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いーかわらばん vol.418

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2010/07/16
  • vol.418

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

「スマートハウス構想」本格始動!

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その85)・・・ 「未来創造の方向性を持つ」しくみ

■ 3. 今月の本棚

『超訳 ニーチェの言葉』 フリードリヒ・ニーチェ著 白取春彦編訳

■ 1. 時の話題

<「スマートハウス構想」本格始動!>

外出先からの電話一本で、各種家電に電源が入り、帰宅すれば、ご飯は
炊きあがり、風呂が沸いている・・・、といった話は、すでに10年近く前から
随所で語られています。

しかし、ここへきて、太陽光発電の普及と蓄電技術の進化をはじめ、
LED照明、テレビのデジタル化など、家電の領域が大きく変革したこと、
さらにクラウドコンピューティングの一般化などを受けて、「スマートハウス」
構想がかなり本格化してきました。

一般的に、「スマートハウス」とは、情報化、デジタル化された住宅を意味
しており、構造は、おおむね、次のようなものです。

まず、住宅と外部との接点には、外部には「エコサーバー」、内部には
「ホームゲートウェイ」があります。

「エコサーバー」は、ある一定範囲の地域全体をコントロールして、その
地域のエネルギー供給全体の調整、さらには介護状況、安全状況などを
監視する機能を持つものです。

一方、「ホームゲートウェイ」は、家庭で使用するあらゆる家電を、一元的に
指揮管理するコントロールタワー(司令塔)の機能を持つものと考えると
わかりやすいでしょう。

ここで、家庭で使用する家電には、太陽光発電、太陽電池、ヒートポンプ
給湯器などのエネルギー供給源と、それらのエネルギーを使用して作動
する洗濯乾燥機、食器洗浄機、テレビ、オーディオ、LED照明、エアコン、
電気自動車・・・の二つに分けることができます。
電気自動車もひとつの家電になっていくのでしょう。

エネルギー供給源は、ホームゲートウェイにより、全体のエネルギー
調整が行われ、たとえば今日は日曜で来客が相次ぐということであれば、
需要量増加の指示が出ます。

また、エネルギーを使用する各種家電は、たとえば主として高齢者が
使うのであれば、文字が大きく表示されるなど、自動的な調整が行われる
ことになります。

このようなコンセプトに基づく住宅をトータルに供給できる技術は、世界を
見渡しても、日本にしかできない、これこそ日本の強みだということが
できます。

ホームエレクトロニクス、リモートコントロール、太陽光発電とその蓄電、
介護・医療システム、エネルギー配分システム、そして住宅技術がすべて
そろって初めてできあがるものだからです。

それだけに、各業界の垣根を取り払ったコラボレーションが必要であると
同時に、ハードだけでなくソフト面における可能な限りのディファクトスタン
ダードを作りあげることが必要になるでしょう。でなければ、また、欧米、
中国に主導権を持って行かれる可能性があります。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その85)・・・ 「未来創造の方向性を持つ」しくみ>

前回は、「何らかの目的を持ったしくみ」を作り上げる際の極意として、

 ① 放っておいてもできる「上位」の人たちの意識、行動等を仔細にみて、
   可能な限り、パターン化すること ・・・ 「上位のパターン化」

 ② 対象は、「上位」でなく、「中位:凡人」ですから、上記のパターンを、
   「中位用」に 置き換えること ・・・ 「パターンの中位化」

の二つを申し上げました。

では、、「未来創造の方向性を持つ」しくみとして、どういったものが望ましい
のでしょうか。

前回のご説明を用いながらお話を進めていきますと、まず「上位のパターン化」
です。

言い換えると、未来創造の方向性を持って実践していく人たちは、どのような
発想と行動をしているか、をパターン化してみることが必要だということになり
ます。

もちろん、さまざまな人がいて、さまざまなケースがあり、パターン化など
そう簡単にできるものではないのですが、私の経験から、その本質を
突き詰めていきますと、すでにかつてここでもお話をした、
 「具体の抽象化、抽象の具体化」
のプロセスとなります。

私の講演に何回もお越しいただいた方にとっては、「ああ、またか!」と
いう感じだと思いますが、やはり、「上位」の人の発想、行動は究極ここに
行き着くのです。
(内容については、『いーかわらばん 2009/11/30 vol.395』の「山崎発、
経営を考える」をご参照ください)

大事なことは、概念としてのこの「具体の抽象化、抽象の具体化」をどの
ように、「未来創造の方向性を持つ」しくみとして取り入れるか、です。
これについても、注意点としては、上記『いーかわらばん 2009/11/30
vol.395』以降でかなり詳しくご説明をしていますが、具体的な仕組みに
ついてはあまり触れていません。

私どものあるお客様では、「ネタノート」というものをある範囲の社員に
持たせています。ここで、「ある範囲」というのは、新規開発プロジェクトに
参加している、あるいはかつて参加した社員で、全体の3割程度を占めます。

この「ネタノート」は、「1週間、1ページ、1項目」で、新聞、雑誌、テレビ、
誰かとの会話、何でもいいので、今週、目で見たり、聞いたりしたことを
ベースに、 「自分だったら、あるいは自分の会社や部門だったら、何を
すること、何ができる?」を書き入れていき、翌週発表するというものです。

これが、「上位のパターン化」の一つの例と言えるでしょう。

ここから、実際に新しい開発に結びついたケースがいくつも生まれてきます。
しかし、この状態に辿りつくのに、やはり3年以上かかっています。

しかし、「石の上にも3年」とはよく言ったもので、このことを3割の社員が行い、
毎週1回発表のチャンスがあり、それをずっと継続していると、「未来創造の
方向性を持つ」風土に明らかに変化していくのです。

では、なぜ、3年以上かかったか、というと、最初のうち、「パターンの中位化」が
なかなかうまく進まなかったからです。それについては、次回、じっくりと考えて
みましょう。

■ 3. 今月の本棚

<『超訳 ニーチェの言葉』 フリードリヒ・ニーチェ著 白取春彦編訳>

ニーチェをよく知っている、という人は、哲学教育が手薄い日本にあっては
少ないのではないかと思います。

しかし、ひょっとしたら、『ツァラトゥストラはかく語りき』『人間的なあまりに
人間的な』といった著作については、どこかで、聞いたことがあるのでは
ないでしょうか。

特に、、『ツァラトゥストラはかく語りき』については、シュトラウスの作曲で
有名で、『2001年宇宙の旅』のテーマソングにもなっていますので、そちらで
ご存知の方も多いかもしれません。

ニーチェの略歴についてここでご説明はしませんが、当時の哲学といえば
カントやヘーゲルという極めて壮大で難しい体系を想定しがちですが、逆に
ニーチェは非常に平易で、情緒的で、平凡な私たちの感性に入り込んで
くるものです。

この本が、ベストセラーになっているのも、時代を反映していることは
もちろんですが、そのあたりに共感を覚える人が多いからではないでしょうか。

この本は、ニーチェの著書の中に見られる232の言葉を選び出して、
1ページでひとつずつ、かなりやさしく「超訳」してくれています。
そして、その232の言葉を、

  己、喜、生、心、友、世、人、愛、知、美 

という、10のセクションにまとめています。

たとえば、「Ⅲ 生について」の中には、次のような言葉があります。

  40 少しも悔いのない生き方を
   
   今のこの人生を、もう一度そっくりそのまま繰り返してもかまわない
   という生き方をしてみよ

1844年に生まれ、1900年に没したニーチェから学びとる意味は、現在に生きる
われわれにも、きわめて大きいと思います。 原点に返って、あたりまえのことを
もう一度見つめなおしてみる機会にしていただきたいと思います。

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 事業承継の真視点
  • 4. おしらせ

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