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いーかわらばん vol.370

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2009/05/22
  • vol.370

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

「イーブック」の普及

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その38)・・・ ツーランク上の視点から報告!

■ 3. 事業承継の真視点

持株会社について(その10)・・・ 株式移転による持株会社化

■ 1. 時の話題

< 「イーブック」の普及>

イーブック(e-book、電子書籍)が、かなりの勢いで普及しており、芥川賞受賞
作品なども携帯小説として、携帯端末で簡単に読める時代になりました。

イーブックを読むタイプには、大きく分けて二つあるといわれています。一つは、
ダウンロードするタイプ、もう一つは、ストリーミングのタイプです。

ダウンロードするタイプは、インターネット上の電子書籍の店舗から、パソコンや
携帯電話、PDAなどの携帯端末にダウンロードして読む方式です。

読者側では、ダウンロードしておいて持ち運びでき、好きな時に読むことができ
ますので便利ですが、複製を作ることが容易である、という著作権上の問題が
おこりやすいのが欠点です。

一方、ストリーミングのタイプは、動画によく使われる方式ですが、閲覧するには、
インターネットに接続していることが不可欠なものです。先ほどと逆で、著作権は
保護されますが、持ち運びがしにくいという問題があります。

一方で、ハード面では、専用の端末が現れ始めています。

日本では、当時の松下電器産業の「シグマブック」、ソニーが出した「リブリエ」が
電子書籍専用端末として、脚光を浴びるかに見えましたが、時期尚早だったのか、
価格に問題があったのか、普及せずに、いずれも製造終了となっています。

しかし、アマゾンは「Kindle」、ブラザー工業も「ブラザードキュメントビューワ」という
電子ペーパーを使った商品を発売しています。

紙の量を減らすことにより、環境問題解決に貢献するとも言われており、著作権の
問題が整理されていけば、若い世代を中心に今後、市場として拡大していきそうです。

考えてみれば、この「いーかわらばん」も、イーブックの一つと言えそうですね。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その38)・・・ ツーランク上の視点から報告!>

前回までの数回で、
 理念18: 「任せる」とは、より大きなリスクを負うこと
 理念19: 「報告」こそ、「任された」リスクを軽減するための基本行動である!
 理念20: 報告は、初期報告、経過報告、結果報告の三つから成り立つ
 理念21: 経過報告は、初期報告に狂いが生ずると感じた瞬間に行う
の四つについて、お話をしました。

特に、前回は、理念20を若干修正するとともに、経過報告をする「時点」は、初期
報告(すなわち任された最初の段階での仮説)に狂いが生じると感じる瞬間である、
とご説明をしました。

今回は、報告をする際の「視点」すなわち目の高さ、置きどころの問題です。

私が社会に出てしばらくした頃に、上司からしつこく指摘されたことに、
 「ワンランクアップしたところからものを言え。これが成長につながる!」
というのがありました。

これを「報告」に応用してみたいと思います。

「任せる」とはより大きなリスクを負うことであり、そのリスクを軽減するための基本
行動が「報告」だとするならば、その報告の「善し悪し」は、任せた側のリスクをどれ
だけ軽減したか、で判断されるはずです。

実際にどれだけ軽減できるかは、任せた側の本人の実力に負うところも大きいわけ
ですが、少なくとも、任された側の「報告」は、任せた側の視点で考えられているか
どうか、が重要であることは確かです。

たとえば、部長が役員からある仕事を任された場合、部長が役員に対して行う報告が
部長の視点からのものであったなら、真の意味でリスクを軽減する一助になるとはいえ
ない価値の低いものだと言えるでしょう。

部長は、当然、役員の視点からの報告が要求されていると思って動くべきなのです。

私は、できるできないはともかくとして、少なくとも意識だけは、
 「ツーランク上の視点で報告を行う」
ことをモットーにして、何十年間、仕事をしてきたつもりです。

なぜ、ワンランクではなく、ツーランクなのか。

それは、ワンランク上の視点でものを言うことが成長につながるのなら、ツーランク上
の視点で報告するように心掛ければ、報告をするワンランク上の相手の人までが成長
できることになり、私自身はもっとハイスピードで成長できる、という考えからです。

考え方によっては、きわめて“思い上がった”意識なのかもしれません。しかし、もちろん、
 「ツーランク上の視点からご報告します!」
と前もって宣言するわけでもなく、実際にできているかどうかもわかりませんから、この
意識で報告をして、「思いあがっとる!」とか、「余計なことだ!」とか、言われるような
叱られ方をされたことは、一度もありません。

もうひとつ、ツーランク上になった意識でものごとを考えると、見えないものが見えて
きますから不思議です。

富士山の三合目から見ると東の方角3キロしか見えない、五合目から見ると東の方角
10キロが見える、頂上に立つと、東西南北50キロが見える、と20年前にある人から
聞きました。

もちろん注意点もあります。

頂上に立って、東西南北50キロが見えるということは、三合目にいる時よりも、五合目に
いる時よりも、頂上にいるときのほうが、遠くの人まで含めて、周りからも、きっちりと見ら
れているということです。富士山の頂上は、東京からも見えるのです。

あるいは、50キロ先の遠くばかり見ていて、足元を見落としていると、それこそ「足元を
すくわれる」事態に陥ります。

しかし、そういったことを注意したうえで、やはり、ツーランク上の視点からものごとを考え、
「任された人」が、「任せた」人の上司になったつもりで報告する、ぐらいでちょうどいい、と
私は考えています。

そこで、

 理念22: 報告は、ツーランク上の視点(報告する人のさらに上司の視点)で行う

がきわめて大切な考え方となるのです。皆様の会社では、どの視点からの報告が、
実際に行われているのか、この機会に考えてみていただきたいと思います。

■ 3. 事業承継の真視点

<持株会社について(その10)・・・ 株式移転による持株会社化>

持株会社をつくる方法としては、株式移動方式とぬけがら方式があるという
お話から、まず、株式移動方式について、前々回は、最も基本である、
 単純な株式譲渡による持株会社化
について、そして、前回は、
 株式交換による持株会社化
について、ご説明をしました。

今回は、株式移動方式の三つめ、
 株式移転による持株会社化
について、整理しましょう。

会社法では、

 株式移転とは一又は二以上の株式会社が、その発行済み株式の全部を
 新たに設立する株式会社に取得させることをいう

と定義されています。

過去二回のお話のように、二つある会社のどちらかを持株会社に仕立てるの
ではなく、新たに持株会社を作る方法です。

今回も、簡単な図で説明しましょう。

今、下記の図のように、A社があったとします。

    A社株主      
      ↓        
    A   社      
           
ここで、新たにB社を設立して、A社株主にはB社の株式を交付するとともに、
A社株主が持っているA社株式の全部をB社に移転します。

イメージ的には、A社株式を現物出資して、B社株式の交付を受ける、という
感じです。

すると、下記のような形になります。

    B社株主
      ↓
    B   社
      ↓
    A   社

ここで、A社を「株式移転完全子会社」、B社を「株式移転完全親会社」と呼び
ます。

これは全く前回の株式交換をしたのと同じスタイルです。違いは、最初に申し
上げたように、B社がもともとあった会社か、新たに作った会社か、というところです。

すなわち、単純譲渡や株式交換は、二社から親子関係を作るのに対し、株式
移転は、一社から親子関係を作ることになるのです。

そこで、鋭い人は疑問を持つことになるでしょう。

すなわち、今回の最初の定義で、「一又は二以上の株式会社が・・・」という言葉が
見られるのはどうしてか?という点です。

これが、実は、共同株式移転と呼ばれるもので、実務では結構多く使われます。
この方法については、次回ご説明をすることにしましょう。

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

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  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 財務ホット情報
  • 4. おしらせ

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