いーかわらばん vol.371
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2009/05/28
- vol.371
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
ハイブリッド車戦争の奥底
■ 2. 山崎発、経営を考える
効用的修羅場の買いつけ(その39)・・・得意な(できる)部分は、
すべて任せているか?
■ 3. 財務ホット情報
お中元と交際費等
■ 1. 時の話題
<ハイブリッド車戦争の奥底>
3回前のこの「時の話題」において、『「エコカー元年」と二次電池』 というテーマで、
お話をしたばかりですが、その後、ハイブリッド車が新聞紙上を賑わせていますので、
もう一度、取り上げてみます。
そこでは、ホンダのハイブリッド車が当初の見込みを大きく上回る受注を誇って
いることをお話ししましたが、実は、4月の新車国内登録台数では、1万台を超え、
初めてハイブリッド車の首位を獲得したのです。
そうなると黙っていられないのが、トヨタプリウスです。
皆さんご承知のように、今月18日に新型の発売をし、すでに8万台の受注をしたと
発表されています。インサイトの月間1万台と比較しても、べらぼうな数字です。
それに呼応するかのように、ホンダがハイブリッド車戦略をすべて前倒しにする
旨を発表しました。CRーZ、フィットを、それぞれ、2010年前半、後半にハイブリッド
車として投入するというものです。
すると今度は、トヨタのハイブリッド4車種の新たな追加、および日産フーガのハイ
ブリッド化の記事が、4月27日の日本経済新聞朝刊のトップを飾りました。
まさに「エコカー元年」といえます。
実は、この奥底には、今回の政府の景気対策による、新車買い替え補助制度が
あります。
その買い替え制度に即応する形で、販売数量を増やすことにより、今回のどん底
の状況を打開するつもりだろう、という見方もできますが、真意は、もう一つ先です。
すなわち、今回の景気対策の反動対策なのです。
少しばかり補助制度で購入台数が増えたとしても、決して楽観できない景気状況
の中では、むしろ、その先のほうがずっと怖い、というわけです。
日本が世界をリードしている分野であるだけに、前回申し上げた電池との関係も
含めて、今後の成り行きには、当面、目が離せません。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<効用的修羅場の買いつけ(その39)・・・得意な(できる)部分は、
すべて任せているか?>
「経営者的人材」により重点を置いてお話をし始めてから前回まで、次のような形で、
理念が進んで来ました。
理念13: 経営者は、他を通して、やりたいことをやりきる!
理念14: 経営者は、普段から、やりきるための人材類型を想定しておく!
理念15: “執念”をもって、自分より能力のある人材を集め、活用する!
理念16: 人の能力を、100点からのマイナスではなく、0点からのプラスでとらえる!
理念17: 自分にない能力で自分と他人を比較することが、人材の活用に結びつく!
理念18: 「任せる」とは、より大きなリスクを負うこと
理念19: 「報告」こそ、「任された」リスクを軽減するための基本行動である!
理念20: 報告は、初期報告、経過報告、結果報告の三つから成り立つ
理念21: 経過報告は、初期報告に狂いが生ずると感じた瞬間に行う
理念22: 報告は、ツーランク上の視点(報告を受ける人のさらに上司の視点)で行う
「任せる」ことと「報告」との関係はひとまず終了するとして、ここからしばらく
「任せる中身」について整理していくことにしましょう。
まず最初は、任せる側にとって得意な(できる)部分を任せるか、不得意な(できない)
部分を任せるか、という基本的な問題からスタートします。
上記理念17にありますように、任せることが、より大きなリスクを負うことだとすると、
不得意な(できない)部分を任せてしまっては、そのより大きなリスクが現実のものに
なってしまう確率が高くなります。
逆に、得意な(できる)部分を任せている限りは、任された人間がヘマをしていないか
どうか、間違った方向へ進んでいないかどうか、が見えますから、リスク軽減には
大きく役立つでしょう。
したがって、リスクを軽減するという観点からは、不得意な(できない)部分ではなく、
より得意な(できる)部分を任せるべきである、という原則が、一般論として成り立つ
ことは間違いありません。
これはよく言われる話で、成長過程としても語られます。
・ 社会に出たら、できるだけ早く、自分の得意分野を一つか、二つ、つくれ!
・ 次に、得意分野を他人に譲って(権限委譲して)、さらのその得意分野を磨き
上げるか、別の得意分野をつくれ!
といった具合です。
言い方を変えると、得意な(できる)部分をどれだけ他人に任せているかが、心の底
からほんとうに成長したいと思っているかどうかのバロメーターである、といっていい
のではないか、と思います。
こういう表現をすると、よく、「任せられる人がいなくて・・・」という答えが返ってきます。
この議論は、また、上記理念15~17あたりの繰り返しになりますので避けますが、
要は、自分で仕事を抱きかかえているか、人を育てていないか、人を見る目がないか、
のいずれかです。
私自身、社会に出てしばらくの頃から、
・ぎりぎり自分しかできないことしかやっていないか、常に振り返って考えろ!
・去年より今年、今年より来年、その自分しかできないことが減っているか、考えろ!
の二つを自分に言い聞かせてきました。
ところが・・・、です。
もう皆さん、感じられている通り、この「得意な(できる)部分」を任せる、というのは、
実は、任せるレベルからいえば、「初級」です。
だからこそ、「社会に出たら」であるとか、「成長過程」と言った言葉を頻繁に使って
いたわけです。
「経営者的人材」に重点を置いて考える限り、そんなことは当たり前であって(それが
できなければ問題外であって)、実は、不得意な(できない)部分をいかに任せ、かつ
リスクを軽減するか、それが大事なポイントなのです。
その点について、次回以降、考えていくことにしましょう。
■ 3. 財務ホット情報
<お中元と交際費等>
街の百貨店にお中元の文字を見て、もうそんな時期がきたのかと思われている方が
多いのではないでしょうか。
今回の財務ホット情報では、お中元の費用の取扱いについてご説明いたします。
まず、交際費の取扱いについては、資本金1億円超の法人が支出するものについては、
その全額が損金不算入となりますが、資本金1億円以下の法人が支出するものは、
そのうち400万円までの定額控除をうけることができ、その定額控除額の90%に達する
までの金額を損金不算入にならなくすることができます。
平成18年度税制改正で資本金の額等にかかわらず、一定の要件を満たす1人5,000円
以下の飲食費については交際費等から除外されて、損金不算入とはならなくなりました。
では、この特例は、お中元にも適用されるのでしょうか。
ビールやハムの詰め合わせなど飲食物で、5,000円以下なら交際費から除外される
のではと考えられる方もいらっしゃるかもしれませんが、会社がお中元を贈った場合は、
内容物や金額にかかわらず、税務上、全額交際費等に該当します。
この特例でいう、5,000円基準として交際費から除外されるのは 「飲食その他これに類
する行為のために要する費用」であり、これは得意先を接待して飲食する飲食代等を
対象としています。(平成18年5月国税庁 交際等に関するQ&A)
ゆえにお中元は、この飲食代等には該当しないことになります。
又、お中元の内容物が飲食物であっても、これは「飲食その他これに類する行為でなく
贈答であるとしており、贈答は全て交際費となるとしています。
よって、お中元は金額の多寡や内容にかかわらず、全て交際費として扱うということで
ご注意いただきたいところです。
又、前回の財務ホット情報でも取り上げましたが、国会審議が大詰めを迎えている追加
の経済対策の中で、交際費については、平成21年度4月1日以後に終了する事業年度
から、資本金1億円以下の法人は、最初にご説明しました定額控除限度額を400万円
から600万円にひきあげる減税措置が講じられます。
■ 4. おしらせ
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次回のテーマは以下の通りです。
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