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いーかわらばん vol.466

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2022/03/16
  • vol.466

▼INDEX▼

■ 1. 山崎発「新天動説」への幕開け(3)

「人材シェアリング」の大規模な普及!

■ 2. みんなの疑問!?(3)

前回に出てきた、産後パパ育休って何ですか?

■ 1. 山崎発「新天動説」への幕開け(3)

<「人材シェアリング」の大規模な普及!>

前回は、
リモート化 → 自立化 → 複数企業との契約 →「雇用」「請負」「委任」の混在 
という流れを、翻訳という職業を例にとって考えてみました。

この事例から、「新天動説」への幕開けにつながる根本的な疑問が生じてきます。

第一は、「雇用」「請負」「委任」が混在する傾向が強まることによって、企業
と人材の(契約)関係がどのように変化していくのか、という疑問です。

答えは、「人材シェアリングの大規模な普及」です。

「シェアリングエコノミー」という言葉は、この10年くらいの間にポピュラーになり
ました。ライドシェアやシェアハウスはもちろん、例えば服や時計のサブスクリプ
ションなども、広義のシェアリングエコノミーととらえることができます。

シェアリングエコノミーの本質は、目的としては「所有」から「活用」へ、形態と
しては「占有(クローズ)」から「共有(オープン)」です。

しかし、これは今に始まったことではありません。土地の賃貸借、お金の消費貸借
(金融)は、明らかにモノやカネの広義のシェアリングです。新聞、雑誌、書籍、
レコード、DVDは情報のシェアリングであり、それがネットへと進化しました。

では、ヒトのシェアリングは。どうだったでしょうか。モノ、カネ、情報と同様、
専門職人材は、人材派遣、アウトソーシングなどを通じてシェアリングが行われて
きました。百貨店で店頭に立つマネキン販売員さんはその典型です。

しかし、ヒトが会社やお店、工場に移動して仕事をする限りにおいては、空間的な
制約がありました。瞬間移動はアニメの世界でしかできなかったのです。ところが、
このアニメの世界が、メタバースによって現実のものとなってきました。

メタバースでは、ある百貨店でお客様の相談に乗っていた店員さん(アバター)が、
瞬間的に別の会社の百貨店に移動して接客することが可能なのです。お客様さえ
許してくれれば、同時に(交互に)複数のお客様のお相手ができるかもしれません。
現実の人間は一定の場所にいながら、世界中の誰に対しても接客が可能です。

人材も「囲い込む」ものではなく「シェアリングするもの」という考え方がどんど
ん強くなっていくのが「新天動説」です。これは、ドラえもんの「どこでもドア」
をはるかに超えています。リアルとバーチャルの往来ではなく、バーチャルとバー
チャルの往来ができる数多くの「どこでもドア」が同時に存在している状態です。

では、人材シェアリングが大規模に普及した「新天動説」的な世の中では、企業に
どのような対応が迫られるのでしょうか。

そこに、またいくつかの疑問が生じます。第二の重要な疑問は「そもそも翻訳のよ
うな仕事はどんどんAIに置き換わっていって、人材シェアリングの枠組みから外れ
ていくのではないか」というものです。

これは、人材能力の基本構成要素である「スキル」と「マインド」を、企業がどの
ようにとらえて対応していくかという「人材能力の理念」とリンクします。さらに、
人材能力を活用する「プラットフォーム」の重要性を示唆しています。

次回、これらの点を順次整理してみることにしましょう。

■ 2. みんなの疑問!?(3)

<前回に出てきた、産後パパ育休って何ですか?>

前回の予告通り、今回は産後パパ育休について、ご説明させていただきます。

現在は、パパママ育休と言われているもので、夫婦で育休を組み合わせると、
1歳2か月まで育休がとれるという制度があります。
男性の育児休暇を推進する大手企業も少しずつ増え始めています。
現行では、分割取得ができないため、取るタイミングが難しいという不満が
ありました。

そこで、今回令和4年10月から施行される産後パパ育休は、分割取得が
可能となり、2回育休を取得できるようになりました。

では、ゆっくり見ていきましょう。
まず、出生後8週間までの産休期間です。
出生後8週間以内に4週間、2回分割して取得できるようになりました。

母目線からは、出生直後に2、3日取得し、退院日からまとめて取ってもらう
のがいちばん助かるのではないかと思います。

次に8週間から子が1歳になるまでの間です。
この期間も2回分割して取得できるようになりました。

こちらも、母目線で、疲れが溜まってくる2か月ぐらいに1度取得、
離乳食が始まる10か月ぐらいに2度目を取ってもらうのが助かるのでは
ないかと思います。

中小企業では、人の手配、一人当たりの仕事のボリュームなど、なかなか
男性の育休制度が進まない現状があります。しかし、労働人口減少の中で、
人材を最大限に活用する視点からは、職場環境の改善は重要な要素になると
考えられます。

テレワークとの併用により「中小企業だからこそ」可能な点をしっかりと
追究し、実現していく必要があるのでは、と感じます。

■ 3. 今月のおすすめ3冊

このコーナーでは、山崎が最近読んだ書籍の中から、皆様にも目を通して
いただければ、と感じるものを3冊選んで掲載いたします。

ネット上に多くのレビューがありますので、解説は最小限にとどめます。
また、最近の出版物だけではありませんが、ご了承ください。

1『考えて、考えて、考える』 丹羽宇一郎 藤井聡太 講談社
 元伊藤忠商事社長、民間で初の中国大使に就任した丹羽氏と、19歳で
 史上最年少五冠を達成した藤井竜王との対談集です。考え抜くことの
 大事さを再認識できるとともに、「プロの凄さ」を感じます。
 
2『ビジョナリーカンパニー ZERO』 ジム・コリンズ 日経BP
 『ビジョナリーカンパニー』シリーズ6冊の原点にもかかわらず埋も
れていた『ビヨンド・アントレプレナーシップ』(1992年)を大幅に
改訂した本です。起業から偉大な企業に進化する条件が見えてきます。
    
3『多様性の科学』  マシュー・サイド著 ディスカヴァー 
  副題は「画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織」
となっています。組織に生産性向上をもたらす多様性の本質的な中身
を考える本です。5年前の同じ著者によるベストセラー『失敗の科学』
を超える本かもしれません。

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