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いーかわらばん vol.415

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2010/06/03
  • vol.415

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

「地産地消」から、「店産店消」へ

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その82)・・・「予測」ではなく、「予兆察知」!

■ 1. 時の話題

<「地産地消」から、「店産店消」へ>

環境問題に対する関心の高まりから、“地産地消”ということばが生まれて
久しくなりますが、最近は、“店産店消”ということばを見かけるようになりま
した。

店産店消とは、店の中のいわゆる「植物工場」で野菜を栽培し、そこでできた
とれたて野菜を食材とした料理を顧客に提供する、というものです。

「植物工場」自体については、このいーかわらばんの「時の話題」で、5年
以上前に取り上げました(2005/2/23 vol.166)が、それを飲食業という
カテゴリーの中に身近な形で取り入れた着眼点はすばらしいと思います。

もともと、昨年の11月に開催された「東京デザイナーズウィーク2009」で、
日本サブウェイが植物工場を出店し、そこに併設した店舗において、その
植物工場でできたレタスを使ったサンドウィッチを提供したのが始まり、と
言われています。

この店産店消には、いくつかのメリットがあります。

ひとつは、顧客に対する“見える化”効果です。オープンキッチンなどもこの
一環といえますが、調理よりももっと前の食材生産という段階からお客様に
みていただく、というものです。“いけす料理の野菜版”ということもできます。

そしてこのことが、顧客に対して、楽しさと物珍しさと安心感を与える効果が
あります。特にLEDを使った無農薬野菜ということでの安心感、新鮮である
ということでの安心感など、究極の癒しにもつながります。

また、国民経済的には、金額の多寡はともかく、明らかに物量コストの削減に
つながります。輸送費や包装代金もほとんどかからないからです。

すでに、「店産店消レストラン」などのキーワードで検索すると、多くのレストラン
がヒットします。今後、設備コストが安価になれば、ファミレスなどはもちろん、
一般家庭においても家庭菜園に代わるものとしてより普及していく可能性が
あるでしょう。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その82)・・・「予測」ではなく、「予兆察知」!>

前回は、「宇宙の目」の中の「時間的(歴史的)位置」の把握について、“見逃し
やすい”、“欠かせない”四つの視点のうちの三つ目、「未来創造の方向性を
持つこと」について、お話をしました。

そして、未来はどうなるかという予測に終始していては意味がない、あくまでも
未来に対して自らの意志を持ち、その意志で、未来を創り出すところに経営の
本質があることを述べました。

今回はその続きですが、前回の最後に、次のような問題提起をしています。

・・・
 金融工学に代表される予測技術は、コンピュータの進化と相まって、恐ろしく
 進んだといわれています。にもかかわらす、リーマンショックが起きました。
 これは何を意味しているのでしょうか。また、どうして「予測」に終始してしまう
 のでしょうか。また、「予測」に終始してしまうと、そもそも、何が問題なので
 しょうか。
・・・

まず、最初に私の結論を申し上げますと・・・、

だいたい未来を予測できる、などというのは、人間の過信、おごり、のぼせあがり
の要素がかなり強い、ということです。少なくとも、そう考えておいた方がいい、と
いうのが私の意見です。

これは、決して感覚的、感情的に申し上げているわけではありません、そう言わ
ざるを得ない明確な理由が、大きく見て二つあるのです。

一つ目は、予測は仮定に基づく、という点です。

どんなにコンピュータテクノロジーが進化しても、そのテクノロジーに基づく予測は、
所詮、「仮定に次ぐ仮定」の産物です。その仮定が覆されたら、あっという間に
予測も狂ってしまいます。

二つ目の理由は、仮定とそこから導き出される結論との、因果関係自体が従来
とは大きく変化している、という点です。

予測は、過去の因果関係の経験値を何らかの形で方程式に組み込んで行うわけ
ですが、過去の因果関係の経験値自体の信用性が問題になっている、すなわち、
過去の繰り返し、という要素が極めて少なくなってしまっているのです。

難しく言えば、社会現象において、回帰性、循環性が乏しくなったということです。
たとえば、「景気循環」ということばさえ、死語になりつつあるわけで、「我慢して
いればいずれ景気は回復して・・・」なんてことは期待できないのです。

それでは、世の中で一般によく言われる「予測どおりになった」とか、「予測どおり
になる確率が高い」などといわれるのは、どのようなものなのでしょうか。

これも二つあります。

ひとつは、予測したとおりの状況を自ら創り上げてしまうこと。
もう一つは、予測する範囲を、狭く、かつ、短く、すること。

前者は、創造そのものであって、本質的には「予測」の範疇ではありません。
実は、ここでいう予測は、他人からは「予測」に見えても、その本質は、本人の
「意志」なのです。次回以降の主要テーマです。

問題は、後者です。

予測が当たる確率を高めていこうとすると、どうしても、予測範囲が、狭く、かつ、
短くなるのです。これを巷でよく言われる表現に置き換えると・・・。

  「自己中心的で、目先の利益を追う、姿勢」

となるわけです。

これこそ、金融が陥った“わな”ではなかったでしょうか。リーマンショックを引き
起こした原因の一つでもあります。予測に終始することの問題点、怖さはここに
あります。

このことは、中・長期的に付加価値を高めることによって、全体のレベルアップを
図る、という「創造」の視点からはほど遠いものであり、当然、「宇宙の目」とは
相入れないことになるのです。

前回、世の中の変化、動向に対して敏感であることは、リーダーのもっとも重要な
資質の一つである、だから予測が不要というより、そこに終始することが問題だ、
と申し上げました。

これをもう少し厳密にいえば、リーダーに重要な資質の一つは、予測能力では
なくて、予兆察知能力です。さらに、それを創造に結び付ける能力です。次回は、
この部分を整理しながら、「未来創造の方向性を持つこと」をより掘り下げることに
しましょう。

■ 3. 財務ホット情報

IFRSでどう変わるのか?

~原則主義と包括利益~

前回の財務ホット情報で取り上げましたIFRSの内容について、
今回は述べてみたいと思います。

まず、IFRSの特徴は、原則主義ということにあります。

原則主義とは、原則的な考え方のみが示されており、具体的な会計処理
については企業の判断に任せるということです。
原則主義の反対の概念は、ルール主義細則主義になります。

IFRSのもとで作成される財務諸表は、4つあり 
 ①財政状態計算書
 ②包括利益計算書  
 ③持分変動計算書
 ④キャッシュ・フロー計算書
になります。

この中で大きく今までと変わるのは、包括利益計算書です。

包括利益とは、損益計算書で計算される当期利益+その他の包括利益をさし、
その他の包括利益とは、持ち合い株式などの価値の増減など資産の含み
損益のことです。

今まで日本は、損益計算書での経常利益が重視されてきましたが、IFRSの
もとでは、貸借対照表での企業の価値(時価)が重視されるものにかわると
いうことになります。

この他に
 ①売上の基準が変わる→実務上広く採用されている「出荷基準」が認め
   られなくなる
 ②ポイント制度(ヨドバシなど)の会計処理について、そのポイント分を
   売上から控除することになる
 ③減価償却の耐用年数が実態に合わせたものになる
 ④確定給付型企業年金の積立不足額は分割でなく一括で費用計上
   しなければならなくなる
 ⑤有給休暇は社員に付与した時点で費用とみなされる
 ⑥研究開発の費用は将来の収益が見込めるものは資産に計上される
などの変更が、でてくることになるでしょう。

IRFSの導入で、上記のような会計のルールの変更により、業務への影響も
多々でてくることになります。

今後は、自社の採用している会計基準とIRFSとの違いを理解し、その違いが
およぼす業務の影響を、よく検討することが必要になってくるでしょう。

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

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  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 今月の事務
  • 4. おしらせ

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