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いーかわらばん vol.407

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2010/03/02
  • vol.407

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

「気持ち」「頭」「行い」と「産学連携」?!

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その74)・・・「パラダイム転換」と価値観

■ 3. 財務ホット情報

エコカー減税と圧縮記帳

■ 1. 時の話題

<「気持ち」「頭」「行い」と「産学連携」?!>

わけのわからないタイトルをつけて、恐縮です。

実は、ここ数年、弊社のグループでは、お客様のご指導を通じて、
 「気持ち」と「頭」と「行動」
の関連性をテーマとして、少しずつ、研究を行い、整理をすすめています。

「なんのこっちゃ」という感じだと思いますが、わかりやすい例をあげますと・・・、

  たとえば、お客様の要望(ニーズ)は明らかに、○○のサービスを望んでいる、
  それを実現すれば、売上にも利益にも貢献できることはほぼ間違いない。
  しかし、どうも、それは当社の風土から考えても、邪道のような気がする・・・。
  もっといえば、そもそも、自分は、こういうことをしたくて、この会社に入った
  わけではない。
  どうも「肚」に落ちた感じでこの仕事を進められない、どうすればいいのだろう?

なんていうテーマです。「気持ち」はNO、「頭」はGO、さて「行い」は・・・・?

きわめて現実的な例をあげましたが、これは、経営理念や組織風土、ひいては、
人事制度にまで関連する、けっこう重大な視点を含んでいます。

さらに、M&Aや、業務提携などをする際にも、前もって考えるべき重要なポイントの
一つになっています。要は、意思決定そのものに影響するのです。

一言でいえば、「べき」と「たい」のどちらを重視する「理念」や「風土」なのか、また、
その二つを納得して一致させる“術(すべ)”はあるのか、という問題であり、
さらには、各個人の「自立性」「主体性」にまで、話は発展します。

弊社では、「適材適所」の定義を、
  「たい」と「べき」の一致
に置いていますので、その意味でも、重要です。

さて、それでは、これが「産学連携」と、どのように関連するのでしょうか?

さまざまな分野で、産学連携が進んでいますが、その成否を決めるポイントは何か
と考えますと、二つの点が指摘できます。

 ①幅広い分野の専門家の学識経験を包括できているか?
   たとえば、介護関係であれば、医学、栄養衛生学、心理学、財政、行政学、
   家族制度、機械力学、施設環境学、等々の包括
 ②「専門家」と「実業家」の、知識と感覚と行動を包括できているか?
   学者の描いているイメージ・行動と、経営者の描いているイメージ・行動の包括

これらをうまく包括できているところに、それなりの成果が生まれているように
思うのです。

そして、特に②の、「知識」と「感覚」と「行動」の包括、すなわち、「知行合一」ならぬ、
「知覚行包括」の視点が、上記の弊社のテーマとまったく一致するというわけです。

この「知覚行包括」のノウハウは、「産学連携」においても、まだまだ未成熟です。
今後、どのように進んでいくのか、注目に値します。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その74)・・・「パラダイム転換」と価値観>

ここ数回は、「客観的にみる」ためには、いかなる姿勢が必要か、という点について、

   その1 事実と判断の峻別

という項目についてお話をしています。

前回は、そのもう一つ前の、田中部長の例をもとに、

・・・「事実」 → 「判断」 → 「事実」 → 「判断」 → 「事実」・・・

というように、人間である限り、「事実」と「判断」が相互に影響を与えることを
避けることはできないということを申し上げました。

そして、完璧に「客観的にみる」なんてことはできない、事実が価値観を生み、
その価値観に基づいて何らかの判断をし、そして、それがまた事実のとらえ方を
変えていく・・・。

しかし、そのような流れを、横からではなく、上から見ることによって、その全体の
流れがまた「みえてくる」・・・、これが、また“ひとつの”「客観的にみる」ことに
つながっていく、というご説明をしました。

このことが前回予告したように、組織構成員が持つべき、「共有すべき価値観」
「共鳴すべき理念」といったところに、つながってきます。

少し横道に入る話になりますが、ここは非常に大事なところです。

田中部長の例でいえば、「1年間の数字を直視することが大事!」というひとつの
価値観も、「数字は、“傾向”で把握しなければならない」というまた別の価値観も、
それだけを「共有すべき価値観」に持ってくるのは望ましくない、ということです。

うまくご説明するのが難しいのですが、それらを包括したワンランク、ツーランク
上の価値観がないかどうか、とことん考えた挙句に、その行きついた先から
生まれたものを、「共有すべき価値観」ととらえなければならない!、と強く思うの
です。

たとえば、前回示しました、

  峻別しにくいものだからこそ、峻別して少しでもみえるようにしてみる、しかし、
  それが唯一絶対のものではないことを理解しておく

は、表現をもう少し上手にわかりやすくすれば、「共有すべき価値観」に成り得ます。

すなわち、「さまざまな価値観を包括した、もう数次元、上の価値観」を常に求め、
考えることが、経営者には要求されますし、優秀な経営者は、その重要性を体得
しています。

これは、『パラダイム転換」といわれる、“ものの見方の根本的変革”が要求される
時代においては、極めて大きな意味を持ちます。

「価値観の多様化」を受容し、それらを単に足し合わせて妥協するのではなく、
多くを包括する新しい価値観を生み出し、そこから生まれるビジョンに到達する
新しい道を築く時代なのです。

逆に言うと、「パラダイム転換」は、「正解」や「法則」や「ルール」がどんどん変わって
行ってしまうことを意味します。

従来成功してきたパラダイムでは、解決、創造できず、また別のパラダイムが必要
とされるときに、組織が、限られた価値観を共有することは、かえって危険を伴うこと
になるでしょう。

したがって、組織の長たるものは、「価値観を包括する価値観」を追究し、組織に
共有、浸透すべく努力しなければならないのです。

しかし、すでにお気づきの方は多いと思いますが、
 「価値観を包括する価値観」を共有する、
という表現自体、自己矛盾をはらんでいます。その「包括した価値観」が、またさらに
数次元上の価値観に、いずれ、包括される可能性があるからです。

実は、そのように、次々に数次元上の価値観に包括され、それが共有、浸透していく
プロセスが、企業の「進化の過程」だといっていいでしょう。

それは、貸借対照表には、決して表すことはできない、最大の無形財産である
 
 「企業風土」という「価値が膨らんでいく過程」

でもあります。“伝承”の価値を重視するならば、そのプロセスは、最小限、文字や
図に記録しておくべきだと私は考えます。

そして、このことが、、「客観的にみる」ためには、いかなる姿勢が必要か、に関する
二つ目の項目、  

 その2 「虫の目」「鳥の目」「宇宙の目」

につながっていきます。

ということで、ここ数回のポイントを、理念としてまとめておきましょう。

 理念37: 「客観的にみる」その1
        事実と判断を可能な限り峻別し、その連鎖の背景にある価値観を探る!

■ 3. 財務ホット情報

<エコカー減税と圧縮記帳>

麻生政権の目玉政策であったエコカー減税ですが、この制度を利用して自動車を購入
された方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

さて、このエコカー減税による国庫補助金は、法人がエコカーを購入する際にも適用
されます。

この国庫補助金は収益として計上され、課税の対象となります。
ところが、課税されますと補助金の効果が薄れてしまいますので、圧縮記帳すること
により課税の繰延をすることが認められています。

圧縮記帳とは、取得した固定資産に費やした費用を限度とした国庫補助金相当額を
圧縮損とすることで、補助金の収益による税の負担を相殺します。
しかし、これはあくまでも税の減免措置ではなく、課税の繰延にすぎません。

取得した固定資産の取得費が圧縮されたことにより、減価償却費が減少します。
このことにより、繰延べられた課税が取り戻されていきます。同様に、譲渡した場合も、
取得費が減額されているために、譲渡益が大きくなり、そこで繰延べられた課税が取り
戻されます。

圧縮記帳の方法としては、損金経理で直接固定資産の取得価額を補助金相当額分
直接減額する方法と、法人税の申告書の別表四で補助金相当額を所得金額から
減額する積立金方式と剰余金処分方式があります。

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 今月の事務
  • 4. おしらせ

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