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いーかわらばん vol.441

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2015/07/08
  • vol.441

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

前例のないトヨタの種類株式、株主総会特別決議にて承認!

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買い付け(その107)
  ・・・中途半端な「たい」では、他を通して「やりきる」ことはできない!

■ 3. 今月の本棚

『本能寺の変 431年目の真実』 明智憲三郎著 文芸社文庫

■ 4. おしらせ

株式会社トップ支援より

■ 1. 時の話題

<前例のないトヨタの種類株式、株主総会特別決議にて承認!>



6月16日に行われたトヨタの株主総会では、例年とはひと味違う緊張感と熱気に

包まれました。総会は3時間を超え、30を超える質問が飛び交ったのです。



その理由は、第7号議案である種類株式の発行に関する決議が絡んでいたからです。

1936年のトヨタ初の量産乗用車の名前にちなんで「AA型種類株式」と名付け

られたこの株式は、いくつかの特徴を持っており、また、前例のないことから、

一般株主にとっては相当わかりにくかったと思われます。



それでも、何とか、特別決議に必要な3分の2を上回る約75%の賛成を集めて

承認されたようです。



簡単に内容を見てみましょう。



発行総額は5000億円、発行価格は、決定日の普通株式の終値のおおむね120%

以上を目途とします。



まず、100株を1単元として、役員の選任、解任等、個別事項に対する議決権は、

有している株式です。



次に、この株式を譲渡するには、公開買付けの応募や相続等のケースを除き、

取締役会の決議が必要です。要は、中小企業の株式では一般化している、

いわゆる譲渡制限株式ですので、実質的には、非上場株式ということになります。



ただし、おおむね5年以降は、株主に対し、

・1対1での普通株式への転換請求権

・発行価格での株式買取請求権

の二つを付与しています。



したがって、5年を過ぎると、そのまま持っていてもよし、普通株式の相場が

上がっていればそれに乗り変えるのもよし、下がっていれば元々の値段で買って

もらうのもよし、ということになるわけです。



また、配当については、発行価格に対して、初年度0.5%から、順次毎年、

0.5%ずつ上昇し、5年目以降は2.5%となります。



この種類株式を取得した株主は、元本保証、配当保証等のメリットはあります。

しかし、一方で、デメリットとして、5年間は現金化できませんし、普通株式が

上がっていれば、そちらを持っていた方がより多くの利益を手にすることが

できるでしょう。



また、税務面でも、配当は非上場株式ですので確定申告をしなければならない、

あるいは普通株式転換前はもちろん、転換後もNISA口座や特定口座へ組み

込めない、などの面倒臭さが残ります。



しかし、より大きな問題は、既存の株主との関係でしょう。

まさに、ここがトヨタの意図するところと交錯しているように思います。



トヨタは、単に資金調達というだけではなく、今後の大きな投資をにらんで、

安定した株主、もっと端的に言えば、あまり文句を言わない一般投資家を

増やしたい、というところにあるのかもしれません。その意味では、種類株式の

発行は、株主層の組み替えといった要素もあるような気がします。



今後トヨタや、業績のきわめて良好な他の上場会社が、どのような資本政策を

打ち出してくるのか、またその意図はどこにあるのか、注目です。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買い付け(その107)
  ・・・中途半端な「たい」では、他を通して「やりきる」ことはできない!>



前回は、ポイント1 ゴールの背景にある「べき」と「たい」のマッチングの

三つの方法、

A 自己実現パターン 自分の「たい」を最終的に貫き通して、それをやりきる

B 感情移入パターン 相手の喜びを実現し「たい」と感じて、それをやりきる

C 新システム創出パターン 両方を満足させる新たなしくみを創出し「たい」と

              考えて、それをやりきる

について、説明をいたしました。



そして、「べき」と「たい」のマッチングは、ゴールの背景にあって、ゴールに

新たな価値を付加するために非常に重要なステップであることを申し上げました。



今回は、



第2原則 役割(存在価値):ゴールとその期限、計画

  ポイント1 ゴールの背景にある「べき」と「たい」のマッチング

    ポイント1-1 個人レベルでの「べき」と「たい」

    ポイント1-2 組織レベルでの(リーダーとしての)「べき」と「たい」



のなかの、ポイント1-2に入ることにしましょう。



ここでは、あるチームがあって、そこに一人のチームリーダーと、複数のチーム

メンバーがいると想定することにします。



もちろん、ここでの「チーム」とは、会社全体や部や課、あるいはプロジェクト等

を指します。したがって、その際のリーダーは、社長、部長、課長、

プロジェクトリーダー等ということになります。



さて、この問題を考えるためには、決定的に重要な三つの点を避けて通るわけには

いきません。



第一に、前々回にも強調したように、チームとして「やりきる姿勢」が大前提です。



第二に、チームリーダーにとって最も重要な役割は何か、という点です。役割は

多々ありますが、「やりきる姿勢」を前提にする限り、最も重要となると、



理念31:「人を育てる」=本人がその気になって、持てる能力を最大限に発揮

     できる環境をつくること



に尽きると私は考えています。



それでは、さらに深めて、なぜ、チームメンバーが最大限の能力を発揮できる環境

づくりが要求されるのでしょうか。



それが、決定的に重要な第三点目につながります。それは、



理念13 :経営者は、他を通して、やりたいことをやりきる!



存在だというのが、その理由です。「チーム」に置き換えれば、チームリーダー

とはチームメンバーを通して、やりたいことをやりきる存在なのです。



自分が一人でやっていたのでは、チームではありませんし、チームリーダーにも

なりません。結果として、メンバーにシビアに体験させて育てることにつながり

ません。



そして、チームメンバーを通す限り、とにかく、チームメンバーの能力が最大限に

発揮されなければ、やりたいことを効果的、効率的にやりきることができないの

です。



これを逆説的に記したのが次の理念でした。



理念28:経営者の能力は、部下がどれだけの仕事を成し得たかで評価される!



これも、チームに置き換えれば、チームリーダーの能力は、チームメンバーが

どれだけの能力を発揮したかで評価される、ということになります。

チームリーダーの評価は、自分自身の評価ではないのです。このあたりの

勘違いは非常に多いと思います。



ポイント1-1の個人レベルと、ポイント1-2の組織レベルの大きな違いが、

ここから生じてくることになります。すなわち、



 中途半端な「たい」では、「メンバーを通してやりきる」なんてことは

 とてもできない!



という点です。



メンバーを通してやりきるためには、周りから

「魂が乗り移るほどの想い」を感じる!

と言われるくらいの「たい」でなければならない、と私は思います。



しかし、この「魂が乗り移るほどの想い」は、必要条件ではあるのですが、

まだ十分条件には至りません。そのあたりを次回じっくりと考えたいと思います。

■ 3. 今月の本棚

<『本能寺の変 431年目の真実』 明智憲三郎著 文芸社文庫>

今月は、ビジネス書から離れて、歴史本をご紹介しましょう。発刊から少し経過

していますが、当初は、明智光秀の子孫が書き起こした本ということでも有名に

なりました。



厳密には、著者の明智憲三郎氏は、明智光秀の子である、おづるまるの子孫で、

慶應義塾大学大学院工学研究科修士課程を終了した情報システム畑の人です。



日本史の謎を三つあげよ、といわれると必ず取り上げられるのが、邪馬台国であ

り、龍馬の暗殺であり、そしてこの本能寺の変です。



本能寺の変のどこが謎なのでしょうか。



なぜ、信長は、わずかな手勢を従えただけで本能寺にいたのか

なぜ、光秀は、幼稚かつ思いつきといえるような謀反を起こしたのか

なぜ、秀吉は、すぐに毛利と和睦し引き返すことができたのか・・・・・



これらは見方を変えると、



信長は、明確な戦略を持って少数の手勢とともに本能寺にいたのではないか

光秀は、用意周到な謀反計画を全く周りに見せていなかったのではないか

秀吉は、本能寺の変を想定した準備を十分にしていたのではないか



といえるかもしれません。



この本の特徴は、著者自身が「歴史捜査」という表現を使っているように、徹底

した証拠主義に基づいて文献による立証を行っており、おそらくその広さと深さ

では、右に出るものはないだろうとさえ思われます。



この「歴史捜査」から多くの興味深いことを伺い知ることができます。



その一つは、為政者の意図によって歴史上の人物の存在意味が根本的に変わって

しまう、より端的には、歴史は勝者によって作られる、ということで、

このことは最近、多方面から指摘されています。



もう一つは、信長の幹部登用戦略です。



最初は、昔から仕えた譜代を重用し、次にはそれらを実力者(明智光秀、

羽柴秀吉、滝川一益等)に置き換えます。そして、最終的な仕上げとして、

一族である信雄、信忠、信孝らを中央に配置し、実力者に対しては日本の

周辺部さらに中国大陸に配置しようとしていたことが伺えます。



本能寺の変は、その最終段階で生じたできごとだったのです。



実は、上に述べていない「家康」がキーであることをこの本は指し示しています。

もし、天正10年6月2日以降が信長の思惑通りに過ぎていったとすれば、

日本史において、「江戸時代」は存在しなかったことになるのです。

■ 4. おしらせ

<株式会社トップ支援より>



 [研修、プロジェクト等の実施ご報告]

◇ 6月29日(月)

  第8期『新規開発プロジェクトK 』(クローズ)

◇ 7月4日(土)

  第3期『ファミリー研修N』(クローズ)



 [研修、プロジェクト等の募集]

◇ 10月21日 (水)~6回(6カ月間)

  取締役検定 知識100講 労務コースの募集を始めました。



  労務コースでは労働基準法・社会保険・生保・損保・人事戦略など

  を学んでいただきます。

  

  現在、財務コースが進行中です。現在の受講生の大半がそのまま労務

  コースを受講されますが、卒業生もいらっしゃいますので、数人の受入

  れが可能です。

  人数が限られておりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。



  株式会社トップ支援 担当:高橋

  お問い合わせ先:メール:mail@nksy.co.jp TEL:03-3256-4101



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