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いーかわらばん vol.442

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2015/07/14
  • vol.442

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

電力完全自由化は、「エネルギービッグバン」につながる?

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買い付け(その108)・・・「強い想いの空回り状態」

■ 3. 財務ホット情報

マイナンバーの実務 その2 対象業務

■ 4. おしらせ

株式会社トップ支援より

■ 1. 時の話題

< 電力完全自由化は、「エネルギービッグバン」につながる?>



「電力自由化」ということばが、雑誌や新聞で取り沙汰されるようになりました。

「あれっ、電力の自由化はもう10年以上前にすでに行われたんではなかったっけ?」

と疑問をお持ちの方もおられるかもしれません。



実は、今回の電力自由化は、家庭向けの電力小売りに関して行われるもので、来年

の4月からスタートします。



一方「10年以上前から・・・」というのも決して誤りではありません。まず、1995

年に、電力業者に卸電力を供給する発電事業者の参入が可能になりました。



また、国は、電力契約の種類を電力供給量等を基準に、特別高圧(工場や高層ビル)、

高圧(商業施設、中層ビル)、低圧(一般家庭、小規模商店)の3種類に分類してい

ますが、特別高圧については2000年、高圧については2004年~2005年に電力の自

由化が解禁されています。



今回は、これらの一連の流れの最終完成段階となるわけです。それでは、この完全

自由化によって、どのような変化や可能性が見えてくるのでしょうか。まず、よく

指摘されている二つは以下のとおりです。



第一に、料金規制の撤廃、参入競争、消費者選択の自由に伴う、電力料金の低減

です。もちろん、これは発電所の建設事情、原子力の再稼働の状況などとも密接に

関連しますが、一般論としては価格競争により、確実に安くなっていくでしょう。



第二に、東京電力陣営(ソフトバンク、CCC、リクルートなどを含む)、関西電力

陣営(KDDIを含む)、中部電力陣営(NTTドコモを含む)などの電力会社陣営に、

東京ガス、大阪ガス、JXなど石油元売り会社などが入り乱れて、顧客の争奪戦が

激しく繰り広げられることになるでしょう。



これらに加えて、あまり書かれてはいませんが、次のような可能性も想像できる

ように思います。



一つは、電力及びその周辺に関するサービスの多様化です。



電力料金低減等のノウハウ提供はもちろんですが、その延長として、蓄電クラウド

サービス、各種メンテナンスサービスなどが幅広く提供されていくと考えられます。



また、多くの陣営が携帯電話会社と提携していることから、モバイル機能と個人

の情報を駆使しながら、一般家庭の家電、電子機器を中心に、生活スタイルその

ものの提案が可能になると思われます。



また、東京電力がCCCと提携している大きな理由は、Tポイントにあると思われま

すが、こうしたポイントによる顧客差別化を行い、さまざまなマーケティング戦

略につなげることもできます。



より重要なもう一つの大きな可能性は、「エネルギービッグバン」の進展です。



ちょうど、1996年から2000年にかけて「金融ビッグバン」と言われた時代に、銀

行、保険、証券などの区別がなくなったように、今後は、電力、ガス、石油(ガ

ソリン)など、エネルギー源と呼ばれる産業の壁がほとんどなくなるのではない

でしょうか。



そうなると、たとえば、クラウド上の「エネルギースタンド」から電気とガスを

購入し、近くのコンビニで蓄電器に充電してもらって持って帰るか、ヤマト運輸

に宅急便で自宅に届けてもらう、というような時代が来るのかもしれません。



今回の一般家庭に於ける電力自由化も、この「時の話題」で取り上げました「IoT」

や「オムニチャネル」とリンクして、私たちの生活そのものを一変させる可能性を

秘めていると思います。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買い付け(その108)・・・「強い想いの空回り状態」>

前回は、

 第2原則 役割(存在価値):ゴールとその期限、計画

  ポイント1 ゴールの背景にある「べき」と「たい」のマッチング

    ポイント1-1 個人レベルでの「べき」と「たい」

    ポイント1-2 組織レベルでの(リーダーとしての)「べき」と「たい」

の体系における、ポイント1-2に入りました。



そして、中途半端な「たい」では、「メンバーを通してやりきる」なんてこ

とはとてもできない、メンバーを通してやりきるためには、周りから「魂が

乗り移るほどの想い」を感じる、と言われるくらいの「たい」でなければな

らない、と申し上げました。



しかし一方で、この「魂が乗り移るほどの想い」は、必要条件ではあっても、

まだ十分条件には至らない、と付け加えました。



今回は、その点を考えてみましょう。



確かに、部下の能力を最大限に引き出し、大きな成果を上げている経営者や

幹部で、中途半端な「たい」にとどまっている人を私は見たことがありません。

みなさん、ほんとうに魂が乗り移るほどの強い想いを持っておられます。ある

ときには「執念」や「しつこさ」という言葉に変化することもありますが、

間違いなく、必要条件だといえます。



しかし、強い想いがあるにもかかわらず、多くの部下が最大の能力を発揮して

いないことも多々あります。なぜでしょうか。



表向きの形はいろいろですが、私が見ているほとんどのケースで、こうなって

しまう究極の原因は一つしかありません。それは、その強い想いの範囲が、

「自分」と「自分と組織との関係」で終わっているからです。



その結果、部下は、その強い想いを持った上司に対して、

「やらせておけばいいじゃない」

「言われたらやればいいや」

「好きにしてよ」

と頭のどこかで考えてしまっています。ある意味、その上司は「浮いた存在」

であり、組織においては「強い想いの空回り状態」になっているわけです。



この点を、ちょっと理屈っぽく、分析してみましょう。



私は、組織レベルでの「想い」すなわち組織レベルでの「たい」は、次の

4つの象限から成り立っている、と考えています。



第1象限 自分        ・・・自分の「たい」

第2象限 自分と組織との関係 ・・・自分から見た組織の「たい」

第3象限 部下        ・・・部下の「たい」

第4象限 部下と組織との関係 ・・・部下から見た組織の「たい」



さきほどの「浮いた存在」「強い想いの空回り状態」は、その強い想いが、

第1象限と第2象限にとどまっていることを意味しています。



そのような上司のかたでも「いやいや、部下のことも真剣に考えている」と

おっしゃるかもしれません。しかし、ほとんどのケースで、第3象限や第4象

限は部下の「たい」ではなく、上司自らの部下に対する「たい」、言い換え

れば、部下から見ればこうある「べき」になっているのです。



部下の立場になって考えてみましょう。上司の第1象限、第2象限の「強い想

い」と自分の想いに何らかの違和感を感じ、そして、その上司の想いが強け

れば強いほど、自分たちは無視されている、上司の「べき」を押しつけられ

ている、と感じてしまうのではないでしょうか。



それが積み重なった結果が「浮いた存在」「空回り状態」だろうと思います。



上司と部下という、立場も性格も違う人間同士がお互いに何も考えないで

放っておいて、第3象限や第4象限の、上司が考える「べき」と本人が考える

「たい」が簡単に一致するはずがありません。



第3象限や第4象限の部下の「たい」は、部下がどのような人生を歩んで来た

のか、また今後いかに歩んで行きたいか、何に価値を見いだしているか、

自分の強みはどこにあると考え、またどのように組織や世の中に対して貢献

したいと思っているか、など、部下本人の「生の想い」を意味します。



その部分にまで、想いを馳せて、それを何が何でも実現させてあげたいとい

う「強い想い」をもって接しているかが問われてくるのです。

それがない限り、上司の想いと部下の想いが近づき、重なっていく方法はな

いと私は考えています。



言い換えると、十分条件は、

「部下の人生を何が何でもすばらしいものにしてあげたいという想い」

が加わったものであると言えるでしょう。部下がそれを強く感じたとき、部下

もまた、上司の想いの意味を理解しようとし、その実現のために動きたいと感

じる、それが人間というものだろうと思います。



考えてみれば「想い」という文字は、「相手」の「相」と「心」から成り立っ

ています。この部分において、「部下の人生を何が何でもすばらしいものにし

てあげたいという想い」が加わっているにもかかわらず、部下が最大限の能力

を発揮しようとしない例を、私は見たことがありません。



「魂が乗り移るほどの想い」「部下の人生を何が何でもすばらしいものにして

あげたいという想い」の二つがあって、はじめて十分条件と言えるのです。



ここから出てくる結論は、



組織レベルでの(リーダーとしての)「たい」と「べき」とのマッチングは、

部下自身の生の「たい」と、上司が部下に対して考える「べき」とのマッチング
であるということになります。



ここからまたいくつかの課題が生まれてきます。



・部下自身の生の「たい」を把握し、理解する場はどこか

・多くの部下を抱えている状況で、彼らの「たい」をいちいち把握できるのか

・そもそも「たい」を明確に持っていない部下にはどう対応すべきか

・部下の最大限の発揮能力が、上司から見た「べき」とかけ離れている場合は

 どうするか



これらの点について、また次回以降じっくりと考えていくことにしましょう。

■ 3. 財務ホット情報

<マイナンバーの実務 その2 対象業務>



前回に引き続き財務ホット情報では、マイナンバーについて取り扱っていきたい

と思います。

今回は、マイナンバーを収集すべき対象業務の洗い出しをしてみましょう。



前述のとおり、マイナンバーを利用できるのは社会保障・税・災害対策の三分野に

限定されていますので、主に影響を受けるのは人事・労務・給与業務と思われます。



従来から、税務署や市区町村役所そして年金事務所、ハローワークなどに提出して

いた書類にマイナンバーを新たに記載しなければなりません。



社内の正規社員、アルバイト、パートなどの従業員への給与等の源泉徴収票だけで

なく外部の個人事業主(税理士や講師、業務委託の個人等)への報酬・株式の配当の

支払調書にもマイナンバーが必要となります。



H28年1月1日からの番号の利用開始に関し、税務関係書類への記載時期の具体例を

いくつか以下に列挙してみました。

A.所得税.贈与税  H28.1.1の属する年分⇒H29.3.15期限の分

B.法人税     H28.1.1以降開始年度⇒H29.2.28期限の分

(ただし年の中途で死亡や出国された個人や決算期を変更された法人については、

H28年内の提出の際に番号の記載が必要になるケースもあります。)

C.相続税 H28.1.1以降の相続⇒H28.11.1期限の分

D.法定調書 H28.1.1以降の金銭支払分⇒H29.1.31期限の分

(ただし配当等の支払調書は支払確定日から1月以内、退職所得の源泉徴収票は

退職日以後1月以内、が提出期限となります。)

E.扶養控除等申告書 H28.1.1以降に提出を受ける分⇒H28年中からスタート



次回は、制度開始までに我々が準備しておくべき事項についてまとめていく

予定です。

■ 4. おしらせ

<株式会社トップ支援より>

 [マイナンバー制度の概要セミナーのご案内]

◇ 8月20日(木) 10:00~12:00

  マイナンバー制度の概要に関するセミナーを開催させていただきます。

  大阪市淀川区西中島3-9-13 NLC新大阪8号館11F

  会費 お一人様につき3,000円(資料代を含みます。)

  講師 株式会社アウトオフィス 代表取締役 山本雅文

  お問い合わせ先:メール:m-yamamoto@nksy.co.jp TEL:06-6300-1787



 [研修、プロジェクト等の実施ご報告]

◇ 7月10日(金)~11日(土)

  第11期『新規開発プロジェクトV 最終発表会』(クローズ)



 [研修、プロジェクト等の募集]

◇ 10月21日 (水)~6回(6カ月間)

  取締役検定 知識100講 労務コースの募集を始めました。



  労務コースでは労働基準法・社会保険・生保・損保・人事戦略など

  を学んでいただきます。

  

  現在、財務コースが進行中です。現在の受講生の大半がそのまま労務

  コースを受講されますが、卒業生もいらっしゃいますので、数人の受入

  れが可能です。

  人数が限られておりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。



  株式会社トップ支援 担当:高橋

  お問い合わせ先:メール:mail@nksy.co.jp TEL:03-3256-4101



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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 知らなきゃ損!労務の基本知識
  • 4. おしらせ

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