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いーかわらばん vol.445

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2015/08/06
  • vol.445

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

セブン、ユニクロ、包括的業務提携の意味するもの

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買い付け(その111)
      ・・・私の中学時代、バレーボールクラブの活動経験から

■ 3. 今月の本棚

『ジャック・マー アリババの経営哲学』張燕編著 永井麻生子訳

■ 4. おしらせ

株式会社アウトオフィスより

■ 1. 時の話題

<セブン、ユニクロ、包括的業務提携の意味するもの>

7月31日、小売業界、アパレル業界に驚きの声が上がりました。コンビニ

最大手のセブンアンドアイとアパレル最大手のユニクロが、包括的業務提携を

発表したからです。



提携は、業種を軸に、大きく二つに分類することができます。



一つは、今回のような異業種連携です。先月発表されたワタベウェディングと、

通販大手の千趣会との提携などもこのパターンです。



もう一つは、同業種間の規模拡大を目指した提携で、たいていは経営統合という

形まで発展します。金融機関の統合、石油元売り各社の統合、コンビニグループ

の統合など、市場が飽和状態になればなるほど、多くの業界で見られます。



今回の大手同士の異業種提携は、今後のビジネスの潮流を考える上で、学ぶ

ところが非常に多いと思われます。そのうち、三つのポイントを簡単に整理して

みましょう。



第一は、この提携が「いーかわらばん vol.437  2015/06/09」の時の話題で

とりあげた「オムニチャネル」戦略の巨大な第1歩につながることです。



今回の提携では、ユニクロのサイトで買った商品は、近くのセブンイレブンで

受け取ったり、返品をしたりすることが可能になると言われています。

さまざまなチャネルを駆使して、購入側にとって最も便利で価値のある

スタイルを提供するという、オムニチャネル戦略の趣旨をストレートに

読み取ることができます。



第二に、一つの商品、一つの事業といった単体のみでの差別化が非常に

困難な時代に突入している、という点です。言い換えると、異なった商品群や

異なったサービス群を組み合わせて勝負する必要性を示唆しているといって

いいでしょう。



ターゲットとする顧客にとって、

「あったらいいな」「できたらいいな」

を、より広く、より深く、提供していくことが、その顧客の支持を得られる

ことになるのです。いわゆる「可能な限りのワンストップ」の実現です。



第三に、以上のことは、究極の「アウトソーシング」の重要性を教えてくれます。



「アウトソース」を直訳すれば、「外部資源」です。自社の内側に所有している

従来から培ってきた強みと、外に存在する強みとを巧みに組み合わせることで、

シナジー効果(相乗効果)、すなわち「5+5=10」ではなく、

「5×5=25」を求める戦略が要求されているわけです。



今回の包括的業務提携が、どのようなプロセスで「5×5=25」を実現して

いくのか、はたまた「5+5=10」以下で終わってしまうのか、じっくり

見守っていきたいと思います。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買い付け(その111)
      ・・・私の中学時代、バレーボールクラブの活動経験から>

前回は、「たい」人種、「やった」人種、「こころ」人種を生み出す確率が高く

なる「場」として、下記の三つの条件を示しました。



条件1 「たい」がほんとうに大事で、やりきるための原点だと認識できる「場」

条件2 自分の「たい」を苦しみながら実践し、やりきった時の充実感を体感

    できる「場」

条件3 結果として、リーダーシップの根本である「やりきる力」と「引き寄

    せる力」を体得できる「場」



今回は、これらの条件を満たす「場」とは、具体的にどのような「場」で

あるのかという点について考えてみましょう。



実はこのような「場」は、企業の外側にもいっぱいあることは、皆さんも経験上、

十分にご承知のことと思います。



たとえば、一番わかりやすいのが、学校のクラブ活動です。また、地域に密着

したお祭りの準備活動やボランティア活動などもこのような「場」といえる

でしょう。



これらのクラブ活動やお祭り準備、ボランティア活動を思い浮かべながら考えて

みますと、そこには、だいたい四つくらいのタイプの人がいるように思います。



タイプAは、自分がほんとうにやりたくて、真っ先に活動に飛び込む人です。

いわゆる、「イノベーター」ですが、さらに他人を巻き込む力が備わると、

「リーダー」となります。



タイプBは、タイプAを見て感化されたり、納得して自らの意志で活動に参加

するけれども、他人を巻き込むだけの力は持ち合わせていない、

「フォローワー」と呼ばれる人たちです。 



タイプCは、自分はそれほどやりたいわけではないけれども、誰かに誘われる

ままに、あるいは、断り切れなくて活動に参加している優柔不断な人で、

「ラガード」と呼ばれます。



タイプDは、まったく活動に参加しようとしない「アウトサイダー」です。



ここで、大事なことは、「フォローワー」や「ラガード」をどれだけ

「イノベーター」や「リーダー」に近づかせることができるか、という視点です。



私は中学時代、一番仲がよかった友達に無理矢理引っ張られてバレーボール

クラブに入りました。それほどやりたかったわけではありません。あまり強く

誘われるものだから、とりあえず入ってみて、それなりに練習をして、

おもしろくなかったらやめればいいや、と考えていました。ですから、

上記で言うと、典型的な「ラガード」でした。



しかし、先輩たちのしごきに何とか耐えながら練習し、市や府の大会で優勝して

抱き合ったり、負けて悔しくて泣いたり、といったことを繰り返しているうちに、

3年生になり、気がつくと、副キャプテンになっていました。当たり前ですが、

そのときの自分は、もはや「ラガード」ではなく、ほぼ「リーダー」でした。



「ラガード」から「リーダー」への変化には、どのような要因があったので

しょうか。



強い「たい」を持っていなかった私が、強い「たい」を持っているリーダー的な

先輩や仲間を身近に見ながら活動をともにしていくうちに、その心意気や熱い

想いが私に乗り移ってきたように感じます。



そこには、「魂が乗り移るほどの想い」「部下の人生を何が何でもすばらしい

ものにしてあげたいという想い」まではいかないまでも、それに近いものが

確かにあったように思います。「しごき」という表現には、このような「こころ」

が含まれていました。



だからこそ、まずは、「イノベーター」や「リーダー」が必要なのでしょう。

前々回から、「たい」人種、「やった」人種、「こころ」人種の要素を持って

いる人をどれだけ多く集めるかが勝負だと申し上げている理由はここにあります

(もちろん、彼らがいなければ、トップ自身がその役割を果たさなければ

なりません)。



そして、彼らと行動をともにして、目標に向かって動いているうちに、

クラブ活動が、上記の三つの条件を満たす「場」になっていったのです。

その証拠に、副キャプテンを務めた最後の1年間は、間違いなく心の底から

優勝し「たい」と思って練習に励み、また、後輩を「しごき」ました。



そののち私は、高校ではハンドボールクラブに、大学ではESSに所属

しましたが、自分を振り返ってみて非常に興味深いのは、リーダーを一度

とことん体験してしまうと、さまざまな局面でラガードになることはほとんど

なくなった、という事実です。



多くの企業の採用において、クラブのキャプテンを務めてきた人間が

それなりに重視される理由の一つがここにあるのかもしれません。



以上は、社会とは少し隔離されている、利害関係の絡まない世界での話

ですから、このことがそのまま、企業に当てはまるわけではないかもしれません。



でも一方で、本質はそう大きく違うわけではないと思います。これらを次回、

企業の組織に当てはめて考えてみることにしましょう。

■ 3. 今月の本棚

<『ジャック・マー アリババの経営哲学』張燕編著 永井麻生子訳>

帯には次のような文言が見られます。



 2014年9月、ニューヨーク証券取引所上場

 アップル、マイクロソフト、グーグルに次いでIT企業世界第4位

 アマゾン、フェイスブックを超える時価総額2310億ドル



この本は、今では知らない人はいないと思われるIT企業、アリババを創業した、

ジャック・マー、すなわち馬雲の12章から成る経営哲学を示したものです。



その12の哲学とは、成長の哲学にはじまり、継続の哲学、起業の哲学、

チャンスの哲学、ビジネスの哲学、リーダーの哲学、マネジメントの哲学、

イノベーションの哲学、競争の哲学、戦略の哲学、富の哲学、生活の哲学、

と多岐にわたっています。



ほとんどの哲学が、他の多くの起業家の言動と一致しているといえるでしょう。

しかし、学生時代は成績もふるわず、2度も大学の受験に失敗し、また決して

ハンサムでもない彼ならではの表現もあります。



たとえば、「第4章 チャンスの哲学」では、

 男の才能は往々にして容姿とは反比例するものだ

といった発言も記されていて、思わずほほえんでしまいます。



また、次のようなおもしろい、しかし奥深い記述も見られます。



 画期的な業界では、新人は新しいことをする。画期的ではない業界では、

 新人は古いことをし、老人が新しいことをするんです。

(第6章 リーダーの哲学)

 

 私は起業するとき、自分が一番楽しいことを選び、一番簡単なことを選び、

 みんなが一番やりたいことを選んでやり、最も重要なことと最も難しい

 ことは他人に残しておいた(第8書 イノベーションの哲学)



 計画書が分厚ければ分厚いほど、完璧であればあるほど、その会社の終焉は

 近い。

 

 時には間違った決定を実行することのほうが、優柔不断や何も決められない

 よりずっといい。なぜなら、実行の過程に、間違いを見つけ、訂正する

 多くの時間とチャンスがあるからだ(第9章 競争の哲学)



お盆休みに、一人の偉大な起業家の生き様とその足跡を、じっくりと味わって

みるのも有意義ではないでしょうか。

■ 4. おしらせ

<株式会社アウトオフィスより>

[マイナンバー制度の概要セミナーのご案内]

◇ 8月20日(木) 10:00~12:00

  マイナンバー制度の概要に関するセミナーを開催させていただきます。

  大阪市淀川区西中島3-9-13 NLC新大阪8号館11F

  会費 お一人様につき3,000円(資料代を含みます。)

  講師 株式会社アウトオフィス 代表取締役 山本雅文

  お問い合わせ先:メール:m-yamamoto@nksy.co.jp TEL:06-6300-1787



<株式会社トップ支援より>

 [研修、プロジェクト等の実施ご報告]

◇ 7月30日(木)

  第14期『新規開発プロジェクトJ 』(クローズ)



◇ 8月5日(水)

  第15期『新規開発プロジェクトK 』(クローズ)



 [研修、プロジェクト等の募集]

◇ 10月21日 (水)~6回(6カ月間)

  取締役検定 知識100講 労務コースの募集を始めました。



  労務コースでは労働基準法・社会保険・生保・損保・人事戦略など

  を学んでいただきます。

  

  現在、財務コースが進行中です。現在の受講生の大半がそのまま労務

  コースを受講されますが、卒業生もいらっしゃいますので、数人の受入

  れが可能です。

  人数が限られておりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。



  株式会社トップ支援 担当:高橋

  お問い合わせ先:メール:mail@nksy.co.jp TEL:03-3256-4101

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次回のテーマは以下の通りです。

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  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 財務ホット情報
  • 4. おしらせ

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