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いーかわらばん vol.389

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2009/10/09
  • vol.389

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

付加価値付日帰りプラン?!

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その57)・・・  魂の入った「教科書」か?

■ 3. 今月の本棚

『参謀力 直江兼継の知略』 童門冬二著 NHK出版

■ 1. 時の話題

<付加価値付日帰りプラン?!>

温泉旅行といえば、宿泊して温泉巡りをするか、近場でひと風呂浴びて日帰りで、
というのが今までの常識的パターンでした。

ところが、「0泊2食プラン]」というキーワードでネット検索すると、なんと百万件
以上がヒットしてきます。

「0泊2食プラン」とは、いかなるものでしょうか。

お昼前に旅館にチェックインして、ゆっくりとお昼ごはんを食べ、その後、温泉
巡りに繰り出すのもよし、周辺を散歩するのもよし、エステで時間を過ごすのも
よし・・・、という、言うなれば「付加価値付日帰りプラン」です。

リーマンショック以後、近場で、安価に、短い期間で、しかも本物を味わう、
いわゆる「安近短」本格志向が、再び頭をもたげ始めました。

しかし、今回は、従来型と少し違った変化が見られます。

一つは、「元気で小金を持っているお年寄り」が、ちょっぴり贅沢で、ゆっくりした
一日を仲間や家族や孫と過ごしたい、というケースが多いという点です。

また、混まない時期に、有給休暇を取って一日ゆっくりと、仕事を忘れて
リラックスタイムを味わいたいという、サラリーマンやOLも少なからずいる、という
点もおもしろいところです。

これは旅館側からしても非常に好都合です。

というのも、施設が遊休状態になる可能性が高い、平日または日曜、あるいは
連休最終日などに、これらの需要を呼び込むことによって、少しでも稼働率を
あげることができるからです。

このプランは、関西からスタートしたといわれます。一説には、2003年に伏尾
温泉の不死王閣が発祥、とも言われていますが、すでに競争は激化しつつ
あります。

それは、いわゆる温泉に浸かっている以外の時間を、いかに楽しく有効に、
使っていただくか、その部分での付加価値競争が熾烈になっているのです。

エステ、ネイルアートはもちろん、釣り、ミニゴルフ、スイーツタイム、その他
地域の特徴を活かしたあらゆるサービスの模索が続いています。一度、近場で、
「0泊2食」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その57)・・・  魂の入った「教科書」か?>

前回は、トップ(陣)が「成長学講座」の講師となったと仮定して、自ら、その教科書
(テキスト)を作成するくらいの努力が必要であることを前提に、その「成長学講座」
の教科書を、どのように作っていけばよいかについて、お話をすすめました。

第一ステップは、自分が成長するために、真剣に心掛けてきたことを、A4のコピー
用紙1枚に、表現の稚拙さは気にすることなく、思うがままに、10項目を目標に、
項目のみピックアップしてみることでした。

そして、第二ステップは、上記を周りのみんなにも理解してもらえるように、それぞれ
の項目について、説明の文や図を付加していき、同時に表現の稚拙さがあれば、
改めていくことでした。

そして、今回の第三のステップについて、自分が今までの人生の中で、気がつかな
かった、あるいは実践して来なかった「成長心=成長していくための心の持ち方、
姿勢」をあらゆる機会をとらえて発見し、追加し、整理・解説していくというプロセスで
ある、と予告させていただきました。

ここからもわかりますように、この第三のステップには、まず、さまざまな成長心との
“出会い”が含まれます。

前回申し上げたように、松下幸之助氏や稲森和夫氏をはじめ、多くの方の書いた
本も一つの“出会い”でしょう。あるいは、直接お話しを聞く機会もあると思います。
また、職場を見学したり、部下と議論や雑談をしたり、さらには趣味の場で、多くの
人に接するといった、これらはすべて成長心との“出会い”をもたらしてくれます。

その成長心との“出会い”の中には、自分が今まで気がつかなかったり、実践して
いなかったり、あるいは心のどこかで感じていてもキチンとして形にまでなっていな
かったようなものが、必ず混じっているはずです。

そこを、とことん拾い出し、考え、整理する、というのが第三のステップです。まさに、
「我以外、皆我師」の世界です。

それでは、前回、この第三ステップがもっとも重要な部分だと申し上げましたが、
その理由はどこにあるのでしょうか。

いくつかあるのですが、一つ目は、この第三ステップは終わりがない、ということです。

日々成長していくということは、多くの“出会い”をしながら、今までの自分に不足して
いたものを獲得していかなければなりません。これで終わり、ということはなく永久に
続くステップです。成長に終わりはないからです。

ということは、「成長学講座」の教科書は、永久に改訂が加えられていくということで
あり、その教科書の末尾には、必ず何年何月何日現在という日付が入っていなけれ
ばならないということです。改訂がないということは、成長しているかどうかわからない、
ということになるのです。

第三ステップが重要である二番目の理由は、この「山崎発、経営を考える」でも、
何回もしつこくお話をしているように、「一流と接する」ことの重要性を身をもって体感
するのは、このプロセスだからです。

言い方を変えますと、昔から、よい意味でも悪い意味でも、「類は友を呼ぶ」「朱に交
われば赤くなる」ということわざがあります。必死になって成長しようとしている人は、
そういう人を自然と求めるようになり、そういった集まりが構成され、ますます磨かれて
いくことになるのです。

実は、振り返ってみると、今、
 理念31: 「人を育てる」とは・・・
       本人がその気になって、持てる能力を最大限に発揮できる環境をつくること
を前提に、そのために必要な三つの要素、
 ① 成長心を修得する機会
 ② 成長心あふれる空気
 ③ 成長実感のしくみ
のうち、①の「成長心を修得する機会」についてお話をしています。

この「一流と接する」ことの重要性、あるいは、「類は友を呼ぶ」についての部分は、
先にお話しをする「② 成長心あふれる空気」に密接に関連することがわかります。
この点でも重要であるわけです。

さて、第三ステップが重要な理由は、もうひとつあります。
そして、実は、これは原点です。

それは、「我以外、皆我師」として、いろいろな“出会い”から発見、追加、整理した
成長心の項目が、他から学ぶことになるがゆえに、ややもすれば借り物で終わって
しまう可能性があるという危惧です。

ほんとうに本人のものになっているか、もっといえば、魂の入った「成長学講座」の
教科書と言えるか、という点につながるという意味で原点なのです。

ここを次回じっくりと考えてみましょう。

■ 3. 今月の本棚

<『参謀力 直江兼継の知略』 童門冬二著 NHK出版>

2009年6月11日発行のこの「いーかわらばん vol.373」では、今月の本棚
として、
  『天地人』 火坂雅志著 NHK出版
をご紹介しました。

NHKの大河ドラマの話題の中心は、すでにもう2010年に移っていて、坂本竜馬、
福山雅治がさまざまなところで登場しています。

しかし、『天地人』と合わせて、もう一度経営という視点から、この本を読むと、また
新たな発見が数多く生まれてきます。もちろん、童門冬二が書いているからこそ
なのですが・・・。

最初の「まえがき」で、童門氏は、直江兼継が自分の役割として考えていたことを
箇条書きにしています。

 ・自分は参謀(軍師)である
 ・したがって職務権限に限界がある
 ・選択肢の設定まではするが、そのなかからどれを選ぶかは主人景勝の
  権限である
 ・そして、主人が選んだ決定事項についてはその実現について全力を尽くす
 ・しかし、もしも物事がうまくいかなかった場合の責任は、選択肢を用意した
  自分にもある

こんな部下がいたら、最高の幸せなのに、と現在の状況と照らし合わせて、
溜息をつく経営者の方も多いのではないでしょうか。

しかし、この選択肢設定責任と、トップとしての意思決定責任とが、お互いに
きちんとわかりあえて、かつ実行の場で齟齬なく整理されているからこそ、経営が
スムーズに進んでいくのです。

すぐれた参謀がほしいと思っているトップにとっても、また、少しでもレベルアップ
しようと、もがいている参謀の立場の人にとっても、また、自分は参謀に向いて
いるのか、トップとして動くべきかと考えている人にとっても、一読に値する本です。

■ 4. おしらせ

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 http://www.nksy.co.jp   

次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 事業承継の真視点
  • 4. おしらせ

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