いーかわらばん vol.381
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2009/08/13
- vol.381
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
「アドマーケットプレイス」とは?
■ 2. 山崎発、経営を考える
効用的修羅場の買いつけ(その49)・・・ 「人を育てる人」を育てる!
■ 3. 今月の本棚
『任天堂 “驚き”を生む方程式』 井上理著 日本経済新聞出版社
■ 1. 時の話題
<「アドマーケットプレイス」とは?>
IT関連の話題で、時々、「アドマーケットプレイス」という言葉を聞く機会が多く
なりました。
直訳すれば、「広告市場の場所」で。メディアと広告主が直接取引をする市場、
またはそういった仲介サービスを指します。
具体的には、インターネット上で、まず、メディアが、売りたい広告枠やその価格、
掲載期間などを提示します。広告主も、前面に露出したいターゲット層や、同じく
掲載希望期間などを登録します。
そして、両者がアドマーケットプレイス運営業者を仲介して直接取引をし、条件が
合致して取引が成立すれば、業者に手数料を払うというものです。
もちろんこのしくみは、米国でスタートしたもので、ヤフーが買収したライトメディア、
グーグルが買収したダブルクリック、マイクロソフトが買収したアドイーシーなどが、
盛んに利用されています。
それに比べて日本では、電通、博報堂に代表される広告代理店が、マス4媒体
(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)との仲介役として、広告枠の売買に力を持ってきた
ことにより、この分野は遅れているといわれています。
わずかに、「Pitta!」、「xmax(クロスマックス)」などがあるのみで、この市場規模は
微々たるものです。
しかし、今後は米国からの参入組、大手広告代理店が行うもの、あるいは上記の
ような独自資本で参入するものなどが入り乱れて、インターネット上で闘いを始め
ることが十分に考えられます。
今後の進展ぶりに注目しておきたいものです。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<効用的修羅場の買いつけ(その49)・・・ 「人を育てる人」を育てる!>
前回は、
理念28: 経営者の能力は、部下がどれだけの仕事を成し得たかで評価される!
についてお話をいたしました。
これは、経営者と部下との関係を考えるときに、私が何にも増して大切にしている
理念であることは、前回申し上げたとおりです。
しかし、もうひとつ、どうしても早いうちに申し上げておきたい大事な理念があります。
それは、
理念29: 究極の育成は、「人を育てる人」を育てることである!
というものです。
私自身の経験からも、部下を育てることは難しいとはいうものの、部下本人の資質
次第ではありますが、まだまだ、なんとかなるような気がします。
しかし、その部下が、そのまた部下をきちんと育てる人に成長させることは、至難の業、
というか、確率が極端に低くなるというか、最終的には、本人次第だ、どうしようもないや、
と投げ出したくなるのが正直なところです。
また、育てることができない上司のもとに入社した人間が、たまたますごい勢いで成長
することもないとは言えません。結局、本人次第だ、と言いたくなってしまうわけです。
とはいうものの、現実に多くの「組織」を見た場合、人を育てることができない人が上に
いる限り、総じて、その会社は時を経るにつれ、レベルの低下を招いていることは、
歴然たる事実として、私の眼には映っています。
したがって、育てることができるできないの是非、あるいはたまたますごい人間が
部下にいた、などということはとりあえず抜きにして、上司たるもの、「人を育てる人」を
育てることが究極の育成なんだ、という意識を浸透させておくことは、極めて大事なこと
だと思うのです。
この意識が少しでも浸透していって、組織にとってまずいことなんてひとつもありません。
昔、私が30代の初めのころ、ある著名な大学教授とお話をする機会がありました。
その教授が酒を飲みながら、おもむろにおっしゃったことが、私には忘れられません。
「自分自身は学会でそれなりの成果を上げてきたと思う。
また、教え子の何人かは、私を超える人材に育ってくれた。
しかし、ただ一つ悔いが残るとすれば、そのあとが続かない、ということだ。
俺は、ほんとうの意味で、研究者として、“人を育てる”ことの重要性を教えて
こなかったような気がする・・・。」
実際、その教授の研究室は、数年して、その次の代で閉じることになりました。
このお話を、実際の企業を見るなかで、何回となく思い出します。研究室も企業も
長い目で見た場合、その本質は同じなんだなあ、とつくづくと感じます。
さて、
理念28: 経営者の能力は、部下がどれだけの仕事を成し得たかで評価される!
理念29: 究極の育成は、「人を育てる人」を育てることである!
と私が大事にしている理念を二つ並べてみますと、次にぜひお話ししなければならない
のは、経営者が自分で自分の能力を判定する際に、見るべき部下は、どの部下か、
ということです。
次回、その点をお話ししたうえで、「育てる」とはいかなることなのか、について考えを
進めていくことにしましょう。
■ 3. 今月の本棚
<『任天堂 “驚き”を生む方程式』 井上理著 日本経済新聞出版社>
アップル、グーグル、そしてニンテンドー・・・。今、世界で注目されている三大IT企業
です。
その任天堂の売上高は、2008年3月期で、1兆6,724億円、営業利益は4,872億円。
営業利益率約30%。
従業員数3,800人で割ると、
一人当たり売上高 4.4憶円、
一人当たり営業利益 1.3憶円。
いずれにしても、驚異的な数字です。
また、今年の3月で、「ニンテンドーDS」の世界累計販売台数が1億台、また、「Wii」も
5,000万台を突破しました。
いずれも、機器と人間とのインターフェイス(接点)を、タッチペン方式やリモコン体感
動作などという形で、見直すことにより、今までゲームに無縁だった層を顧客にした
点が指摘されています。「脳トレ」という大ヒットを生み出した原点とも言えます。
本書は、これらを生みだした、この任天堂という会社が、どのような考え方と強みを
持ち、どのような経営や社員のもとで、何を目指しているのか、を総合的に説き明か
した本です。
1章 ゲーム旋風と危機感
2章 DSとWii誕生秘話
3章 磐田と宮本、禁欲の経営
4章 笑顔創造企業の哲学
5章 ゲーム&ウォッチに宿る原点
6章 「ソフト体質」で生き残る
7章 花札屋から世界企業へ
8章 新たな驚きの種
という全8章から構成されています。
特に、7章の「花札屋から世界企業へ」を読んでいますと、「企業に限界などない!」と
いう感を、あらためて強く持ちます。
お盆のお休みにぜひご一読ください。
■ 4. おしらせ
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 事業承継の真視点
- 4. おしらせ
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