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いーかわらばん vol.447

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2015/08/19
  • vol.447

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

「フレキシブル・ワーク・スタイル」とは?

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買い付け(その113)
           ・・・かつてのホンダ、「出番を作るシステム」

■ 3. 知らなきゃ損!労務の基本知識

「くるみん」ってご存知ですか?~ゆるキャラではありません~

■ 4. おしらせ

株式会社トップ支援より

■ 1. 時の話題

< 「フレキシブル・ワーク・スタイル」とは?>



育児はもちろんのこと、ここ数年は、戦力であるはずの社員が、親の介護の

ために職場を離れざるを得ない状況が多くの企業で見受けられます。生産労働

人口が確実に減少するなかで、この現象は、企業にとっても、社員にとっても

大きな損失です。



そこで、浮上してきたのが、「フレキシブル・ワーク・スタイル(以下FWS)」

と呼ばれるものです。



大昔からあった「内職」や、少し前によく言われた「SOHO(スモールオフィス、

ホームオフィス)」、あるいは「フレックスタイム制」なども、FWSのはしり

といえるかもしれません。



しかし、昨今のIT技術を最大限に活用することにより、労働環境を革新して、

組織的により効率的、効果的なしくみを構築しようというところが、従来とは

大きく異なると思われます。



それでは、FWSはどのような基本的な考え方から構築されるのでしょうか。



まず、空間的フレキシブル化と時間的フレキシブル化を整理する必要があります。



空間的フレキシブル化とは、仕事を行う場所、働くことができる場所を、

 1 従来の自社のオフィス

 2 取引先(顧客、仕入先等)

 3 自宅

 4 その他

など、企業の実態に応じて、幅広く分類、設定することをいいます。



時間的フレキシブル化とは、労働時間を朝9時から夕方5時などの「マス時間」に

固定するのではなくて、より細かく「ニッチ時間」を活用しようという考え方です。

 1 マス時間  まとまってとれる時間、従来の就業時間帯もここに含まれます。

 2 ニッチ時間 出張時の移動列車内の時間、空港での待ち時間、育児の合間の

         時間、あるいは実態に応じてマス時間を細かく分割した時間

         など、隙間、合間の時間をいいます。



実は、個人としては、多くの人がすでに、これらのフレキシブルな対応は行って

いるはずですが、それを組織として最高のパフォーマンスを実現していこうとす

るのがFWSの趣旨です。



ただ、これを確実に実現するためには、いくつかの重要な注意点があります。



ひとつは、ワークライフバランスです。いつでもどこでも働くことができると

いうことは、一日中働いてしまう人が出てくる可能性も秘めています。最終的

には、各人の意識がポイントですが、これらに対する教育、在席管理手法など

が要求されます。



二つ目に、報酬が成果主義的にならざるを得ないことから、これらに対応した

給与システムの構築が要求されます。



三つ目に、情報管理の重要性です。特に、意図的であれ、不注意であれ、情報

流出の問題にいかに対処するかは、きわめて大事な課題です。



四つ目に、どの場所で、どの時間に行うことが最大の効率につながるか、あるいは

個人で行うべきか、組織で行うべきかという、業務の切り分けが必要になります。

これは、裏返すと、最大のノウハウにつながります。



今後すべての業務とは言わないまでも、従来のデスクワークとよばれる部分につ

いては、フレキシブル化の要求は強くならざるを得ないでしょう。皆様の会社でも、

組織としていかに対応するか、実験を開始してみてはいかがでしょうか。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買い付け(その113)
           ・・・かつてのホンダ、「出番を作るシステム」>

今まで、「たい」人種、「やった」人種、「こころ」人種を生み出す確率が高く

なる「場」の、下記の三つの条件と二つのシステムについてお話をしてきました。



条件1 「たい」がほんとうに大事で、やりきるための原点だと認識できる「場」

条件2 自分の「たい」を苦しみながら実践し、やりきった時の充実感を体感

    できる「場」

条件3 結果として、リーダーシップの根本である「やりきる力」と「引き寄

    せる力」を体得できる「場」



基本システム1 

テーマ(目標、目的)内における自分の位置(イノベーター、リーダー、

フォローワー、ラガード等)が選択かつ確認できること



基本システム2

テーマ(目標、目的)の選択ができること



これらの3条件と2システムを実現する場として、私は、前回お話しましたように、

「特命システム」を提唱してきましたが、実は、二つの会社の事例がその原点と

なっています。



その一つ目の事例は、ホンダでした。



ホンダがCVCCエンジンなど相次いで開発を行い、一躍異色の自動車メーカーへ

と躍り出た時期に、どのような研究開発体制が背景にあったのでしょうか。



その最も根底のシステムを、当時のホンダでは、「出番を作るシステム」と

呼んでいました。



たとえば排ガス規制をクリアするエンジンを開発しようという基本テーマが

あったとしましょう。その際に、排ガス規制をクリアするためには、どのような

切り口(具体的な開発テーマ)で行うかは、一人一人の「自己申告」に委ねられ

ます。



これを「一人一件主義」と呼び、責任とともに権限が与えられます。もし、その

やり方はまずいのではないか、と思っても、周りの人は口出しできないしくみに

なっています。



そして、もし本当におかしい、自分のやり方がいい、と思うのであれば、自分で

「自己申告」をして、新たな「一人一件主義」の主体となって研究開発に携わる

ことができるのです。



したがって、いくつもの「一人一件」が同時に進行している状態でした。それを

ホンダは、「並行異質自由競争主義」と呼んでいました。



また、「一人一件主義」に対しては、「行動主義」「現物主義」「事実主義」が

厳格に適用されます。すなわち、

「技術の世界では、事実の前には平等である」

という考え方を徹底し、上司といえども、また長老といえども、一切文句は言え

ないしくみでした。



そして、一定期間を経たのちに、「評価会」が開催され、すべてを事実に基づき

評価した上で、会社としての集中開発体制を作る、というのが、当時のホンダの

開発システムだったのです。



これらの詳しい記述は、西田通弘著『隗より始めよ』にありますので、ぜひご覧

いただきたいと思います。



ここで、ポイントとなる「自己申告」「一人一件主義」「並行異質自由競争主義」

「行動主義」「現物主義」「事実主義」といった考え方を並べて、冒頭の3条件、

2システムに照らし合わせて見てください。



これらの条件やシステムとかなりの部分、一致していることがおわかりいただける

のではないでしょうか。



ホンダが世界で最初に排ガス規制をクリアするなど、めざましい開発を実現して

きた背景には、このようなしっかりとした考え方(理念)とシステムが存在した

のです。

■ 3. 知らなきゃ損!労務の基本知識

<「くるみん」ってご存知ですか?~ゆるキャラではありません~>

全国津々浦々、ゆるキャラであふれているこの世の中、また新たなゆるキャラ?

と思うような響きですが、これは厚生労働省が推奨している認定制度のネーミング

です。



「くるみん」の大元は、次世代育成対策推進法(次世代法)といわれる法律で

社会を担う子供の健全な育成を支援するための計画を策定することを目的と

して制定された法律です。



これまで、27年3月31日までの法律とされていましたが、平成26年4月に

改正法が成立し、有効期限が37年3月31日と延長されました。



認定制度にはくるみん認定とプラチナくるみん認定というものがあり、認定基準

には以下のようなものがあります。



1.雇用環境の整備について、行動計画策定指針に照らし適切な一般事業主行動

  計画を策定したこと。

2.行動計画の計画期間が、2年以上5年以下であること。

3.行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと。

4.平成21年4月1日以降に策定・変更した行動計画を公表し労働者への周知を

  適切に行っていること。

5.計画期間において男性労働者のうち育児休業等を取得した者が1人以上いること。

6.計画期間において、女性労働者の育児休業等取得率が75%以上であること。

7.3歳から小学校就学前の子を育てる労働者について、「育児休業に関する制度、

  所定外労働の制限に関する制度、所定労働時間の短縮措置又は終業時刻変更

  等の措置に準ずる制度」を講じていること。

8.次の1~3のいずれかについて成果に関する具体的な目標を定めて実施して

  いること。

  1 所定外労働時間の削減のための措置

  2 年次有給休暇の取得の促進のための措置

  3 短時間制社員制度、在宅勤務、テレワークその他の働き方の見直しに資する

    多様な労働条件の整備のための措置。



上記5に関しては従業員300人以下の企業の特例もあります。



今後労働人口が減っていく日本では、女性や高齢者が大きな労働力となってきます。

くるみん認定を受けるメリットとしては、女性が働きやすい環境であることをアピー

ルするツールとなります。

弊社のお客様の中には、認定を取らないまでも、独自のくるみん制度に取り組もうと

されている企業もあります。



女性の能力を活用し、企業の発展を考えるのであれば、一考に値する制度だと思います。

厚生労働省のホームページに詳しく掲載されていますので、ご興味のある方は、下記を

のぞいてみてください。



http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000074912.pdf

■ 4. おしらせ

<株式会社トップ支援より>



 [研修、プロジェクト等の報告]



◇ 8月19日(水)

  第3期 取締役検定 財務コース 第5回

  原価管理・法人税等の基礎・非上場株式の評価



 [研修、プロジェクト等の募集]



◇ 10月21日 (水)~6回(6カ月間)

  

  取締役検定 知識100講 労務コースの募集をしております。



  労務コースでは労働基準法・社会保険・生保・損保・人事戦略など

  を学んでいただきます。

  

  現在、財務コースが進行中です。現在の受講生の大半がそのまま労務

  コースを受講されますが、卒業生もいらっしゃいますので、数人の受入

  れが可能です。

  人数が限られておりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。



  株式会社トップ支援 担当:高橋

  お問い合わせ先:メール:mail@nksy.co.jp TEL:03-3256-4101



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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 法務の広場
  • 4. おしらせ

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