いーかわらばん vol.382
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2009/08/20
- vol.382
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
脚光を浴び始めた林業?
■ 2. 山崎発、経営を考える
効用的修羅場の買いつけ(その50)・・・ 経営者(上司)の鏡は、三段階下!
■ 3. 事業承継の真視点
持株会社について(その13)・・・ 吸収分割による持株会社化
■ 1. 時の話題
<脚光を浴び始めた林業?>
日本にとって最大の原木の輸入国は、どこでしょう?
答えは、ロシアです。
しかし、そのロシアが、つい最近まで、6.5%だった輸出関税を、今年の4月から
25%に、そして、来年1月からは、なんと80%に引き上げる方針を掲げました。
背景には、もちろん中国やインドの需要急増があるといわれています。
また、ご承知のように、京都議定書に示される地球温暖化防止対策では、
2012年までに90年に比較して、6%の温室効果ガスを削減することになって
います。
その3.8%に相当する部分を、森林収入によって賄う計画が出ているのです。
それを受けて、具体的には、「緑の産業再生プロジェクト」に1,200億円強の予算
をつぎ込んでいます。
一方で、1950年代に大量に植林されたスギ、ヒノキがようやく伐採時期を迎えて、
供給に余裕が出てきたのも事実です。
このように、国産材が使用される比率がこのところ急速に高まってきて、木材
自給率の数年前の20%未満から、2007年度に22%にまで上昇してきています。
もちろん、課題もあります。ひとつはやはり割高感です。農業と同じく、補助金産業
であったがゆえに、機械化は遅れ、生産性は極めて低いと言われています。
また、同じく補助金産業であったがゆえに、補助金をいかにもらい、使うかが林業
関係者の仕事になっていたわけで、林業経営のプロが極めて乏しいことも深刻な
問題です。
とはいいながら、今後、農業と合わせて、若い世代の優秀な人材が林業へも流れて
いく傾向は少しずつ強くなっており、進展が期待できる状況にやっとなってきたよう
です。
今後の動きに注目したいと思います。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<効用的修羅場の買いつけ(その50)・・・ 経営者(上司)の鏡は、三段階下!>
前回と前々回で、
理念28: 経営者の能力は、部下がどれだけの仕事を成し得たかで評価される!
理念29: 究極の育成は、「人を育てる人」を育てることである!
という、私が大事にしている二つの理念について、お話をしました。
この二つの理念を並べてみますと、ぜひとも意識しておかなければならないことが
見えてきます。
それは、経営者(上司)が自分で自分の能力を判定する際に、観察すべき部下は
だれか、ということです。
結論から申し上げますと、二段階下の部下、可能ならば、三段階下の部下を見て、
自分に経営者(上司)としての能力があるかどうかを判断すべきである、ということ
です。
まず、理屈から考えて、自分が、部下であるA君を「人を育てる人」に育てたか
どうかを判断するには、
・ A君の部下であるB君が育っているかどうか、
・ B君がどのような姿勢で、どのレベルの仕事をしているか、
を見なければならないことは言うまでもありません。
したがって、二段階下の部下が、「自分の鏡」であることを常に意識しておくことは、
基本の基本である、といえるでしょう。
しかし、実は、レベルの高いフランチャイズビジネスなどでは、三段階下の部下こそ、
自分の鏡である、ということを強調し、なおかつその本質的な意味を組織全体に
浸透させるべく努力しています。
なぜでしょうか。
それは、経営者(上司)である自分が、
・「人を育てる人」を育てることが上司の役割であることを、部下のA君に“伝え”、
そのまた部下のB君に実践させたか、
という、「伝承」に重点を置いているからなのです。
そして、その「伝承」に重点を置いて実践していかない限り発展はない、というのが
フランチャイズビジネスの本質であることを、彼らは身をもって体験しているからに
ほかなりません。
すなわち、自分の意思を、部下であるA君に“伝え”、A君が自分になり代わって、
そのまた部下のB君に、
「人を育てる人」を育てることが上司の役割である
ことを実践させているかどうかは、そのB君が、その部下であるC君を育てているか
どうかにかかっているわけです。
話はややこしくなりましたが、ぜひ、ゆっくり考えてみてください。
言い換えれば、経営者(上司)は三段階下の部下を鏡と思って、自分の能力を
評価する、という意味を浸透させていくことが、「人を育てる人」を育てることに
つながっていくことになるわけです。
そこで、
理念30: 経営者(上司)は、三段階下の部下を自分の“鏡”と考える!
という理念を掲げておきましょう。
さて、それでは、いままであまり深く考えずに使ってきた「育てる」とは、何をする
ことなのでしょうか。
手取り足取り教えることが育てる事でないことは明らかです。次回以降、もっとも
難しいこの問題について、考えていくことにしましょう。
■ 3. 事業承継の真視点
<持株会社について(その13)・・・ 吸収分割による持株会社化>
前回は、持株会社の設立には、株式移動方式とぬけがら方式があり、過去5回は、
そのうち株式移動方式についてご説明をしてきたこと、さらに、ぬけがら方式の基本
的なしくみを再確認しました。
今回からは、典型的なぬけがら方式である、会社分割について、お話をいたします。
典型的なぬけがら方式と申し上げたのは、ぬけがら方式としては、会社分割以外にも、
現物出資、事業譲渡(旧商法では「営業譲渡」と呼んでいました)などがあるからです。
会社分割には、大きく分けて、
① 吸収分割
② 新設分割
の二つがあります。
まず、今回は、吸収分割について、ご説明をしましょう。
吸収分割とは、
株式会社または合同会社が、その事業に関して有する権利義務の
全部または一部を、分割後、他の会社に承継させること(会社法2条29号)
と定義されています。
今までと同じように、図でご説明しましょう。
今、下記の図のように、A社とB社があったとします。
A社株主 B社株主
↓ ↓
A 社 B 社
ここで、A社の事業の権利義務をB社が承継し、B社からA社にB社株式が交付され
ます。すなわち、
権利義務
→
A 社 B 社
←
B社株式
その結果、
A社株主 B社株主
↓ ↓
A 社 ↓
↓ ↓
B 社
となります。
上記の図を見ていただければわかりますように、B社の株主としては、従来からの
B社株主と、新しくB社株式の交付を受けたA社とがあります。
ここで、A社が持株会社と言えるためには、もともとのB社株主が保有している株式
よりかなり多くの株式が交付されなければならないはずです。
すなわち、従来のB社よりもかなり大きな規模の事業がB社に新たに承継されなけ
れば持株会社にはなりえない、ということがわかります。
これが吸収分割といわれるもので、既存の会社間で親子関係を作り上げるものです。
次回はもう一つの分割方式である新設分割にお話を進めます。
■ 4. おしらせ
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次回のテーマは以下の通りです。
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