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いーかわらばん vol.440

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2015/06/30
  • vol.440

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

グーグル特許・・・人間の「性格」も、クラウドからダウンロード!

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買い付け(その106)
   ・・・「べき」と「たい」のマッチングは、ヘーゲルにつながる?! 

■ 3. 法の広場

空家対策特別措置法施行~高まるニーズにビジネスチャンス~

■ 4. おしらせ

株式会社トップ支援より

■ 1. 時の話題

<グーグル特許・・・人間の「性格」も、クラウドからダウンロード!>



この「かわらばん 時の話題」で、ヒト型ロボット「ペッパー」君を取り上げ

てから、ほぼ1ヶ月が経過しましたが、再び、ロボット関連のお話です。



グーグルは、今年の3月31日にある技術の特許の登録をしました。実は、この

特許出願はすでに2012年になされていたようですが、その特許とは、クラウド

上に保存されている人格データを、ロボットにダウンロードする、というもの

です。



具体的なシステムについては想像するしかありませんが、おそらく、人間のあ

らゆる性格属性を詳細に分類し、それらを音声、画像、数値などのデジタルデ

ータに変換することにより、クラウド上に保存するものと思われます。顔のか

たちや、表情、声、動作の特徴なども保存できるようです。



そのデータをロボットにダウンロードすることにより、実在する人物と1対1

で対応させることも可能でしょうし、また、過去の人物を再現することもでき

るでしょう。



もちろん、将来に向けて新たな性格を持ったロボットをつくりあげることもで

きますし、この夫婦からはこのような子供が生まれるはずだ、という仮定をも

とにロボットを生み出すことも、理論上は可能になると思います。



このことにより、将来、どのようなビジネスや生活が想像できるでしょうか。



たとえば・・・、



介護の際には、「温かい気持ちを持ったロボットをお願いします!」

会計業務には、「自分の信念を曲げないロボットをお願いします!」

買い物の付き添いは、「重い荷物に苦情を言わないロボットを頼みます!」

法事の際には、「おじいちゃんの再現ロボットを連れてきて下さい!」



などといって、いつでもクラウド上から性格をダウンロードし、そのロボット

といっしょに行動することになるのでしょう。



実際、グーグルは子会社を通じて、ダウンロードの受け皿として、「アトラス」

というヒト型ロボットを開発しています。



かつての鉄腕アトムのアニメのようなワクワク感もありますが、一方で、そら

恐ろしい気もします。



アメリカの発明家、実業家であるカーツワイル氏によれば、2045年には、人間を

超えるロボットが出現すると予測しています。



そして、そのロボットが自分でプログラムを書き変えながら地球を支配し、結果と

して、人間はロボットの中に意識のみ存在することになる、と警鐘を鳴らしてい

ます。いわゆる「2045年問題」です。



マイクロソフトのビルゲイツ、テスラモーターズのイーロンマスクなどは、この

警鐘に賛同し、一方で、グーグルのシュミット会長は「2045年問題」は誤りだ、

と指摘しています。



皆さんは、来るべきロボットの未来をどのように描かれるでしょうか。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買い付け(その106)
   ・・・「べき」と「たい」のマッチングは、ヘーゲルにつながる?! >



前回は、ポイント1 ゴールの背景にある「べき」と「たい」のマッチングの方法

として、



A 自己実現パターン 自分の「たい」を最終的に貫き通して、それをやりきる

B 感情移入パターン 相手の喜びを実現し「たい」と感じて、それをやりきる

C 新システム創出パターン 両方を満足させる新たなしくみを創出し「たい」と

             考えて、それをやりきる

の三つを示しました。



今回は、この三つについて、簡単にご説明をしましょう。



まず、Aについて。



これは、「べき」とは関係なしに、あるいは、「べき」を無視して自分の「たい」

を貫き通すわけですから、厳密な意味では、マッチングとは言えないかもしれま

せん。



しかし、繰り返し述べていますように、「たい」には、それをやりきることに

よって周りを喜ばせる、社会に貢献するなど、必ずそこに「べき」に該当する

何かの思いがあるはずです。ここが重要で、これについては、次の

 ポイント2 ゴールにおける「目的」の重要性 

で考えます。



次に、Bについて。



これについては、説明を要しないでしょう。まさに、マッチングそのものです。

しかし、ここでも、上記ポイント2が関連することは明らかですので、そこで

整理する予定です。



最後に、Cについて。



この新システム創出パターンは、新規開発ではきわめて重要です。



一見、矛盾する二つを満足させる方法を考えることが、新しい何かのシステムを

生み出す、というのは、実は、開発の原理原則の一つです。もっと極端に言えば、

世の中の多くの新しいしかけの背景には、少なからずこのCのパターンがある、

といってもいいくらいです。



最もわかりやすい基本的な例を挙げてみましょう。



多くのお客さんからは、自分たちの供給している商品のメンテナンスが要望

されているとします。これが「べき」です。しかし、自分たちは、そこが

強みでもなく、また、それらを実現するためのリソースも乏しいので、

あまりやり「たくない」状況です。



そこで、その両方を満足する方法として、メンテナンス会社との提携や、

M&Aなどのアイデアが生まれてくることになります。



もう一つの例を挙げましょう。



お客様の要望からすれば、お店は24時間いつでも開いていることが望ましく、

これが「べき」です。しかし、当方としては、考え方や諸々の事情から、

そういった売り方をし「たい」とは思っていない、とします。



そこで、その両方を何とか実現できないかと考えて生まれたのが、

「ネットショップ」という方法です。



長期にわたってこのかわらばんを愛読していただいている方にとっては、

「あれ、この24時間の例、どこかで聞いたような・・・」

と思われたのではないでしょうか。



そうです、実は2007年の春に数回にわたり、「弁証法」のお話をした際に

とりあげた例なのです。先ほど述べたように、新しいものを生み出す

ための基本の一つですので、またまた、当時の記述を引用することにします。



************************************



前回は、「春はあけぼの、ズレはあけぼの」と称して、

 矛盾を感じたときは、新しい価値創造の曙光である

と言うことを申し上げました。



ヘーゲルの弁証法によれば、

 (1)ある命題

 (2)それと矛盾する命題

 (3)それらを統合した命題

の三つが存在します。



ここで、

(1)ある命題を正(テーゼ)と称し、

(2)それと矛盾する命題を反(アンチテーゼ)、

(3)統合した命題を合(ジンテーゼ)

と呼びます。



これが、どこかで聞いたことがあるはずの、「正・反・合」の意味なのですが、

大事なことは、最後には、「正」と「反」の矛盾した二つは、「止揚」

(ドイツ語では「アウフヘーベン」)されて、「正」と「反」の両者を飲み

込んだ「合」に至る、ということです。



「A or B」とどちらかを切り捨てるのではなく、「A and B」と止揚することに

よって、「C」という新しい価値が生まれてくる、という考え方です。



( 「いーかわらばん 2007/4/12 vol.269 山崎発、経営を考える」より )



************************************



このような視点に立ってよくよく考えてみると、「べき」と「たい」の

マッチングは、ゴールの背景にあって、ゴールに新たな価値を付加するために

非常に重要なステップであることが見えてきます。



次回は、

 ポイント1-2 組織レベルでの(リーダーとしての)「べき」と「たい」

について、考えてみます。

■ 3. 法の広場

<空家対策特別措置法施行~高まるニーズにビジネスチャンス~>

先月26日、増え続けている空き家への対策として「空き家対策特別措置法」が

全面施行されました。



ポイント・・1.「特定空き家」に該当するかを判断するため、市町村に立ち入り

        調査権が付与されました。

      2. 登記だけでは特定できなかった空き家の所有者を固定資産税の

納税記録を用いて特定できるようになりました。 



「特定空き家」と判断されると、市町村はその権限により所有者に撤去や修繕など

を指導、勧告、命令することができます(第14条第1項~3項)



いったん勧告を受けると、土地の固定資産税の優遇措置は受けられなくなります。

調査を拒んだり、命令に従わなければ過料が科せられたり、

市町村が行政代務執行で強制撤去した場合には、後日費用が徴収されるなどの

措置があります。



また、これまで行政代務執行を行うためには所有者を特定する必要が

ありましたが、新法では所有者を特定しなくても行政代務執行が

行えるようになりました。



【施行の流れ】



「特定空き家」※に該当するかを市町村が判断

(立ち入り調査を拒んだり妨げたりした場合は20万円

  以下の過料が科せられます)

      ↓

「必要な改善」の助言・指導

      ↓

 撤去・修繕などを勧告(必要な改善がされない場合)

(住宅用地に適用される固定資産の優遇措置が対象外に。

  税額が6倍になる可能性もあります)

      ↓

    改善命令

(違反者には50万円以下の過料が科せられます)

      ↓

    行政代務執行

(市町村が強制的に建物を取り壊し、その費用を徴収されます)



 ※特定空き家(国土交通省判断指針)

  ・建物の傾きが二十分の一を超える

  ・屋根ふき材が脱落しそうな状態が見て確認できる

  ・立ち木の枝などが道路等にはみ出し、歩行者の通行を妨げている

  ・多数の窓ガラスが割れたまま放置されている

  ・動物が住み着き、においや飛散する大量の毛で周辺住民の生活に支障がある



空き家は15年後には全体の4分の1を占めるといわれ、現在でも7戸に1戸は

空き家であるといわれています。

そしてその多くは、現在の耐震基準のなかった1980年以前の建物です。

老朽化した空き家を放置すれば地震が発生した場合など、倒壊のリスクも考えられ、

また周辺住民にとっては治安や衛生上などの面も心配されるところです。



日本人が長年「貴重な資産」と定義づけてきた不動産は、いまや家電製品や家具

など一般消費財と同じポジションになってきたといえるのかもしれません。



このような現況を迎え、新たなニーズ、ビジネスが生まれています。

たとえば1950年以前に建てられた木造建築を古民家と定義し、移住や外国人ツアー

を受け入れるなど、古民家の再生、地域の活性化への動きも出てきています。



また税制改正も後押しし、いま"空き家関連ビジネス"に注目が集まっています。

国や自治体が空き家対策に本腰を入れる中、民間企業が「空き家活用」や「空き家

管理」といった"市場"に続々と参入してきています。



たとえば、積水ハウス、三井住友信託銀行グループ、ALSOKの3社は共同で空き家の

利活用を提案する空き家活用サポート事業で提携しています。

それぞれの強みを生かし、所有者に対し、空き家の解体、売買、建て替えや

リフォーム、巡回などのセキュリティ管理、金融機関への紹介など、

空き家に関する総合的なコンサルティングを展開していく模様です。



また大和ハウスは、月に1回程度、所有者に代わって空き家の清掃や換気など

を行い、異常がないかを確認するとともに、

写真付きの報告書を届けるサービスを開始しました。



一方、"空き家を若い世代へ"という動きも活発化しています。

新しい賃貸借の形態として「借主負担DIY型」が話題を呼んでいます。

家賃を相場より安く設定し、その浮いた費用で借主がリフォームや

DIY(do it yourself)による改装ができるようにしたもので、

改装した部分は退去時、原状回復する必要がないというのが魅力です。



また国土交通省は都市郊外の一戸建て空き家を地方自治体が借り受け、

子育て中の世帯が住みやすいよう改修し、貸し出す施策を決定しています。



自治体によっては積極的に空き家対策を行っているところもあります。

たとえば文京区では、「跡地利用が可能と判断された老朽空き家の所有者に対し、

空き家の解体費用の補助(上限200万)と解体後の跡地の無償借り上げ

(10年間)を行い、行政目的で使用する」という事業を2014年から

すでに実施しています。



「空き家」という日本が抱える大きな課題、ようやく重い腰を上げた国の

後押しを追い風に、さまざまな取り組みが全国へと広がり、ビジネス業界に

とっても新たな広がりを見せてくれることを大いに期待したいと思います。

■ 4. おしらせ

<株式会社トップ支援より>

 [研修、プロジェクト等の実施ご報告]

◇ 6月27日(土)

  第14期『第6回ビジネスカレッジ・マネージャーコースA』(クローズ)



 [研修、プロジェクト等の募集]

◇ 10月21日 (水)~6回(6カ月間)

  取締役検定 知識100講 労務コースの募集を始めました。



  労務コースでは労働基準法・社会保険・生保・損保・人事戦略など

  を学んでいただきます。

  現在、財務コースが進行中です。現在の受講生の大半がそのまま労務

  コースを受講されますが、卒業生もいらっしゃいますので、数人の受入

  れが可能です。

  人数が限られておりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。

  株式会社トップ支援 担当:高橋

  お問い合わせ先:メール:mail@nksy.co.jp TEL:03-3256-4101

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
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  • 3. 今月の本棚
  • 4. おしらせ

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