いーかわらばん vol.380
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2009/08/06
- vol.380
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
< 火力発電の巻き返し?>
環境問題を前提にすると、どうしても、太陽光発電、風力発電、原子力発電などが
もてはやされ、石油や石炭を大量に使い、二酸化炭素を排出する火力発電は、
劣勢を強いられている感がありました。
しかし、火力発電の分野でも、環境問題に対応した大きなプロジェクトが進んで
います。
今年の6月に三菱重工と三菱商事は共同で、石炭ガス化複合発電施設の事業化
調査契約を締結しました。
これは、オーストラリアのクインズランド州に、その施設を設置し、2015年に稼働
させるというプロジェクトです。
そのプロジェクトのすごいところは、その発電過程で排出される二酸化炭素を
最大で90%回収してしまうということです。
このプロジェクトでは、石炭を高温でガス化して燃料とするのですが、ガス化炉中で
生成される一酸化炭素を、次のプロセスで水蒸気を加え、一酸化炭素を二酸化炭素
に変換し、それを吸収液に溶かして回収してしまうというものです。
もちろん、ここにもいくつかの課題があります。
ひとつは、一酸化炭素を二酸化炭素に変換する過程や、二酸化炭素の回収過程で、
大量のエネルギーを消費することで、発電効率が低下してしまうことです。
もう一つは、とにかく設備が大掛かりになり、建設費が多額に上るという点です。
これらを解決するためには、より発電効率の高いタービンの開発が不可欠であり、
そちらのほうもハイスピードで進んでいるようです。
また、燃料電池を使った複合発電の研究も進んでおり、環境問題をクリアすべく、
あらゆる手法が検討されている時代だといっていいでしょう。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<効用的修羅場の買いつけ(その48)・・・ 経営者の能力は、部下で評価される>
前回は、任せる側の任せる中身は何か、また、それを確実に“やりきる”ためには、
いかなる姿勢が必要かという視点から、次のような新しい五つの理念を付け加え
ました。
理念23: 得意部分を任せるのは初級、不得意部分をきちんと任せるのが上級!
理念24: ゴール(目的と成果)を理解できる人に、明確に理解させて、任せる!
理念25: 任せる側は、ゴールに到達するための諸検討項目の見極めが必要!
理念26: 任せた側は、ゴール到達の確信を得るまで、進行状況を聞きまくる!
理念27: 経営者は、任せることにより、全体を創造する(組み立てる)プロである!
今まで、合計27の理念をご説明してきましたが、実は、理念1~12までは、自分
自身が成長するための理念でした。言うなれば、「自己成長編」です。
それに対して、理念13からは、新しい局面に入りました。それは、経営者として、
部下の存在を意識し、部下を通してゴールを実現していくために、何が必要かという
視点でした。
そこでは、
・ 部下をいかなる視点でみるべきか(理念13~17)
・ 部下にいかに任せ、いかに報告させるか(理念18~22)
・ 部下に任せてやりきるために何が必要か(理念23~27)
の三つのポイントについて、お話をしました。
すなわち、理念13~27は、「部下委譲編」ということができるでしょう。
これからは、また少し違った新しい局面に入ります。
今度は、任せた部下自身が任された仕事を通じて成長しなければならない、それでこそ、
より高次元で、他を通して、自分のやりたいことを実現することができる、というものです。
「自己成長編」「部下委譲編」に続いて、あえて言えば、「部下成長編」とか「幹部育成編」
とかいうことができるかもしれません。
ここで、私が何にも増して大切にしている理念を最初に示しておきたいと思います。
それは、
理念28: 経営者の能力は、部下がどれだけの仕事を成し得たかで評価される!
というものです。
これは、理念13の「経営者は、他を通して、やりたいことをやりきる!」を前提にすれば、
あたりまえのことです。他を通すわけですから、その「他」がどれだけの仕事をなし得たか
が、経営者の評価に直結するわけです。
これは、部下を持つすべての上司にあてはまる理念です。しかし、これを勘違いしている
経営者(上司)は、非常に多いと言わざるをえません。
経営者の評価は、経営者自身の評価だと思って、部下と接してしまうのです。
もし、自分に十分な能力がなくても、部下がその部分を補って、しっかりとゴールを実現
してくれたら、その上司は能力があるものとして、十分に評価されてしかるべきなのです。
逆に経営者自身は能力が高いように見えても、部下が成果を出さなければ、その経営
者は能力がないと考えるべきだと思います。
昔、ある銀行の支店長ですが、ボーッとした感じで、大丈夫かなと思える人がいました。
しかし、彼の行く先、行く先で、その支店の成績が確実によくなっていくのです。
彼自身、すごい統率力、決断力があるようには見えなかったのですが、一緒に食事を
したときに、印象に残った言葉が一つだけありました。
それは、
「うちの支店のメンバーは、ほんとうにみんな優秀だから、私なんかがへたに
立ち入るより、彼らに考えてやってもらったほうが、よっぽどうまくいくんですよ。」
というものでした。
支店のメンバーの方に支店長のことを尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「確かに、強力なリーダーシップがあるとは言えませんが、我々の話をよく聞い
てくれて、信頼して任せてくれるので、力を思いきり発揮できるという点では、
最高ですよ。ただ、道に外れたときだけは結構怖いですけどね。」
リーダーシップのスタイルには、さまざまなものがありますから、これがベストである、
とは、言い切れません。
しかし、たったこれだけの会話の中に
・ メンバーはほんとうにみんな優秀だから
・ 彼らに考えてやってもらう
・ 信頼して任せてくれる
・ 我々の話をよく聞いてくれて
・ 力を思いきり発揮できる
・ 道に外れたときは怖い
といった、「他を通してゴールを実現する」ための姿勢がふんだんに織り込まれている
ことも確かなのです。
それにもまして大事なことは、実際に支店の成績がよくなっていく、という事実です。
経営者の能力は、部下がどれだけの仕事を成し得たかで評価される、ということを
大前提として、次回以降、お話を進めていきたいと思います。
■ 3. 今月の事務
●全国健康保険協会の健康保険料率が都道府県ごとの保険料率へ
全国健康保険協会の健康保険の保険料については、現在全国一律の保険料率
(8.2%)となっていますが、平成21年9月分の保険料(10月納付分)から、都道
府県ごとの保険料率に移行されます。大阪府の保険料率は、8.22%となります。
大阪府の保険料率が適用される方は、勤務先が大阪府内の社会保険事務所で
適用を受けておられる場合です。お住まいが他府県であっても勤務地が他府県で
あっても、大阪府の社会保険事務所で適用を受けておられれば、大阪府の保険
料率が適用されます。
但し、介護保険料率については、現行の全国一律1.19%から変更ありません。
また、新しい健康保険被保険者証(水色)が、ことし8月中旬から9月下旬にかけて
順次、事業主へ書留郵便で送付される予定になっています。
●夏季休暇前後の対応
夏季休暇を実施する企業では、休暇前の関係先への連絡等を忘れず行いましょう。
一斉休暇を実施せず、内部で調整をしながら休暇の日程を設定する企業については、
社内連絡等に支障がないようにしましょう。
●健康管理
年々暑さが増し、今年は梅雨も長引き、この時期は疲労がたまりやすくなっています。
特に、屋外での仕事に従事している方は、熱中症対策に十分努めましょう。屋内での
仕事に従事している方も、冷房の温度設定に配慮し、体調管理に努めましょう。
■ 4. おしらせ
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 今月の本棚
- 4. おしらせ
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