いーかわらばん vol.425
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2010/11/05
- vol.425
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
もうひとつの「初心忘るべからず」
■ 2. 山崎発、経営を考える
効用的修羅場の買いつけ(その92)・・・三つの「どこ」= 「立場」「時間」「空間」
■ 1. 時の話題
<もうひとつの「初心忘るべからず」>
前回の「君子、豹変す」に続いて、もうひとつ、「初心忘るべからず」という言葉に
ついて考えてみましょう。
さまざまな機会に、よく聞いたり言ったりする言葉ではありますが、「その原典は?」
と聞かれると答えることのできる人は、案外少ないのではないでしょうか。
これは、世阿弥の『花鏡』(かきょう)にみられる言葉で、やはり、現在使われている
意味とは微妙に違います。
『花鏡』は、世阿弥が40歳過ぎあたりから20年の歳月をかけて息子の元雅に伝える
ために書いた芸の知恵の伝書です。
その中に、次のような一文があります。
しかれば、当流に、万能一徳の一句あり。
初心不可忘
此句、三ヶ条の口伝在。
是非初心不可忘。
時々初心不可忘。
老後初心不可忘。
そしてその後には、三つの「初心忘るべからず」に関する解説が、整然と展開されて
います。
現在では、ものごとを始めた当初の新鮮な気持ち、熱い想いなどを忘れてはならない、
という意味に使われることが多いと思います。
しかし、世阿弥のこの『花鏡』においては、初心は、どちらかというと、
“まだまだ未熟な芸域、うぶな心”
といった意味に使われているような気がします。
だからこそ、若いころも、そのあとの時々も、そして老後も、常に自分のまだまだ
至らない部分をしっかりと見据えたうえで精進してこそ、芸は向上していくものだ、
と言っているのではないでしょうか。
今の時代、前回の「君子豹変、小人革面」と合わせて、この「初心不可忘」も常に
心にとどめておきたい言葉です。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<効用的修羅場の買いつけ(その92)・・・三つの「どこ」= 「立場」「時間」「空間」>
前回は、そもそも「客観的にみる」ことをテーマにした理由について、お話しをしました。
そして、重要な四つを、申し上げました。
一つ目は、「どこから、何を、見ているか」が大きな違いを生む、という点でした。
二つ目は、「どこから」が原因で、「何を」は結果である、という点でした。
三つ目は、経営者のレベルアップの大きなポイントの一つは、「どこから」の
レベルアップを図ること、という点でした。
四つ目は、「客観的にみる」というのは、「どこから」のレベルアップを集約的に
表現したものである、という点でした。
また、当然ながら、この「どこから」の一つの結論が「宇宙の目」であることは、
みなさん、容易に想像がつくのではないかと思います。
さてそれでは、前回予告いたしましたように、この「どこから」をレベルアップするには、
どうすればよいのか、また、「どこから」の「どこ」には、どのような種類があるのか、
順次整理していくことにしましょう。
ここは多分に過去の復習も含むことになるのですが、それはさておき、まず、
「どこ」の種類から考えてみましょう。
これには、「三つプラス一つ」あります。
「三つ」とは、「立場」「時間」「空間」であり、「プラス一つ」とは、「立場」「時間」「空間」
の融合です。
まず、「立場」ですが、もうおわかりのとおり、これは今まであらゆる場面で申し上げて
きています。
一番わかりやすいのが、
理念22:報告は、ツーランク上の視点(報告を受ける人のさらに上司の視点)で行う!
でしょう。
私の研修を受けたことがある人は、「ツーランク上の視点で考えよ!」は、いやと
いうほど聞かされているはずです。
また、
理念37: 「客観的にみる」その1
事実と判断を可能な限り峻別し、その連鎖の背景にある価値観を探る!
などは、まさに、「他人の立場に立って考えること、そのもの」を取り上げているわけです。
あらゆる企業において、「顧客の立場に立って・・・」と言われることが多いのは、まさに
この部分を指していることになります。
実は、この「立場」は、「立っている場」ですから、「いつの時点で、どこに、立っているか」
という厳密な意味では、後述する「時間」や「空間」に含まれる概念なのですが、自分を
取り巻く、直接コミュニケーションをとれる範囲、ということで、あえて「立場」という言葉を
使ったほうがわかりやすいと思います。
さて、二つ目の「時間」ですが、これについては、「時間的位置」ということで、最近まで、
何回かにわたり、じっくり考えてきました。ですから、重複は避けますが、「どこから」を
強調した場合には、言い残している重要な点が二つあります。
一つは、経営者が付き合う人の年代についてです。
もう一つは、「目標」は、この「どこから」に意味を持つか否か、という点についてです。
次回は、この二つについてお話しした後、いよいよ「空間」に入っていきたいと思います。
■ 3. 今月の事務
●年末調整の準備
税務署や市町村などでは、年末調整の説明会が開かれます。
担当者は、できる限り出席し要点を確認しておきましょう。
税政改正により、年末調整に関するものがないかどうか、気をつけましょう。
また、各種控除申告書などの関係書類を入手し、早めに従業員に配布して
おきましょう。扶養者の増減は、特に気を付けたい項目です。
●歳暮の手配と年賀状の準備
取引先などに、歳暮を贈る場合には、11月下旬には発注し、12月上旬には
先方へ届くように手配をしましょう。
また、11月1日に平成23年用のお年玉付き年賀葉書や年賀切手が、発売
されています。お歳暮・年賀状の送り先に変更がないかどうかの確認も
忘れずにおこないましょう。
●体調管理
急に気温が下がり、一気に季節が進んだ様に感じるこの頃ですが、
このような時は、体調を崩しやすいものです。
年末に向けての繁忙期を向かえ、何かと無理が重なることも多いので、
体調管理をしっかり行いましょう。
インフルエンザ等の流行に備え、マスク・消毒液等も必要に応じて準備 して
おきたいものです。
■ 4. おしらせ
いーかわらばんのバックナンバーをホームページに掲載しております。
途中購読の方で興味のある方は弊社ホームページをご覧下さい。
http://www.nksy.co.jp
次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 今月の本棚
- 4. おしらせ
【web】 https://www.nksy.co.jp
【mail】 mail@nksy.co.jp
☆弊社お客様並びに名刺を頂いた方にもお送りさせて頂いております。
突然の配信をお許しください。
☆展示会等のご案内を掲載させて頂きます、ご一報下さい。
☆メールマガジンの登録・解除は自由です。配信の解除・送信先メールアドレスの変更はお手数ですが、
mail@nksy.co.jp
にご連絡ください。
☆無断転送はご遠慮願います。