いーかわらばん vol.420
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2010/08/03
- vol.420
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
ゼロか、プラスか、はたまた・・・?
■ 2. 山崎発、経営を考える
効用的修羅場の買いつけ(その87)・・・三つの「Rチーム」
■ 3. 財務ホット情報
子ども手当は、課税それとも非課税?
■ 1. 時の話題
<ゼロか、プラスか、はたまた・・・?>
何を言いたいタイトルかよくわからないと思いますが、実は、飲料市場の
状況を表現したものです。
「ゼロ」は、ご承知のように、糖分やカロリーをゼロにした飲料のことです。
2006年に「ペプシネックス」が発売されたのを皮切りに、2007年には
「コカコーラ・ゼロ」、さらに「三ツ矢サイダーオールゼロ」「C.C.レモンゼロ」と
続きます。
もちろん、「ゼロ」を目指しているのは、今ご紹介した清涼飲料のみならず、
ビールや発泡酒、缶チューハイといったアルコールの領域にも広がっています。
アサヒは「スタイルフリー」、キリンは「麒麟ZERO],サントリーは「ゼロナマ」、
サッポロは「ビバライフ」と各社揃い踏みの状態です。その他完全にゼロでは
ありませんが、何%減と押さえたものに、サントリーの「ダイエット<生>」や、
麒麟「淡麗グリーンラベル」、アサヒ「本生アクアブルー」などがあります。
また、「氷結ゼロ」「-196°ゼロドライ」「旬果搾りフルッティオ」といった
缶チューハイも、すでになじみとなっている感があります。
一方で、何をゼロにするかという、ターゲットの方に目を向けますと・・・、
今までお話しをしたカロリーや糖質のみならず、コーヒー飲料のカフェインゼロを
はじめとして、保存料ゼロ、脂肪ゼロ、甘味料ゼロ、香料ゼロ、など、さまざまな
ものが挙げられます。
さて、こうした体に悪いもの、メタボにつながるものをゼロにした後は、
今度は「プラス」の要素が表に出てきます。
食物繊維を取り入れたアサヒの「超ファイバーゼロカロリー」、アミノ酸を加えた
新しい「キリンレモン」、サントリーの「野菜計画 カロリー野菜」などが、「プラス」
の要素の代表といえるでしょう。
清涼飲料市場が大きく冷え込む中、各社は、「よくないものを削り、よいものを
取り入れる」ことで、付加価値をつけようと必死の仕掛けをしていることは確か
です。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<効用的修羅場の買いつけ(その87)・・・三つの「Rチーム」>
前回は、実は多くの重要な点を含んだお話をしました。その重要な中身を、
箇条書きで整理してみましょう。もちろん、そのうちのいくつかは、近々、
整理する“理念”で取り上げるつもりですが・・・
・ パターンの中位化を進める方法は、「体験による学習」以外にはない
・ 体験には、直接体験と疑似体験がある
・ より厳密には、「苦しみの中から生まれる直接成功体験」が「パターン
の中位化」を促す唯一の方法である
・ 「成功」とは、経営者の考える水準に達することではなく、少しでも
進展、発見、前進を実感できれば、それを「成功」ととらえるべきである
まとめとしては、
究極の到達点として、経営者の考える成功水準、すなわち最高レベルを
意識し、目標としたうえで、その水準に少しでも近づく小さな「前進」と「発見」
を、日々の「成功」ととらえた、「直接成功体験」を実感する「場」をもつこと
が、「パターンの中位化」を促進することになることを説明しました。
皆様の会社では、こういった視点に基づく、「直接成功体験」を実感することが
できる「場」として、どのようなしくみを持っておられるのでしょうか。
さて、「ネタノート」の会社の事例に戻りましょう。この会社を仮にA社としておきます。
A社が、「1週間、1ページ、1項目」で、新聞、雑誌、テレビ、誰かとの会話、を
問わず、目で見たり、聞いたりしたことをベースに、 「自分だったら、あるいは
自分の会社や部門だったら、何をすること、何ができる?」を書き入れた「ネタ
ノート」を各自がつくり、それを翌週発表するというしくみを作ったことは、前に
述べました。
さらに、これは、
① 上位のパターン化
② パターンの中位化
のうちの、①に該当すること、さらにそのパターンは、「具体の抽象化、抽象の
具体化」と私が呼んでいる思考パターンであることを申し上げました。
それでは、②のパターンの中位化について、どのようなしくみをつくっていった
のでしょうか。
まず、「未来創造の方向性を持つ」しくみ、という場合の、「未来創造」のプロセスを
(1) 発案
(2) 調査研究
(3) 具体化と実行(指示)
という三つの機能に分けました。
そして、
(1)には、RIC(リアルアイデア会議)
(2)には、RDM(リサーチ&ディベロップメント ミッション)
(3)には、RSP(実現計画プロジェクト)
という名称をつけて、三つの“Rチーム”を設定しました。
「ネタノート」が威力を発揮するのは、もちろん、(1)の「RIC」においてです。ここでは、
まず、自社や他社の過去の開発や改善のテーマを、「具体の抽象化、抽象の具体化」
のパターンに落とし込んで、学習します。
いわゆる「ベンチマーキング」の“はしり”みたいなことをするわけですが、これは、中位の
人たちにとっては、最初の「疑似体験」になります。さらに、数ヶ月間は、先輩たちが
過去に発表してきた「ネタノート」について、サーバーにある「知恵の殿堂」を閲覧し、
学習します。これも疑似体験です。
言い換えると、RICにおけるこの最初のプロセスが、「パターンの中位化」のひとつです。
いきなり、「ネタノート」を作れ、といっても、やる気はあってもどうすればいいかわからない
人たちのために、疑似体験の場を与える、要は勉強してもらう、というものです。
次に、自ら「ネタノート」の作成に入り、それを毎週発表することによって、そのレベル
を上げていきます。
「抽象化がまだまだ不十分じゃないの」という指摘を受けたり、「もっとほかにより簡単な
具体化の手立てはないの」といった質問を受けて、深めたり、修正したりしていくわけです。
そして、これらの中から、自社ですべきだというテーマを取り上げ、調査研究の必要なものは
(2)のRDMを立ち上げ、またその必要がないものは、即(3)RSPを結成するわけです。
すなわち、(1)RICをスタートとして、
(1)RIC → (2)RDM → (3)RSP
または、
(1)RIC → (3)RSP
のプロセスで、「未来創造の方向性を持つ」しくみができあがっているというわけです。
次回は、これらのしくみを機能させる際の注意点を整理したうえで、もともとの
テーマである、四つ目の論点「そして、空間的位置との融合」に入っていくことに
しましょう。
■ 3. 財務ホット情報
<子ども手当は、課税それとも非課税?>
子ども手当の支給が開始になり、支給をうけられた方もおられるでしょう。
さて、この子ども手当は課税の対象となるのでしょうか。
答えは、非課税です。
根拠となる条文は、「平成22年度における子ども手当の支給に関する法律」の
15条で、以下のとおりです。
租税その他の公課は、子ども手当として支給を受けた金銭を標準として、
課することができない。
この取扱いについては、非課税に反対する意見も民主党内にはあったようですが、
公立保育所の保育料の決定や公営住宅の入居審査などが、課税所得額となる
ため、子ども手当の効果が薄まるとして、非課税扱いになった経緯があります。
平成22年度の税制改正では扶養控除等が改正されます。
これは、このこども手当や高校授業料の実質無償化の実施で、「控除から手当へ」
と大きく舵をきったためによるものです。
所得税の改正点については、以下にまとめました。
実施については平成23年度分からになります。
0歳~16歳未満 年少扶養親族 38万円 → 0円
16歳~19歳未満 一般の控除対象扶養親族 63万円 → 38万円
19歳~23歳未満 特定扶養親族 63万円 (現行通り)
23歳~70歳未満 一般の控除対象扶養親族 38万円 (現行通り)
70歳~ 老人扶養親族 48万円 (現行通り)
■ 4. おしらせ
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