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いーかわらばん vol.401

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2010/01/14
  • vol.401

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

大阪の百貨店競争に疑問?

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その68)・・・  「理念」1~35、中間整理

■ 3. 今月の本棚

『エッセー 正・徳・善』 塩野谷祐一著 ミネルヴァ書房

■ 1. 時の話題

<大阪の百貨店競争に疑問?>


大阪の百貨店増床、建替え計画には、目を見張るものがあります。 というか・・・、
異常さを感じます。

現段階でわかっているだけで、エイチ・ツー・オーリテイリングが、阪急百貨店梅田
本店、さらに統合が決まっている高島屋大阪店を、Jフロントリテイリングが大丸
梅田店を、三越伊勢丹ホールディングスが、JR西日本と共同で大阪駅に新店を、
そして、近鉄百貨店が、阿倍野本店を、それぞれ建替え、増床の計画です。

結果として、この先、数年のうちに、大阪の百貨店の売り場面積は、現在より7割も
増える計算になり、日本で最大の激戦区と言われた、東京新宿の2倍の規模に膨れ
上がります。

これらの建替え、増床により、それぞれの百貨店が、他とは異なる“ならでは”の価値
を生みだして、眠っている消費意欲を表に出してもらえるなら、大いに意味のあること
です。

しかし、百貨店の中に入って、ぐるぐる回っているうちに、今、自分がどこの百貨店に
いるか、わからなくなってくる、というのが、顧客の率直な感想です。それだけ、個性が
ないのが百貨店の実情です。

これがユニクロだったら、あるいは、ヴィトンのお店だったら、自分がどこにいるか、
わからなくなるような人は、決していないでしょう。

ヘーゲルが唱えた弁証法には、次のような命題があります。
 
 「量」から「質」への転化命題

すなわち、発展は量から質への転化により起こる、言い換えれば、「量」が沸騰すれば、
「質」の変化を生じる・・・。

もし、再編は終わったはずの百貨店業界が、まだ、「量」の原理で動いているとすれば、
さらにもう一段の再編が、待っているのではないでしょうか。大きく「質」が変化した、と
いう姿を見たいものです。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その68)・・・  「理念」1~35、中間整理>

前回(昨年度最後のいーかわらばん)では、「次回以降、四つの原則について、さらに
進んでいくことにしましょう。」と締めくくりましたが、新年最初の『山崎発 経営を考える』
でもあり、ちょっとだけ、横道にそれて、整理しておきたいと思います。

このきっかけは、『ユニ・チャーム SAPS経営の原点』(二神軍平著 ダイヤモンド社)
という本を正月に読んだことでした。SAPS経営は、社長の高原豪久氏が開発し、
2003年から導入した、価値ある経営のしくみです。

この本は、2月の『今月の本棚』でご紹介するつもりですが、その「はじめに」で、
次のような記述があります。

 ・・・そして自らの考え方やその時々の気づきを社員全員で共有するために
 「ユニ・チャーム語録」をつくりあげ、全227項目から成るそれを、自社の経営
 の原理原則としました。ユニ・チャームグループが成長を続けられる最大の
 要因は、高原慶一朗会長のもとでこの原理原則に依拠し、正しい思考・正しい
 行動に基づく正しい経営を社員全員が実践してきたことにあります。・・・

私は、会長の高原慶一朗氏、現社長の高原豪久氏ともに、ある海外視察でそれぞれ
2回ほどご一緒させていただきましたので、大変親しみを持って読んだのですが、
まさに「語録」が会社全体の背骨になっている事実がよくわかります。1月の私どもの
お客様の勉強会、「山嶺會」でも、この点については少し触れたいと思っています。

ということで、このシリーズも1年を超えて68回を数え、「理念」と称して表してきた私の
「語録?」も35に至りましたので、ここで、理念1から35までを並べておきたいと思い
ます。

部分的には、今までも何回か、羅列整理をしてきたのですが、決して手抜きではなく(笑)、
今後のお話のスタートにしたいと思います。

理念1: ダメ・ムリだと思った時がスタート!
理念2: 周りが「できない」と言ったらチャンス!
理念3: やりたいことをやりきる!
理念4: 善悪>好き嫌い>損得
理念5: 原因と結果は、いずれ、必ず一致する!
理念6: 自分が悪い○、他人が悪い×、運が悪い×
理念7: 変化の予兆=24時間で種が膨らみ、1ヶ月で少し芽が出る!
理念8: 意識を具体化し、無意識にできるまで継続してこそ成長の花が咲く!
理念9: 自分の成長ノウハウが他人に通用して、はじめて真の実を結ぶ!
理念10: ひと月に月給の10%、1日1時間を「一流の体感」に投資せよ!
      (一流に接して、その真髄を体感することが成長の第一歩!)
理念11: 成長には背伸びが必要!ただし、足を地面から離すな!
理念12: 特命ルートに果敢に挑戦し、ゴールまで完走せよ!
理念13: 経営者は、他を通して、やりたいことをやりきる!
理念14: 経営者は、普段から、やりきるための人材類型を想定しておく!
理念15: “執念”をもって、自分より能力のある人材を集め、活用する!
理念16: 人の能力を、100点からのマイナスではなく、0点からのプラスでとらえる!
理念17: 自分にない能力で自分と他人を比較することが、人材の活用に結びつく!
理念18: 「任せる」とは、より大きなリスクを負うこと
理念19: 「報告」こそ、「任された」リスクを軽減するための基本行動である!
理念20: 報告は、初期報告、経過報告、結果報告の三つから成り立つ!
理念21: 経過報告は、初期報告に狂いが生ずると感じた瞬間に行う!
理念22: 報告は、ツーランク上の視点(報告を受ける人のさらに上司の視点)で行う!
理念23: 得意部分を任せるのは初級、不得意部分をきちんと任せるのが上級!
理念24: ゴール(目的と成果)を理解できる人に、明確に理解させて、任せる!
理念25: 任せる側は、ゴールに到達するための諸検討項目の見極めが必要!
理念26: 任せた側は、ゴール到達の確信を得るまで、進行状況を聞きまくる!
理念27: 経営者は、任せることにより、全体を創造する(組み立てる)プロである!
理念28: 経営者の能力は、部下がどれだけの仕事を成し得たかで評価される!
理念29: 究極の育成は、「人を育てる人」を育てることである!
理念30: 経営者(上司)は、三段階下の部下を自分の“鏡”と考える!
理念31: 「人を育てる」とは・・・
      本人がその気になって、持てる能力を最大限に発揮できる環境をつくること
理念32: 「成長心」に関する具体的で熱い「想い」が、すべてのスタートである!
理念33: ビジネスにおいては、「わかる」=「自分自身が実践できること」である!
理念34: 「文句言い」は、自ら解決に導いてこそ、価値ある「文句言い」である!
理念35:  自ら発する「会社・・・」ということばの中に、自分の占有率がどれだけ
       あるかが勝負!

それでは、本年も、『山崎発、経営を考える』を、よろしくお願い申し上げます。

■ 3. 今月の本棚

<『エッセー 正・徳・善』 塩野谷祐一著 ミネルヴァ書房>

著者は、日本の経済学の第一人者と言われている一人で、一橋大学名誉教授です。

「エッセー」というタイトルはついていますが、とにかく大変難しい本です。というのも、
この本の趣旨をきちんと理解するには、ある程度の理論経済学の基礎知識が必要
だと思われるからですが、しかし、現在および今後の日本経済のあり方を考える上
では、非常に参考になる点を多く含んでいます。

この本のタイトルのうち、まず「善」ですが、これはいわゆる「真・善・美」で表わされる
「善」ではありません。個々人が、自分の欲求を前面に出して、自分にとって合理的と
思われる「最善」の方法を取ろうとする、ある意味で経済学特有の「善」の意味です。

また、そのような個々人の「善」のあり方は、大勢の人間で構成される社会においては、
対立を免れないわけで、いかにしてその対立を公正さを持って解決できるかが問われ
ることになります。その解決するために求められる制度的ルールとしての「公正」さが、
ここでの「正」の意味です。

そして、これらの「善」と「正」が機能していくためには、個々人と、集団としての社会の
双方にきちんと適応するだけの、能力、品格が要求されます。それが「徳」です。

これらの考え方を基礎とした場合、たとえば、少子高齢化の本質はどこにあるのか、
フリーターをどのようにとらえることができるのか、格差はどこまで認められるのか、
社会保障はどうあるべきか、そもそも金融危機などをもたらした資本主義は、今後
どのような道を辿るのか、等々、今の日本を考えることはもちろん、自分自身の会社
を深く考えるためにも、有用な1冊です。

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 事業承継の真視点
  • 4. おしらせ

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