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いーかわらばん vol.434

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2015/05/20
  • vol.434

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

99%減資って何?

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その100)
               ・・・人生も 創造≒想像≒自己客観視

■ 3. 今月の本棚

『2050年の世界』 文春文庫

■ 4. おしらせ

株式会社トップ支援より

■ 1. 時の話題

<99%減資って何?>

シャープが99%減資をして、資本金を1億円にするとか、それに批判が集まると、
今度は5億円にするなど、混迷が続いています。

99%減資ってどのような意味があるのですか、というご質問をいただくことが
多いので、簡潔に記してみましょう。

ポイントは「純資産」(自己資本)という概念です。

純資産は、大きく、株主が拠出した資本金と、それを元手にして稼いだ剰余金と
に分かれます、2015年の単独決算では、シャープは2000億円以上の赤字を出して、
この純資産がとうとうマイナスになってしまいました。いわゆる「債務超過」の
状況に陥っているわけです。

減資は、この資本金を減らし、剰余金に振り替えることによって、少しでも欠損金
を減少させようという行為です。

当初は、資本金を小さくすることにより、中小企業の税務上の様々な特典を活用
しようという意図もあったようです。しかし、このことに多くの批判が集まり、
冒頭の5億円の話になったという経緯があります。

特典活用以外の減資の意味は、要は株主が拠出した、資本充実のために動かす
べきではない資本を、欠損補充に当てたことにより、将来の配当の可能性を少し
でも残し、増資もしやすい状況にする目的があります。

確かに会社が主張するように、一斉に減資をする瞬間は、株主ひとりひとりに
とっての持分は変わりませんから、所有している株式価値も変化しません。

しかし、通常、減資は増資とセットです。今回も、銀行等が引受先となって優先
株の増資をすることが予定されています。そのことによって、その増資に応じら
れない一般株主にとっては、価値が薄まることは間違いありません。

かつての日本航空の100%減資のように、即倒産ということではありませんが、
限りなく危機的状況にあるからこその手段であることは否定できない状況です。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その100)
               ・・・人生も 創造≒想像≒自己客観視>

「効用的修羅場の買い付け」というわけのわからないタイトルのお話も、とうとう
100回目を迎えました。

前回は、0次元経営から3次元経営に加えて、

4次元経営 = 時空経営 = 過去、現在、未来を行き来しながら
               未来の世界を創り込んでいく経営
を提示し、

理念40:未来は予測する対象ではなく、自らの意志により創造するものである!

との関連について考えました。

ここまでで、下記の ポイント4「空間的位置」との融合 についてのお話は
ひとまず終了となります。そこで、第一原則である「個人への落とし込みと複数
議論」について、最後の整理をしておきましょう。

条件1 成長心を習得する機会
 「レベル4 実践経営塾型」を効果的にする4原則のなかで、
   第1原則 個人への落とし込みと複数議論
     「時間的位置の把握」をするための4つのポイント
       ポイント4「空間的位置」との融合

実はこの第一原則の前半である「個人への落とし込み」については、
vol.394~vol.400
で詳しくはお話をしています。

一方、この第一原則の後半の「複数議論」については、なんと、
vol.402~vol.430
というとてつもない時間をかけて、ご説明をしてきました。

これ以上、何を言うことがあるの、という感じですが、例の4次元経営の定義
に示されている「創り込んでいく経営」にとってきわめて重要な点をひとつ
挙げておきたいと思います。

それは、「創造は想像から始まる!」というものです。

最近、新規事業開発等のご指導をしていて、強く感じることの一つが、想像力
の重要性です。

新規事業開発のオーソドックスな手順は、
発想 → 構想 → 構想検証 → 実行 → 実行検証 → 修正 
の繰り返しであり、これが「創り込んでいく経営」のプロセスのひとつです。

これについては、第2原則以降で詳しく触れますが、この最初の
「発想 → 構想 → 構想検証」
の段階において、想像力が非常に強く要求されます。

「想像」は漢字からその意味を探れば、「想いをかたち(像)にすること」と
なるわけで、英語でのimagination、すなわちimageをつくりあげること、に
ほぼ一致します。

この「想いをかたちにすること」「イメージをつくりあげること」が初期段階で
できるか否かは、その後の成否に大きく影響します。もちろん、この「かたち」
なり「イメージ」は、必ず何らかの文字や図やイラストに表されて、人に伝える
ことのできるレベルにまで到達しなければ意味がありません。

発想はすばらしいが、組み立てることができないために、実行に結びつかない
こともありますし、イメージしてみて、はじめて実はたいした発想ではなかった
ことに気づくケースもあります。これらはすべて、「かたち」にしてみて
はじめてほんとうにわかることです。

条件1の成長心を習得する機会における「個人への落とし込み」についても
同様のことが言えます。自分の将来を、(将来変化してもいいので)少なくとも
現時点においてイメージできるか否かは、その後の人生において、大きな意味を
持ちます。

往々にして、自己の成長がなされていない人に共通している特徴のひとつとして、
自分の将来像を「かたち」にする(発想→構想→構想検証)能力が不足して
います。

なぜなら、自分の将来像を「かたち」「イメージ」として、人に伝えるくらいの
レベルまで構想することは、イコール、自分の将来を客観視する能力と同じ
だからです。

自分の将来像をとにかく「かたち」にすることを実践してみてください。必ず、
将来の自分を観ている「もうひとりの自分」がいることに気づくでしょう。
これこそが「自己客観視」です。

自分の将来を、もうひとりの自分から眺めて「かたち」「イメージ」を
創り込む・・・

そのためには、将来だけでなく、自分の過去、現在をしっかりと見つめ直さなけ
ればならないでしょう。また、あらゆる角度から客観視するために、さまざまな
人と、謙虚になって議論をしなければならないでしょう。

まさに、過去、現在、未来を行き来しながら未来の世界を創り込んでいく、と
いった4次元経営の視点と複数議論の重要性がご理解いただけるのではないかと
思います。

■ 3. 今月の本棚

<『2050年の世界』 文春文庫>

副題は、「英『エコノミスト』誌は予測する」、帯には、「あなたの未来
も見えてくる!」と記載されています。

本書は、1843年に創刊されたイギリスの有名な週刊誌『エコノミスト』
の編集者ひとりひとりが合計20のテーマについて、多くのデータに基づき、
何と35年先を予測したものですが、巻末の解説で船橋洋一氏が述べている
ように、ある意味「無謀」ともいえる本です。

なぜ「無謀」と言えるのかは、過去35年間を振り返るだけでわかります。

35年前、だれが中国が世界第2位の経済大国になることを、ソ連の崩壊を、
あるいは日本のこれほどの落ち込みを、真に予測できたでしょうか。

無謀ではあるものの、それでも、この本は、大きな価値があると思います。
予測が予測どおりになるかどうかよりも、何を予測の対象として考えて
おかなければならないか、という「何」の視点がもっと重要だと思われる
からです。

その意味では、記述されている内容について、とやかく述べるよりも、この
小さな文庫本の全20章の目次のうち、特徴的ないくつかをご紹介した方が、
価値があるでしょう。

 第1章 人口の配当を受ける成長地域はここだ
 第3章 経済成長がもたらす女性の機会
 第4章 ソーシャル・ネットワークの可能性
 第6章 宗教はゆっくりと後退する
 第7章 地球は本当に温暖化するか
 第8章 弱者が強者となる戦争の未来
 第10章 高齢化社会による国家財政の悪化をどうするか
 第12章 グローバリゼーションとアジアの世紀
 第13章 貧富の格差は収斂していく
 第14章 現実となるシュンペーターの理論
 第17章 苦難を超え宇宙に進路を
 第18章 情報技術はどこまで進歩するか
 第19章 距離は死に、位置が重要になる   などなど
 

あと二つ、この本の大きな特徴を挙げるとすれば、一つは将来について
かなり楽観的であること、もう一つは日本について客観的に眺める機会を
持つことができる、という点を挙げることができます。

気楽に読んでいただいても、十分にコストパフォーマンスが得られる本
だと思います。

■ 4. おしらせ

<株式会社トップ支援より>

[研修、プロジェクト等の実施ご報告]

◇ 5月2日(土)
   
  第14期『ビジネスカレッジ・マネージャーコースA』(クローズ)

◇ 5月9日(土)

  第12期『新規開発プロジェクトMG』(クローズ)

◇ 5月11日(月) 5月13日(水)

  第11期『新規開発プロジェクトV』(クローズ)

◇ 5月14日(木)
  
  第23期『ビジネスカレッジ・エグゼクティブコース』(オープン)

◇ 5月15日(金)

  第8期『新規開発プロジェクトK』(クローズ)


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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 知らなきゃ損!労務の基本知識
  • 4. おしらせ

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