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いーかわらばん vol.385

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2009/09/10
  • vol.385

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

商店街の活性化に向けて

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その53)・・・ 三歳児の積木と成長心

■ 3. 今月の本棚

『奇跡のリンゴ』 石川拓治著 幻冬舎

■ 1. 時の話題

<商店街の活性化に向けて>

「商店街の活性化のための地域住民の需要に応じた事業活動の促進に関する
法律」(通称「地域商店街活性化法」という、相変わらず長~い名前の法律が、
この8月1日から施行となりました。

確かに、商店街とは名ばかり、半分以上がシャッターが閉まっている、という
ところまで疲弊しているケースも決して少なくありません。

この法律案が出された段階での、法案の目的には、次のように記されています。
  
  商店街ならではの「地域コミュニティの担い手」という機能を発揮すること
  により、商店街の活性化を図ることを目的に、商店街振興組合等による、
  地域住民に役立ち、地域の魅力を発信する取組みに対し、補助金、税制、
  人材育成など総合的な支援を行います。

   (「商店街の活性化のための地域住民の需要に応じた事業活動の促進
    に関する法律案(地域商店街活性化法)」及び支援策の概要
    ~ 地域商店街活性化プラン ~ より抜粋)

具体的には、経済産業大臣が認定した商店街の活性化事業計画に対し、補助
金をはじめ、商店街に土地を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除、無利子の
融資、全国商店街支援センターが行う人材育成事業支援、といった項目から
成り立っています。

ここで大事なのは、この法律の名前にも記されているように、「地域住民の需要
に応じた事業活動」という点です。

チェーン展開をしている大手のスーパーやコンビニ自体が軒並み、地域特性を
いかに打ち出すかを模索しているなかで、彼らのなしえない「地域コミュニティ」の
担い手としての魅力を打ち出すことは容易ではないでしょう。

商店街一丸となって、地域住民から支持されるとともに、生産性の高いしくみを
作り上げなければならない時代に来ています。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その53)・・・ 三歳児の積木と成長心>

ここ数回で、次の理念を整理しました。

理念28: 経営者の能力は、部下がどれだけの仕事を成し得たかで評価される!
理念29: 究極の育成は、「人を育てる人」を育てることである!
理念30: 経営者(上司)は、三段階下の部下を自分の“鏡”と考える!
理念31: 「人を育てる」とは・・・
       本人がその気になって、持てる能力を最大限に発揮できる環境をつくること

理念31を眺めていると、「人を育てる」というのは、決して「育てる」ことそのものに
やっきになるのではなくて、
 自然に育っていく条件を、整えることである、
という側面が見えてきます。

それでは、どのような条件が満たされたとき、本人がその気になって、持てる力を
最大限に発揮できる可能性が高くなるのか、すなわち、自然に育っていく条件が
整っていくのかを考えてみましょう。

これは、心理学においてもかなり研究されている課題の一つですが、やさしく表現
すれば、おおむね次のような条件が満たされた場合だと考えられています。

① やりたいこと、実現したいと強く思っているものがあるとき
② それが実現した時の、まわりの人の喜ぶ顔、満足、安心した表情がイメージ
   できるとき
③ 実現できれば、自分の存在価値がもっと高まる(進歩成長する)だろうと感じ
   るとき

もちろん、こんなことをいちいち頭で考えて「その気になって力を発揮する」わけでは
ありません。人間の本能に近いものなのです。

本能に近いものですから、生まれつき、誰でも持っているものだとも言えます。

たとえば、三歳児が夢中になって積木のお城を作ろうとしているとしましょう。

積んでは崩れ、積んでは崩れして、なかなかうまく作れない。だけどやっているうちに、
たまたまうまくお城ができあがった・・・。

「わあ、○○ちゃん、すごいなあ、こんな立派なお城ができたねえ。ママもうれしい
 なあ。○○ちゃんと一緒にこういうお城に住みたいなあ。すごい、すごい!」

とほんとうにニコニコして、心の底から喜んであげると、本人はますます“その気に
なって”、もっと大きなお城を作ろうと挑戦していくわけです。

もちろん、より大きなお城を作ろうと思えば、また何回も何回も失敗を繰り返すで
しょうが、そこから、また何かを学び、何らかの工夫を凝らして、次の能力が芽生える
可能性が生まれてくるのです。

上の条件に当てはめてみれば、確かに、幼いながらも、
 ① 積木でより立派なお城を作りたい 
 ② それができれば、ママが喜んでくれる 
 ③ 完成すれば、自分がより進歩したと感じる
という三つの条件が満たされているわけで、これが「その気になって、持てる力を
最大限に発揮できる環境」をもたらしています。

このように、本来、三歳児でも持っている本能のはずですが、良くも悪くもさまざまな
経験を積んで大人になっていく過程で、この種の本能が失なわれていくことも多いの
かもしれません。

それでは、三歳児でも持っているはずのその本能を、大人の社会、企業に置き
なおして、呼び起こすためには、何が必要でしょうか。

ズバリ、次の三つだと私は考えています。

① 成長心を修得する機会
② 成長心あふれる空気
③ 成長実感のしくみ

次回以降、これらの中身を考えながら、「人を育てる」本質をさらに追究していきましょう。

■ 3. 今月の本棚

<『奇跡のリンゴ』 石川拓治著 幻冬舎>

発刊されてからすでに1年を経過している本なので、すでに読まれたかたも多いと
思います。

NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』で放送され、たちまち大反響を呼んだ木村
秋則さんの苦闘の記録です。

表紙を開くと、いきなり木村さんの言葉が大きく記されています。

 「リンゴの木は、リンゴの木だけで
 生きているわけではない。
 周りの自然の中で、
 生かされている生き物なわけだ。
 人間もそうなんだよ。
 人間はそのことを忘れてしまって、
 自分ひとりで生きていると思っている」

他にも、随所にきらめく言葉がちりばめられており、心の底から、考えさせられること
の多い本です。

何を考えさせられるのでしょうか。

たとえば、次のような記述があります。

 この栽培を続けてきて木村が発見したことがある。
 それは、肥料というものは、それが化学肥料であれ有機肥料であれ、
 リンゴの木に余分な栄養を与え、害虫を集める一つの原因になると
 いうことだ。肥料を与えれば、確かにリンゴの実は簡単に大きくなる。
 けれど、リンゴの木からすれば、安易に栄養が得られるために、地中
 に深く根を張り巡らせなくてもいいということになる。

大げさにいえば、現代の社会のあらゆる分野に対する大きな警告ともいえるのでは
ないでしょうか。

ある時はなるほどとうなずき、ある時は考えさせられて背筋が寒くなり、また、ある時は、
感動して涙が出てくる本です。

ぜひご一読ください。

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 事業承継の真視点
  • 4. おしらせ

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