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いーかわらばん vol.402

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2010/01/27
  • vol.402

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

事業承継の「見える化」表

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その69)・・・ 「自己客観視」

■ 3. 事業承継の真視点

持株会社について(その18)・・・ 現物出資方式と持株会社設立の総まとめ

■ 1. 時の話題

<事業承継の「見える化」表>


先日、1月21日に、弊社主催の第1回「オーナー支援ネットワーク」の会合を
新大阪ワシントンホテルにて開催させていただきました。

「オーナー支援ネットワーク」そのものについては、弊社のホームページを見て
いただきたいと思いますので、ご説明は割愛いたしますが、少し意外だったのは、
その会合の際に、お配りした、事業承継の「見える化」表について、あらためて、
評価をしていただいたことです。

これは、横軸に過去10年、この先10年をとり、縦軸に、被承継者や承継者の年齢、
会社の各種数値、株主構成やその持株数、経営幹部構成やその年齢、役職、
定年の時期、後継者の教育機会、同族会社ならば家族の年齢や財産の推移、
等々を大きな一枚に、一目でわかるように記入するための用紙です。

弊社のお客様に対するご指導では、従来から使っていたものですが、あらためて
この表の記入をしていただいたお客様からは、
 ・ 10年経つと自分も、息子も、幹部も10歳年をとることは分かっていたけれど、
   その時の状態を「見える」形にすると、ぞっとする
 ・ たったこれだけの株式を贈与や譲渡で移転していったとしても、10年経つと
   結果として、このような株主構成になるのだということを、改めて感じた
 ・ 個人と会社の全体像を、過去未来合計20年にわたって眺めることはなかった
   ので、新しい発見がいっぱいあった
といったような感想をいただきました。

「見える化」という言葉が、世の中に当たり前のように使われるようになってから、
すでに7、8年が経過しようとしています。

事業承継といった、ある意味で“マル秘”の項目が多々含まれている分野に関し
ては、確かに、「見える化」は遅れていたかもしれません。

しかし、人間が、多くの項目の推移(フロー)とその結果(ストック)を、一度に把握
することには限界がある、ということはさまざまなかたちで実証されています。

だからこそ、時間(過去と未来)と、空間(多くの関連項目)を「見える化」し、新しい
対策を考えるツールとすることが、有効になるのでしょう。事業承継に限らず、
さまざまな分野で、時間的、空間的な「見える化」に挑戦してみていただきたいと
思います。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その69)・・・ 「自己客観視」>

年末、年始の関係で、本来の流れから少し話が飛んでしまいました。今回で元に
戻すことにしましょう。

「成長学:実践養成塾」の四つの原則、

 第1原則 個人ごとへの落とし込みと複数議論
 第2原則 役割(存在価値):ゴールとその期限、計画
 第3原則 タイムリーかつ継続的な振り返り
 第4原則 トップ関与

のうち、第4原則のトップ関与と、第1原則のうち、「個人ごとへの落とし込み」という
ところまで、お話しが終了しています。特に、「個人ごとへの落とし込み」の部分は、
「具体の抽象化 抽象の具体化」に言及したために、たいへん説明が長きにわたった
わけです。

特に直近の「絞り込んでこそ、究極の抽象化」は、すごく大事なポイントですので、若干
幅を広げたうえで、理念として、整理しておきましょう。

  理念36: 絞り込んで、優先順位をつけるところから、実践が始まる!

これは、私にとっては、実は、理念33と対になっています。理念33は、何だったで
しょうか。

  理念33: ビジネスにおいては、「わかる」=「自分自身が実践できること」である!

すなわち、ビジネスにおいて、わかるとは、頭で理解したことを言うのではなく、自ら
実践することであり、その実践は、まず、テーマを絞り込んで、優先順位をつけてこそ、
スタートすることができる、というものです。
さて、それでは、続きとして、第1原則の「複数議論」について、考えていきましょう。

なぜ、個人ごとに落とし込んだテーマについて、「複数議論」が必要か、これはいう
までもなく、自分を「客観的にみる」ための場をつくるためです。一言でいえば、
「自己客観視」です。

自分で考えている自分と、他人が考えている自分との間には、往々にして大きな差が
あります。

コミュニケーション心理学の分野では、基礎ともいわれる「ジョハリの窓」の理屈を
持ち出すまでもなく、このことは、日常生活のさまざまな場面で、誰もが経験し、喜怒
哀楽の情を生みだす大きな要因です。
(「ジョハリの窓」について簡単に知りたい方は、インターネットで検索してください。
多くの解説があります。)

その差を可能な限り把握し、それを縮めておかなければ、スタートからして間違った
方向へ行ってしまう可能性があります。ここに、多くの見識ある仲間と議論することの
意味、すなわち「複数議論」の重要性があるわけです。

ただし、複数議論をする際に、単に議論をすればそれでいいわけではありません。
それを本当に効果的にしようと思えば、「客観的にみる」とはいかなることなのか、
整理しておき、その議論に参加する人たちが、共通の認識を持っておくことがより
大きな効果を生み出すことになるでしょう。

もちろん、「客観的にみる」とはいかなることなのか、絶対的な定義があるわけでは
ありません。しかし、こういったことを一つ一つ決めながら、実践していくことが、深く
考える場、各人が成長する場、を作り上げ、結果として、会社の風土を形成していく
ことになるのです。

次回以降、この「客観的にみる」ことの中身について、考えていくことにしましょう。

■ 3. 事業承継の真視点

<持株会社について(その18)・・・ 現物出資方式と持株会社設立の総まとめ>

前回は、会社分割以外のぬけがら方式、① 事業譲渡 ② 現物出資 のうち、
事業譲渡についてお話をいたしました。

今回は、②の現物出資方式について、ご説明しましょう。

現物出資は、金銭以外の現物(たとえば土地)で、出資をすることを言います。

前回の事業譲渡方式と同じく、この現物出資においても、さらに三つの方法が
あります。

① ある事業部門の財産を現物出資することによって新会社を設立する方法
② 金銭出資によって、まず子会社を設立してから、ある事業部門の財産を
   その子会社に現物出資する方法
③ 既にある子会社を利用して、ある事業部門の財産を現物出資して、再度
   その事業内容を整理する方法

さて、18回にわたって、持株会社について考えてきました。この間、「その7」から
今回の「その18」までは、持株会社の設立について述べてきました。その設立に
ついて、項目のみまとめておきましょう。

Ⅰ.株式移動方式
    ① 単純な株式譲渡
    ② 株式交換
    ③ 株式移転
       ・通常の株式移転
       ・共同株式移転

Ⅱ.ぬけがら方式
    ① 会社分割
       ・吸収分割
       ・新設分割
         通常の新設分割
         共同新設分割
    ② 会社分割以外
       ・事業譲渡
       ・現物出資
   
次回以降は、持株会社のその他の重要項目について、順次、ご説明をしていく
予定です。

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 財務ホット情報
  • 4. おしらせ

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