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いーかわらばん vol.391

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2009/10/23
  • vol.391

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

企業としてのインフルエンザ対策!

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その59)・・・  「読んでおけ!」レベル?

■ 3. 財務ホット情報

DESと企業再生

■ 1. 時の話題

<企業としてのインフルエンザ対策!>

先週から、ワクチン投与もスタートしましたが、インフルエンザは猛威をふるい、
感染者数は増える一方です。

皆さまの会社では、どのような状況でしょうか。また、企業内部における対策は
十分といえるでしょうか。

この対策が不十分である場合、損害賠償問題に発展する可能性が絶対にない
とは言い切れないと、巷ではいわれています。

たとえば、新型インフルエンザに明らかに感染している状態にもかかわらず、
顧客を訪問し、その顧客の社員の多くが感染した結果、その顧客の営業が維持
できなくなった、というようなケースです。

もちろん、感染ルートをトレースして、法的に証明できるか、というと、ウィルスの
動きが目に見えるわけではないので、非常に難しいことも事実です。顧客の社員が
電車で通勤中に感染したかもしれないわけです。

だからこそ、企業としてきっちりとしたルールのもとで、そのルールに基づき、
可能な限りの努力をしていること、そして、その結果として、当社の人間がその
感染源である確率は極めて低い、といえるような状態を作り上げておかなければ
ならないのです。

また、自社に多くの感染者が発生した場合、学級閉鎖と同様に、どの時点で、
事業を一時的にストップするかを、前もって決定しておく必要もあるでしょう。

したがって、まず、第一に、社内のマニュアルをきちんと整備して、ルールを明確に
しておくことが要求されます。

そして、そこには、予防の方法、企業における設備(手洗い液、マスク等)の充実を
はじめとして、従業員本人が感染した場合、従業員の家族が感染した場合等に分
けて、その申請、行動規制、給与面などについて、明記しておく必要があります。

ちなみに、9月にある財団法人が行ったアンケートによれば、同居家族に感染が
確認された場合に、自宅待機とする企業が、約3分の1あったということです。

そして、第二に、そのマニュアルどおりに、実行されているかが日常的にチェック
されていなければなりません。

最初にマニュアルの説明会を開くとともに、朝礼その他を活用して、各部門で、
意識を高め、周知徹底、相互チェックをするしか方法はないでしょう。

もうすぐピークを迎えるというものの、このピークがいつまで続くかわかりません。
リスクマネジメントの一環ととらえて、社員一人一人が、適切な対応ができるよう、
準備をしてください。

なお、中小企業庁からは、
 
 新型インフルエンザA(H1N1)対策のための事業継続計画
  http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/influenza/download/A_H1N1_BCP.pdf

という資料がサイト上で公開されています。ぜひ、参照してください。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その59)・・・  「読んでおけ!」レベル?>

前回は、「成長学講座」の教科書を作成する、第三のステップについてお話しをし、
それが永久に、続くものであり、「教科書」を作る人の強烈な“想い”を前提に、
他人体験の内在化が欠かせない、と述べました。

ここで、「教科書」という基本のツールが完成し、「成長心を修得する機会を得る」
ための、準備ができたことにしておきましょう。

そこで、このツールを、いかに運用していくかについて、考えていくことにしましょう。

私は仕事柄、
 「今度営業関係のこんなマニュアルを作成したので、一度見ていただいて問題が
 あれば指摘してください」
という依頼を、よくいただきます。

また、「○○のマニュアル作成のご指導をしていただけないでしょうか」という
ご依頼もよくいただきます。

もちろん、これらは大事ですし、これを作成する過程そのものが、その参加メンバー
にとっては大いなる成長機会になりますので、大いに結構なのですが、よく言われて
いるように、マニュアルで人は動きません。

これは、マニュアル的なものだけでなく、たとえば、経営計画などについても、同様の
ことが言えます。

当社では、これらのマニュアルや計画を作成することはもちろんですが、ほんとうの
勝負はそののちの運用(実行、検証)にあるということで、そちらにより重点を置いた
ご指導をさせていただいています。

そして、実は、その運用について、4つのレベルを想定しています。(あまり、お客様に
申し上げる機会がありませんが・・・)

レベル1: 「読んでおけ!」型
レベル2: 「講義1回ポッキリ」型
レベル3: 「メンテナンスチーム」型
レベル4: 「実践養成塾」型

各レベルの中身については、ある程度、想定していただけるのではないでしょうか。

ほとんどの会社の、ほとんどのマニュアル等が、残念ながらレベル1、またはレベル2
にとどまっています。作成に要した時間とエネルギーが、ほんとうにもったいない状況
に、なっているといえるでしょう。

「そういえば、こんなマニュアルあったよな」
「これ、新入社員教育以来、見たことないわ」
といった会話は、レベル1、レベル2の典型です。

それではだめだということで、
 「マニュアルの改正、運用を含めて、プロジェクトを新たに立ち上げて・・・」
とレベル3に到達して、ここから、また、一定期間、時間とエネルギーを投入することに
なるのですが、改正したのち、なぜか、時間とともに、レベル1、2に転落していく会社
が多い・・・。

なぜでしょうか?

この20年間、多くの会社のご指導を通じて、つくづく感じた結論を申し上げます。

それは、

 座学的(理論的)なものと、実践的なものとが、有機的に結び付いてこそ、
 「成長」という効果が得られる

という、従来から言われている、しごく当たり前のことなのです。しかし、そのことを
真剣に取り入れたしくみを作るという意識が少ないのが現実です。

テニスでもゴルフでも、実際にラケットやクラブを振ることはもちろん、草トーナメントに
出てみたり、グリーンに出ることの重要性はいうまでもありません。これは「実践的」な
部分です。

一方で、それなりのスピードで成長する人は、やはり、雑誌に目を通したり、自分の
姿をビデオにとって眺めたり、注意点を手帳に書いて眺めたり・・・と、「座学的(理論
的」な側面を必ず取り入れているはずです。

そして、その両者が「有機的に結び付く」とは、研修のための研修になっているとか、
著名な講師の話を聞いてそれで終わり、というのではなく、実践が座学(理論)に反映
し、また座学(理論)が実践に反映する仕組みができあがっている状態をいいます。

現在の当社のご指導のかなりの部分が、上記の理論と実践の往復、もっとわたくし
流のいつもの言い回し(「具体の抽象化、抽象の具体化」のように)でいえば、
  理論の実践化、実践の理論化
になっているのは、このような信念に基づくものです。

そのためには、前にも申し上げましたが、外部の講師による研修は、ほんのきっかけ
に過ぎないわけで、気が付いてみれば、自社で両方が賄えているしくみを作らなけれ
ば、なりません。そこがゴールです。

となると、「レベル4:実践養成塾型」が非常に重要な意味を持ってきます。
次回以降は、この運営方法と、そこに到達するために何が必要かという点について、
整理していきましょう。

■ 3. 財務ホット情報

<DESと企業再生>

DESとは、Debt Equity Swapの略で、財務状態が悪化し、債務超過に陥っている
企業に対して実施される企業再生の手法の1つです。

具体的な実施方法としては、現物出資型と現金振替型の2つが主な方法です。

①現物出資型は、債権者が保有している債権を、株式に振替えます
②現金振替型は、債権者が新たな現金で出資をし、その現金で債務を返済します

一般的にDESといえば、①の現物出資型をさします。

DESのメリットは、債権者にとっては、株式を保有することで、業績が回復すれば、
株式価値の上昇でその成果を得ることができ、一方債務者にとっては、返済すべき
借入金が株式に換わるので、元利金の返済がなくなり、なおかつ財務内容が改善
することです。

留意しなければならないのは、DESを行う際の債務の簿価と時価の差額は、債務
消滅益として課税の対象となり、増加する資本金の額は、振込の金額となるため、
時価相当額となることです。

平成18年度税制改正では、この債務消滅益と期限の切れた欠損金の相殺を認め、
債権者には譲渡損の損金算入が認められました。

また、平成21年度税制改正では、企業再生のスピードアップを図るために、企業
再生税制の一定の私的整理の適用要件の緩和がもりこまれ、債務免除の適用
手法にDESが追加されました。

ただし、債務者の法人にとって、債務消滅益の発生が見込まれる場合に限られる
ので、注意が必要です。

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 今月の事務
  • 4. おしらせ

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