を汲んで瞬時に切り替えながら対応しなければならず、完全にAIに置き換わるの
はもう少し先になると思われます。

ここから、「新天動説」の時代に、「人材シェアリングの大規模な普及」が成果を
生み出すための要件を垣間見ることができます。

その要件とは・・・。
成果を生み出す要素がシンプルに「スキル」と「マインド」から構成されるとすれ
ば、「スキル」のレベルが高いことは当然として、「マインド」の深さこそがその
高い「スキル」を真に開花させる、という点です。

そして、この「マインド」の深さが要求されるのは、人材側はもちろん、その人材
を活用する企業側にとってより重要です。上記の例で言えば、アバターとして動く
店員さんのみならず、各百貨店側のマインドの深さがさらに大事だということにな
ります。

先日、ある上場会社の幹部の人とお話をした時に、次のような述懐を聞きました。

・・・弊社ではSDGsの特別チームを作り、外部から何人かの著名なプロも呼んで、
かなりの時間を割いて活動をしてきたんですが、最近 ”SDGsごっこ” をしている
ことに気がつきました。本当の意味で弊社独自の”魂”が入っていないんですよ。
カタチはきれいですが、うわ滑りしているんです。プロの方々の進め方にも問題
はあったのかもしれませんが、我々の会社の側に、プロの力をギリギリまで活用
して成果を出す、という熱意や執念、基本的な考え方が確立していなかったよう
に思います。 ・・・

このお話を聞いて、私は、稲盛和夫氏の有名な方程式、
成果=考え方 × 熱意 × 能力
を思い出していました。この方程式の前半の「考え方、熱意」を「マインド」、
「能力」を「スキル」と読み替えることもできると思います。掛け算ですから、
一つがゼロなら、成果はゼロです。それどころか、考え方がマイナス方向に進む
と、大きなマイナスになってしまいます。

ネットを通じて情報がオープンになった現代では、人材シェアリングのプラット
フォームもどんどんレベルアップし、それぞれの領域の優秀な人材を見つけて
引っ張ってくることは、決して難しいことではありません。

しかし、その引っ張ってきた人材の「高いスキル」を活かすかどうかは、活用
する側の「深いマインド」であることを、再度、肝に銘じる必要があります。

私が20年以上ずっと唱えて来た、

・デジタルを駆使したアナログ勝負の時代
・バーチャルを駆使したリアル勝負の時代
・ハイテクを駆使したハイタッチ勝負の時代

に付け加えて、「新天動説」の時代には、もう一つ、

・「高いスキル」を駆使した「深いマインド」勝負の時代

という「原点回帰」がより重要になるのかもしれません。

次回以降、人材側、活用側のそれぞれに要求される「深いマインド」の中身に
ついて具体的に考えることにしましょう。

■ 2. みんなの疑問!?(4)

<4月施行の法改正ってありましたっけ?>

「法律の施行日って、バラバラなんで、結構漏れっちゃったりすることがあって」
というお声を聞くことがあります。

今回は、この4月1日に施行された、パワハラ防止法についてご説明させて
頂きます。

パワハラ防止法の正式名称は、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の
安定及び職業生活の充実等に関する法律」といい、パワハラに関する法律が追加
され、2020年6月から施行されました。(※中小企業は2022年4月1日施行)

<パワハラ防止のために講ずべき措置>

◆ 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
 ・職場におけるパワハラの内容・パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、
労働者に周知・啓発すること
 ・行為者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に
規定し、労働者に周知・啓発すること

◆ 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
 ・相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること
 ・相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じ、適切に対応できるようにすること

◆ 職場におけるパワハラにかかる事後の迅速かつ適切な対応
 ・事実関係を迅速かつ正確に確認すること
 ・速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと
 ・事実関係の確認後、行為者に対する措置を適正に行うこと
 ・再発防止に向けた措置を講ずること

◆ そのほか併せて講ずべき措置
 ・相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、その旨
労働者に周知すること
 ・相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取扱いをされない旨を定め、
労働者に周知・啓発すること

企業としては、パワハラ言動に対する対処方法を就業規則などの文書に定めることが
必要となります。

1.就業規則に記載する
2.就業規則に『パワハラ防止に関する規程』に定めると記入し、別規程を作成する

といった方法が考えられます。

問題が起こる前に、就業規則を見直していただき、記載がない場合は早急に
対処していただければと思います。

■ 3. 今月のおすすめ3冊

このコーナーでは、山崎が最近読んだ書籍の中から、皆様にも目を通していただけ
れば、と感じるものを3冊選んで掲載いたします。

ネット上に多くのレビューがありますので、解説は最小限にとどめます。
また、最近の出版物だけではありませんが、ご了承ください。

1『世界初のビジネス書』 ベネデット・コルトリ著 すばる舎 
 副題は「15世紀のイタリア商人 ベネデット・コルトリ 15の黄金則」となっており、
商人としての成功法則が述べられています。経営手法は変わっても、成功の原則は、
 古今東西、ほとんど変わらないことが確認できて興味深く感じます。

2『奇跡の介護リフト』 森島勝美著 幻冬舎 
 副題は「介護業界に風穴を開けた小さなメーカーの苦闘の記録」と記されています。
株式会社モリトーの社長森島氏が、苦労の末に編み出したの介護リフトの開発実話
です。オンリーワン製品を生み出す執念に加えて、介護の実態も理解できる本です。
    
3『生命知能と人工知能』高橋宏知著 講談社 
 副題は「AI時代の脳の使い方・育て方」です。いわゆるAI解説本ではなく、AI時
代に人間の脳をいかに成長させるかについて、脳科学的視点から二つの知能を比較
しています。人間の持つ「意識」の大事さ、すごさも理解できます。

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