中堅・中小企業の発揮能力最大化支援

㈱トップ支援 03-3256-4101
㈱アウトオフィス 06-6300-1787

メールでのご相談はこちら

いーかわらばん vol.377

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2009/07/10
  • vol.377

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

「パワー半導体」とその秘めたる可能性

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その45)・・・ プロフェショナル概念ができるまで

■ 3. 今月の本棚

『奇跡を引き寄せる音のパワー』 ジョナサン・ゴールドマン著 
                               KKベストセラーズ

■ 1. 時の話題

<「パワー半導体」とその秘めたる可能性>

「パワー半導体」という言葉があちこちで見られるようになりました。

「パワー半導体」とは、いかなるものでしょうか?明確な定義はないのですが、
電力の制御や、電圧の変換などの機能を持った半導体です。

今まで私たちになじみのある半導体といえば、LSIが代表的なもので、いわゆる
演算機能、記憶機能を持ったものでした。

それに対して、パワー半導体は、
 ・ 交流を直流にするインバータ機能、整流機能
 ・ 電圧変換、周波数変換などの機能
などをもとに、モーター駆動、バッテリー充電などを行うものです。

パワー半導体で、私たちにもっとも身近なものとしては、エアコンのインバータを
挙げることができるでしょう。

しかし、いま注目されている理由は、次世代の省エネルギー技術に欠かせない
もの、だという点です。もっと言えば、世界の産業地図を塗り替えるカギを握って
いる、といっても過言ではありません。

最近はやりのIH機器をはじめ、ハイブリッド車、電気自動車、高速鉄道、無停電
電源装置、そして太陽光発電など、あらゆる省エネルギー分野に利用されること
になるからです。

このように今後大きく価値が高まるパワー半導体ですが、よりレベルアップする
ためには、いくつかの課題があります。

ひとつは、素子としてシリコン(Si)が利用されていることです。これは高電圧を
前提にした場合、熱伝導率が低く、限界があります。

そこで浮上してきたのが、炭化ケイ素(SiC)を素子とするもので、耐圧性が高く、
省エネという点では秀でています。

第二の課題は、その炭化ケイ素(SiC)を前提にすると、そのSiCパワーデバイス
のもととなるウェハ価格が、シリコン(Si)に比べて10倍にも達するという問題です。

これらのことも、この先数年間が勝負と思われます。電気自動車、高速鉄道、
太陽光発電など、最先端の省エネ分野も、その根本にあるパワー半導体の進展
によって、まだまだ大きな効率化の可能性があります。日本企業がこの分野でも
世界のリーダーであることを期待します。
 

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その45)・・・ プロフェショナル概念ができるまで>

前回は、新規開発のパンフレットをつくった際の私の体験から、
 ① ゴールの重要性
 ② 「任せる相手」の選別の重要性
のお話をし、任せる側はプロフェショナルでなくてはならない、として、スペシャリスト
との違いについても述べました。

今回は、任せる、任せられるの話から少し独立して、この両者の違いについて
考えてみたいと思います。

一般的には、「プロ」の反対語は、「アマ」で、この二つが比較対照されることが多い
と思います。同じく、「スペシャリスト」は、「ゼネラリスト」と比較対照されたりすること
があります。

プロフェショナルとスペシャリストについては、実は、当社(日経システムズグループ)
の経営理念に付属する解説書(以下「理念解説書」といいます)に整理されており、
私の創業当初からの考え方でもあります。

その区分をする軸は、
 ① 全体か、部分か
 ② 創り上げるか、与えられるか
という二つです。

理念解説書では、横軸に、全体か、部分かをとり、縦軸に、創り上げるか、
与えられるかをとっています。

そうすることによって、下記の四つの象限ができあがります。

① 全体を創り上げる人
② 部分を創り上げる人
③ 全体を与えられる人
④ 部分を与えられる人

理念解説書では、もう少し詳しく、それぞれを次のように定義しています。

① 社会に利益をもたらすしくみの全体を創造実践する=経営者(企業家)
② 社会に利益をもたらすしくみの一部を創造実践する=部門責任者
③ 利益をもたらすしくみを与えられて、全体に関与する=ゼネラリスト
④ 利益をもたらすしくみを与えられて、一部に関与する=スペシャリスト

今から20年も前の、30歳を過ぎたあたりで、こんな理屈っぽい(わけのわからない?)
ことを、よくまあ考えたなあと自画自賛したくなります。よっぽど暇だったのでしょう。

しかし、そう考えるにはそう考えただけの理由(背景)があることも事実です。

当時は、税理士として独立して2、3年が経過し、構造不況から一転してバブル期を
迎えていた時ですが、その先どうなるかわからないものの、とにかく大きな時代の
転換点に来ていることだけは、若い私にも、直観として見えていたように思います。

その際に、真っ先に考えたのは、経理や財務、税務申告を単なる「与えられた」
枠組みの中で処理するだけのスタンスでいたのでは、おそらく、来たるべき変化に
対応することは不可能だろう、ということでした。

与えられた仕組みの中で動くのではなく、新しいものを創り上げていかなければ
ならない・・・
これが上記理念解説書で縦軸になりました。

と同時にこれを追究していくと、すなわち、経理、財務、税務といった分野で新しい
ものを創り上げていこうとすると、この分野だけを知っていてもどうにもならない、
という壁にぶち当たることになりました。

たとえば、当時私は、お客様にメーカーが多かったこともあって、原価管理のしくみ
づくりのお手伝いなどを本格的に始めていました。ところが、どのような原価管理の
しくみが効果的であるかは、その原価管理の目的がどこにあるか、ひいてはお客
様の会社がどのような経営方針をもって動いているかを無視して成り立たないこと
が、明らかになってきたわけです。

しかも、時代の変化がかなり激しくなっていく中で、その経営方針自体に問題が
ないかどうかまで、私にたずねて来られるお客様(経営者)が増えてきました。

そのご質問に真剣に対応していくうちに、経理、財務、税務は全体の一部にすぎない、
言い換えれば、それらは、経営目的を完遂するための道具(ツール)にすぎない、
という、今思えば当たり前のことを、嫌というほど思い知らされたのです。

ここに、一部は全体があって初めて意味を持つ(価値が決まる)ということ、すなわち
上記理念解説書の縦軸ができあったのです。

私の半生の振り返りのような話になって恐縮でしたが、私が考えるプロフェッショナル
は、このような経緯でできあがってきました。もちろん、人それぞれに、①~④の得意
な部分で勝負していけばいいのですが、少なくとも自分は、できるできないは別として、
①に挑戦していこう、と決意をしたわけです。

とともに、当然ながら、経営者は上記四つの象限の中の①であり、そのことが、任せる
側は、プロフェッショナルでなければならない、という前回の結論に結びつくわけです。

次回以降、これらを前提にして、ここ数回でお話ししたことをまとめながら、理念の
追加をしていくことにしたいと思います。

■ 3. 今月の本棚

<『奇跡を引き寄せる音のパワー』 ジョナサン・ゴールドマン著 
                               KKベストセラーズ>

今回は、ちょっと毛色の違った本をご紹介しましょう。

著者のジョナサン・ゴールドマンは、サウンド・ヒーリング(音楽治療)の
世界的権威であり、ハーモニクス(学音理論)研究の第一人者、かつ
サウンド・ヒーラー・アソシエーション(音楽治療協会)創設者でもあります。

一見、宗教本のようなタイトルですが、れっきとした科学本です。

本書の構成は、以下の七つのシークレット(秘訣)から成り立っています。

第1のシークレット:すべての存在は振動である
第2のシークレット:意思は力である
第3のシークレット:人はそれぞれ独自の振動を宿す
第4のシークレット:沈黙は金
第5のシークレット:声は最高の癒しをもたらす
第6のシークレット:音階には無数の音がある
第7のシークレット:音は世界を変える

「周波数」「共鳴」「同調化」「脳波」「振幅」などの概念と、人間の身体ならびに
精神に与える影響が、この本を通じて、正確に把握することができます。

たとえば、
 ・ 耳で聞くことができないからといって、その音が存在しないとはいえない
 ・ すべての音楽は音だが、すべての音が音楽であるわけではない
 ・ 音によってもたらされるのは、それに込められた意思にほかならない 等々
   
また、三つの公式として、
 ① 振動+意思=癒し
 ② 発声+視覚化=顕示
 ③ 音+信念=結果
が示されていますが、これにも奥深いものがあります。

と同時に、自らの身体と精神にとって健康である状態を維持するためには、
どのような音をどのような状態で聞いたり、発したりすることが必要か、という
ことを再確認することになるでしょう。

ぜひ、一度、手にとってみてください。

■ 4. おしらせ

いーかわらばんのバックナンバーをホームページに掲載しております。
途中購読の方で興味のある方は弊社ホームページをご覧下さい。
 http://www.nksy.co.jp   

次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 事業承継の真視点
  • 4. おしらせ

【web】 https://www.nksy.co.jp
【mail】 mail@nksy.co.jp

☆弊社お客様並びに名刺を頂いた方にもお送りさせて頂いております。
突然の配信をお許しください。
☆展示会等のご案内を掲載させて頂きます、ご一報下さい。
☆メールマガジンの登録・解除は自由です。配信の解除・送信先メールアドレスの変更はお手数ですが、
mail@nksy.co.jp
にご連絡ください。
☆無断転送はご遠慮願います。

いーかわらばん
著者・論文