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いーかわらばん vol.369

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2009/05/15
  • vol.369

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

『不況を乗り切る人材戦略 後編』

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その37)・・・ +「初期報告」と、その狂い

■ 3. 今月の本棚

日本でいちばん大切にしたい会社』 坂本光司著 あさ出版

■ 1. 時の話題

<『不況を乗り切る人材戦略 後編』>

4月17日号のいーかわらばんの、この「時の話題」で、アイデムの現場イズムという
インターネット情報誌に載った山崎の文章についてお話をしましたが、その後編が、
5月号に掲載されました。
http://workium.aidem.co.jp/webmagazine/index.html

副題として、
 「事例2社から学ぶ」
となっています。

ここでは、「特命システム」と「開発伝道師団」という、弊社がご指導している二つの
しくみについての解説をしています。

最初の「特命システム」については、「山崎発、経営を考える」でも、取り上げた内容を、
より詳しく整理したものです。

まず、日常定型外の会社の課題を拾い上げます。そして、それを解決することを
通じて、若手の育成をも行う、というしくみで、現在、かなり多くの企業で、ご指導を
実践している基本的なものです。

実は、これは、ドラマ「相棒」の「警視庁特命係」からヒントを得て命名したもので、
特命を、
 大特命、中特命、小特命
に区別し、若手を中心にプロジェクトチームを組み、やりきる精神、リーダーシップ、
仮説の構築方法などを体得するためのシステムです。

一方、「開発伝道師団」は、新規事業開発のご指導をする際に、採用する人的
組織的システムで、特命システムを開発業務に特化して応用したしくみです。

開発案件を主体的に設定し、その案件について、
 発想 → 構想 → 実行 → 検証 → 修正
というプロセスを経て、一定期間に必ず「やりきる」ことを徹底するためのしくみで
あるといっていいでしょう。

ここでも、「開発魂30カ条」あるいは「体験視野マトリックス」など、あたりまえの
ことを徹底するためのしくみを示しています。

前回のご紹介の時に申し上げましたように、直近のバックナンバー4号分は、
フリーアクセスになっておりますので、ぜひ、サイトを開いて、読んでいただきたいと
思います。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その37)・・・ +「初期報告」と、その狂い>

過去2回のお話から、

 理念19: 「報告」こそ、「任された」リスクを軽減するための基本行動である!
 理念20: 報告は、経過報告と結果報告から成り立つ

の二つの理念を導き出しました。

今回から、前回の理念20を受けて、経過報告をどのように行うべきか、
任せた人から言えば、経過報告をどのようにさせるべきか、について整理してみる
ことにしましょう。

今回は、まず、「経過報告をすべき時点」の問題です。

実は、このことを真剣に考えると、理念20を少し修正しなければならないことに
なるのです。

では、真剣に考えてみましょう。

「経過報告を行う」ということを、漠然と理解すると、いちいち一挙一動を報告しな
ければならないのか、という疑問が生じてきます。

そうすると、
  「そんなこと、とてもできない、それじゃ、任されたことにならない・・・」
という前回の議論に戻ってしまい、お互いに無限の結果責任を負うハメになって
しまいます。

そこで、いちいち報告しなくても済む「何か」が必要なことは明らかです。

では、その「何か」とは、何でしょうか。

これが、“広い意味での”「仮説」です。わかりにくければ「計画」とか「シナリオ」とか、
言い換えてもいいでしょう。

“広い意味での”「仮説」と申し上げたのは、第一に、ここでは、
 ・「ゴール仮説」(結果仮説)
 ・「プロセス仮説」(経過仮説)
の双方を含むからです。

“広い意味での”と申し上げた理由の第二は、暗黙の了解事項であるはずの、
その会社の理念や行動基準、あるいは業界の掟やルール、といったものまで
含んだ広い概念であるからです。

そこで結論ですが、経過報告が必要な時点は、
  「プロセス仮説」「ゴール仮説」に狂いが出る、と直感した瞬間である
といっていいでしょう。

すなわち、
① 前もって考え、お互いにある程度共通の理解をしているプロセスに、やって
   いくうちに違いが生ずる
② お互いに目指すべき点、得るべき成果と認識していた部分に狂いが生ずる
③ 本来の理念、行動基準、ルールといったものと異なるものが入り込む
という可能性を感じる瞬間に、経過報告が必要になるわけです。

裏返していえば、これら①②③の経過報告がきちんとできるためには、まえもって
「仮説」を報告するステップが必要になるわけです。

もし、「任される」はずの人が、まったく仮説を作ることができないのであれば、
それこそ、こと細かく報告させるか、「任せる」人が一緒になって行わなければなり
ません。そういう状況なら、やはりすでに「任せる」ことにはならないでしょう。

法律的にも、たとえば会社設立時の定款、設立趣意書、あるいは総会における
次年度事業計画、といったものは、出資者すなわち「任せる」人に対して、
「任される」人が前もって行う「仮説」といった見方もできるでしょう。

ここで、理念20は、次のように修正されることになります。

 理念20: 報告は、初期報告、経過報告、結果報告の三つから成り立つ

そして、さらにもうひとつ、
 
 理念21: 経過報告は、初期報告に狂いが生ずると感じた瞬間に行う

という点を付け加えておきましょう。

私のお客様でも、報告に関してこうしたきちんとした考え方を持って、常に社員に
意識させている会社と、そうでない会社があります。

きちんとした考え方を持って意識させているからといって、人間ですから100%うまく
いくわけではありませんが、そういった考え方がない会社よりは、はるかにスムーズ
に進んでいることは事実です。

今回は、「経過報告をすべき時点」のお話でしたが、次回は、
 「経過報告をする際の視点(目の位置)」
について考えてみましょう。

■ 3. 今月の本棚

<日本でいちばん大切にしたい会社』 坂本光司著 あさ出版>

昨年の春に出版されて、このいーかわらばんでご紹介しようかどうか、と考えて
いながら、取り上げずに1年を経過してしまった本です。

今回、あるきっかけから、もう一度読み直してみて、やはり「いい」本だな、
「心にしみる」本だな、「だいじな」本だな、と感じましたので、あらためて取り上げて
みました。

坂本氏は法政大学の教授ですが、頑張る中小企業を訪問するために、日本各地を
飛び回っているそうです。

その中から選んだ五つの会社(コラムを含めると14社)について述べたのがこの本
です。

帯には、村上龍氏の
 「金銭・利益以外の価値、それが何なのかを示す必読の書」
という言葉が記されています。

まず、会社経営とは、
 五人に対する使命と責任
を果たすための活動だと定義したうえで、その五人とは、
 ①社員とその家族
 ②外注先・下請企業の社員
 ③顧客
 ④地域社会
 ⑤株主
であると記されています。

そして、この本が「いい」「心にしみる」「だいじな」と感じる大きな理由の一つは、
この五人は、「この順番で」大事だと言っている点です。

たとえば、株主ですが、昨今の「株主重視」の考え方には大きな疑問があります。
それが今回の金融危機をもたらしたという考えもあるくらいで、ここで、
 株主の満足度は結果である
と明記してあることは、少なくとも「中小企業」には、非常に大事な視点だと思うの
です。

そしてこういった五人に対する使命と責任を果たしていく姿が、
 日本理化学工業
 伊那食品工業
 中村ブレイス
 柳月
 杉山フルーツ
という五つの会社の紹介を通じて、記されています。

ぜひご一読ください。

■ 4. おしらせ

いーかわらばんのバックナンバーをホームページに掲載しております。
途中購読の方で興味のある方は弊社ホームページをご覧下さい。
 http://www.nksy.co.jp   

次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 事業承継の真視点
  • 4. おしらせ

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