いーかわらばん vol.395
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2009/11/30
- vol.395
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
「クラウド・コンピューティング」あれこれ
■ 2. 山崎発、経営を考える
効用的修羅場の買いつけ(その63)・・・ 「具体の抽象化、抽象の具体化」
■ 3. 財務ホット情報
好調なのび太陽光発電
■ 1. 時の話題
<「クラウド・コンピューティング」あれこれ>
「クラウド・コンピューティング」ということばがポピュラーになってから、3年余りが
経過しました。
巷では、2006年8月9日、グーグルのCEO、エリック・シュミット氏が、アメリカ、
カリフォルニア州サンノゼで開催された「検索エンジン戦略会議」において、この
ことばを使ったのが最初といわれています。
中身について簡単にご説明をしておきましょう。
従来は、ユーザーが自分自身で所有していた、ハードウェア、ソフトウェア、各種
データを可能な限り所有せず、最小限のクライアント端末とインターネット等の
接続環境のみを持って、サービスの提供を受け、利用代金を支払うしくみです。
クラウド・コンピューティングは大きく三つに分類されます。
一つは、「SaaS」と呼ばれるもので、ソフトウェアの提供サービス。
二つ目は、「PaaS」と呼ばれるもので」、アプリケーション実行用のプラットフォーム
の提供サービス。
三つ目は、「HaaS」または「IaaS」と呼ばれるもので、仮想サーバや共有ディスク
などの、ハードウェアあるいはインフラを提供するサービス。
しかし、企業のさまざまな業務に対応するサービスが十分に用意され、活用する
には、まだまだ時間がかかるといわれています。
そのために、ある特定の業界や企業にのみ活用可能なクラウドを提供しようという
試みが充実するまでの“過渡期”の手段として、ポピュラーになりつつあります。
これが、「プライベートクラウド」と呼ばれるものです。従来より一歩進んだアウト
ソーシングということもできます。
形態端末やネットブックの目覚ましい普及を背景に、従来のコンピュータ活用の
あり方も大きな変化の時を迎えているようです。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<効用的修羅場の買いつけ(その63)・・・ 「具体の抽象化、抽象の具体化」>
前回は、
理念33: ビジネスにおいては、「わかる」=「自分自身が実践できること」である!
という理念についてお話をしました。
さらに、「成長学」の教科書に示した内容や、その背景にある経営者の「想い」を、
社員に「わからせる」ためには、
「自分自身のこととしてとらえ、自分自身で実践できる」機会を多く持つ
ことしか方法がない、と申し上げました。
これが、「成長学:実践養成塾」の下記四原則において真っ先に、
第1原則 個人ごとへの落とし込みと複数議論
をもってきた理由です。
それでは、他人の経験、他社の成功体験等を、自分自身のものとしてとらえ、実践
できるようになるためには、どういったプロセス(ノウハウ)が必要なのでしょうか。
これが、私が平成9年くらいから真剣に言い出した「具体の抽象化、抽象の具体化」
のプロセスです。
私の講演や研修を受けていただいた方には、もう耳にたこができるくらいお聞きに
なっていると思いますが、ここであらためて、簡単にご説明をしておきましょう。
例としては、いつも宅急便の創業者、小倉昌男氏を使わせていただいています。
小倉氏は、吉野家の牛丼を見て、なぜこれがこんなにヒットし、儲かるのだろう、
と考えた・・・。
「うまい、はやい、やすい」は確かにわかるけれども、それだけだろうか。もっと別の
本質が、どこかにあるのではないだろうか。
ずっとずっと考え続けて得た結論は、メニューの絞り込み、すなわち、キーワードは
「単品」でした。
そうか、牛丼しかないから、食材の種類も限られ、破棄することもなく、アルバイト
でも、すぐにつくることができ、あらゆる無駄を省くことができるのだ・・・
それに比べて、当社はどうだろうか。依頼者に言われるままに、あれもこれもと
荷受けしているうちに、あっちへ行きこっちへ行きして、大きな無駄が生じている
のではないか。「絞り込み」「単品」をキーワードにして、何か新しい仕組みを作り
上げることはできないか。
そこで目をつけたのが、当時、国鉄と郵便局しか取り扱っていなかった一般消費者
を顧客とした小口貨物だったのです。
その後の経緯や苦労話はさまざまなところで取り上げられていますので、説明は
省きます。また、上記の話も、ある程度私の想像が入りこんではいますから、100%
そのとおりとは言い切れませんが、しかし、ここで大事なことは、この小倉氏の思考
プロセスです。
すなわち、吉野家という例(ネタ、具)から、「単品」という自分なりの本質を抽出し、
そして、宅急便という自社のネタ、具に置き換える、この思考プロセスが大事なの
です。
この、「具」から本質を「抽出」し、そこからまた「具」を導き出すプロセスを、私は、
「具体の抽象化、抽象の具体化」
と表現してきました。
しかし、実は、いまさらこんなぎょうぎょうしいことを申し上げなくとも、何か新しいもの
を生み出すときには、多かれ少なかれ、こういったプロセスを経ているものなのです。
しかし、このプロセスをきちんと意識して、しくみの中に取り入れているかどうかは、
中長期的に見れば、大きな差となって現れてきます。
たとえば、MBAなどで行われている、いわゆる「ケーススタディ」なども、このプロセスを
きちんと辿っているかどうか、さらに、、「わかる」=「自分自身が実践できること」を取り
入れているかどうかで効果に大きな差があります。
次回は、この「具体の抽象化、抽象の具体化」をどのように「成長学」に取り入れるか
について、整理することにしましょう。
■ 3. 財務ホット情報
<好調なのび太陽光発電>
近年のエコに対する認識の高まりに加えて、鳩山首相が国連で温室効果ガスの
削減目標を2020年に1990年比で25%削減と発表したこともあり、太陽光発電に
大きな期待がよせられています。
先日、太陽光発電協会などが発表した今年7~9月期の太陽電池パネルの国内
24社の総販売量は、四半期としては過去最高を記録したそうです。
これは、11月から始まった太陽光発電の新たな買取制度と平成21年度税制改正
による優遇制度や国・地方自治体の補助金制度が後押しとなったと思われます。
太陽光発電の新たな買取制度は、太陽光発電によって発電した電力のうち、自家
消費せず余った電力を電力会社に買い取ってもらうのですが、その価格が住宅用
で1kWhあたり48円で今までの約2倍になりました。
この太陽光発電から得られる収入の税法上の区分ですが、一般の給与所得者の
場合は雑所得になります。
年間の売電収入が20万円を超えると確定申告が必要になります。
しかしながら、年間20万円を超えるとなると、自家消費分もありますので、該当する
方は少ないだろうとは予想されています。
平成21年度の税制改正により住宅ローン控除制度が拡充されましたが、太陽光発
電設備については、間接的に適用対象となっており、太陽光発電装置に伴う工事
のみでは、住宅借入金等特別控除などの対象とはなりません。
この先、太陽光発電が一般に普及し、低炭素社会の構築を目指すには、費用対
効果が見合い、早期に初期費用の回収が見込めるようになることが何よりも必要と
なってくるでしょう。
■ 4. おしらせ
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次回のテーマは以下の通りです。
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