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いーかわらばん vol.398

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2009/12/21
  • vol.398

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

「IFRS」ってどういうもの?

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その66)・・・「うちの会社」に
                           占める「自分自身」の割合?

■ 3. 事業承継の真視点

持株会社について(その17)・・・ 事業譲渡方式

■ 1. 時の話題

<「IFRS」ってどういうもの?>

最近、新聞紙上を賑わせている「IFRS」を含めて、会計基準の今後について、
ご質問をいただいたり、議論をすることが多くなりましたので、今回、そのさわり
だけ簡単に整理してみましょう。

まず、会計基準を考える上では、2種類の分類を頭に入れておかなければなりません。

一つは、会社分類で、次の4種類です。

① 上場会社
② ①以外の金融商品取引法開示会社
③ 会社法に定められた有価証券報告書提出会社
  (①②以外で、資本金5億円以上または負債総額200億円以上の株式会社)
④ ①②③以外の株式会社
  (中堅、中小のかなりの企業が、ここに入ります)

①が約3,900社、②が約1,000社、③が約10,000社、④が約250万社とうのが現在の
状況です。

もう一つは、財務諸表の分類で、大きく分けて、連結、個別の2種類がある、という
点です。

さて、まず連結財務諸表については、現在①②の会社が、日本の会計基準による
作成義務が課せられていますが、③④については、作成義務はありません。

また、個別財務諸表については、①②③が日本の会計基準、④が主として中小
企業等会計指針に従うことになっています。

今回のIFRSは、まず、①すなわち上場会社について、連結財務諸表にのみ適用
される国際会計基準です。

ところで、主要な国際会計基準としては、EUで採用されている「国際財務報告基準」
(これが「IFRS」)と、米国基準があり、細かくはこの二つにもそこそこの差異があり
ます。

したがって、米国でも、この差異を埋めて、米国企業にIFRSを適用するかどうかを
2011年までに決議することにしています。もちろん、香港などEU以外の国でも
「IFRS」を導入する国が増えています。

上場会社の連結財務諸表についてだけの適用ですが、
 ・損益計算書の利益表示区分の変更
   (売上総利益、営業利益、経常利益・・・といった区分が変わる)
 ・収益認識基準として出荷基準が認められなくなる
 ・のれんの償却がなくなる
などの可能性があります。

早ければ、2015年からの強制適用が示唆されましたので、②③④の会社においても、
少なからぬ影響は出てくるでしょう。細かいことはここではご説明できませんが、これ
から注意をして動向を見守っていく必要があるでしょう。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その66)・・・「うちの会社」に
                           占める「自分自身」の割合?>

前回は、「具体の抽象化、抽象の具体化」の注意点の一つ目から、次の二つの
理念を提示しました。

理念34: 「文句言い」は、自ら解決に導いてこそ、価値ある「文句言い」である!
理念35: 自ら発する「会社・・・」ということばの中に、自分の占有率がどれだけ
       あるかが勝負!

理念34については、前回詳しく説明をしました。

繰り返しになりますが、問題点を感じない人は論外としても、問題点を感じていても
それをきちんと言わなかったり、あるいは裏でコソコソ言ったりする。または、表に出
して言うだけ。

言わないより、表に出して言う方がはるかにましですが、しかし、それで終わってしまう
のは非常に残念なことで、その感じた問題点を自分自身や周りの人の力を活用しな
がら解決してこそ、ひとつ上のレベルに到達できるという、当たり前のことを申し上げた
わけです。

表現を変えて、本のタイトルになるような言葉を使うならば、
 「自立的な問題発見力と問題解決力」
が必要なわけです。

さて、まだご説明をしていないのが、上記の理念35です。

これは、20年近くにわたって、経営者、後継者、経営幹部の研修や、新規開発の
ご指導をさせていただいた中で、私自身が会得してきた、人間判断基準の一つです。

いまここに、オーナー経営者(社長)の田中氏がいたとします。

田中氏が、ある時、
 「業界動向を考えると、うちの会社も本格的なグローバル化に対応して、海外に
  通用する人材を早急に育成しないといかんな・・・」
とつぶやいたとします。

このさりげないつぶやきの中で、この田中氏にとっては、「うちの会社」は、
「自分自身」とほぼイコールです。

すなわち、「うちの会社」がしなければならないことは、そのまま、自分自身がそれを
実行しなければならないのです。

自分自身が動くにせよ、部下に指示、命令をして動かすにせよ、あるいは、それを
してくれる人を外部から呼んできてやってもらうにせよ、とにかく、自分が実行の中心
にいます。

まさに、「うちの会社」=「自分自身」です。

だからこそ、経営者、社長といえるのであって、この状態を、私は、
 「会社」ということばの中にある自分の占有率が、ほぼ100%の状態
だと考えています。

弊社が行っているビジネスカレッジで、昔、ある会社のA部長さんから、
  「うちの会社は、口は出すが、金は出さない。今回も、こんな状態になっている
   のに、人を採用しようとしない。どうしようもない!」
という発言がありました。
 
この発言を聞いた瞬間、そこにいたそれなりの参加者は全員、
 少なくとも現段階の意識では、経営幹部(取締役)になる人ではない、
と感じたことでしょう。気が付いていないのは本人だけなのです。

理由は・・・、
おわかりいただけるとおり、「会社」ということばの中にある自分の占有率が
ほとんどゼロだからです。「うちの会社」の中に自分が含まれているどころか、
「会社」と「自分」は、対峙している関係にあります。

そもそもこんな発言をする人を部長にしているその会社の経営陣のほうが、とんでも
なく問題なのでしょう。

いずれにせよ、この意識で、会社の運営ができるわけがありません。占有率ゼロ、
なんせ、自分は、意識の中では、会社の外にいるのですから・・・。

案の定、周りからの、
  「で、あなたは、それに対して、どう動いているのですか?」
という質問に対して、
  「どうしようもないものは、どうしようもない!」
というあきれた答えが返ってきたわけです。その後のA部長の歩んだ会社人生は、
推して知るべしです。

さりげない通常の会話の中で、その人の意識が垣間見える部分は数多くありますが、
そのなかでも、この理念35は、私自身、その人のその後に照らし合わせて、判断ミス
が、全くないもののひとつです。

したがって、成長学の講座の中で、テーマを考える際に、「会社」ということばの中に
占める自分の占有率を振り返る視点を、いろいろな形で、ぜひとも取り入れておく
必要があるのです。

さて、次回は、「具体の抽象化、抽象の具体化」の二つ目の注意点について、
成長学にとりいれる中身について、考えることにしましょう。

■ 3. 事業承継の真視点

<持株会社について(その17)・・・ 事業譲渡方式>

前回は、会社分割についての手続き上の留意点についてお話をしました。

ところで、前回示しましたように、ぬけがら方式である会社分割は、

 ◇ 吸収分割
 ◇ 新設分割
    ・通常の新設分割
    ・共同新設分割

が主な内容でした。

今回は、ぬけがら方式のなかで、会社分割以外のものについて簡単にご説明を
しましょう。

会社分割以外のぬけがら方式としては、大きく見ると、

 ① 事業譲渡
 ② 現物出資

の二つが考えられます。

①の事業譲渡は、実務的にも大変よく使われる方法です。旧商法では「営業譲渡」
と言われていましたが、新会社法で言葉の統一から「事業譲渡」と改められました。

この事業譲渡にも、次の三つの方法があります。

 ・ 既にある子会社への事業譲渡
 ・ 通常の金銭出資で子会社を設立したのち、事業譲渡をする方式(事後設立)
 ・ 財産引受契約をつけて子会社を設立して、事業譲渡をする方式(財産引受)

いずれにせよ、事業を譲り受ける子会社の側に、事業の対価に相当する資金を
用意しなければならない点が、ネックといえます。それをカバーするために、
親会社が増資をして、その資金を捻出したうえで事業譲渡をするといった方法も
実務的には、よくとられます。

次回は、現物出資についての簡単なご説明をもって、持株会社の設立方法に
ついてはいったん終了し、持株会社に関するその他のテーマに入ることにしましょう。

■ 4. おしらせ

12月29日(火)から1月4日(月)まで、年末年始休暇とさせて頂きます。
従いまして、新年第1号のいーかわらばんにつきましては、1月7日(木)の
配信とさせて頂きます。
尚、年内は12月28日(月)の配信が、本年最後のいーかわらばんです。

いーかわらばんのバックナンバーをホームページに掲載しております。
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 http://www.nksy.co.jp   

次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 財務ホット情報
  • 4. おしらせ

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