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いーかわらばん vol.366

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2009/04/23
  • vol.366

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

コンビニの国際進出の意味するところ

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その34)・・・「任せる」とは、より大きなリスクを負うこと

■ 3. 事業承継の真視点

持株会社について(その9)・・・ 株式交換による持株会社化

■ 4. おしらせ

山崎修一オープンセミナーのお知らせ

■ 1. 時の話題

<コンビニの国際進出の意味するところ>

まずお詫びですが、前回の『不況を乗り切る人材戦略<前編>』について、
ご紹介したサイトでは閲覧できなかったということで、大変失礼をいたしました。

『現場イズム』の下記サイトからの閲覧をお願いいたします。
http://workium.aidem.co.jp/webmagazine/index.html

さて、今回の話題は、コンビニの世界進出です。

ファミリーマートが日本の大手小売りとしては初めて、ベトナムに進出します。
年内にホーチミン市に1号店を出店し、5年で300店舗を展開する予定です。

現在のファミリーマートの店舗数は、2009年3月31日現在で、14,741店となっており、
その国別内訳は、

 日本  7,423店
 アメリカ  14店
 中国  202店
台湾  2,345店
タイ   529店
韓国  4,228店

という状況です(いずれも、ファミリーマートホームページより集計)。

この数字から当然に予想されるように、来年2月期の決算時には、おそらく海外
店舗数が日本の店舗数を上回ることになるだろうと思われます。

セブンイレブンがサウスランド社を買収したことによって、海外店舗数が一挙に
日本の店舗数を上回ったことは周知の事実ですが、それに次いでということに
なります。

これは、ある意味で、コンビニが国内では飽和状態になっていることのあかしである
と同時に、今後、増収増益を目指していくためには、アジア諸国への進出を積極的に
進める以外にはない、ということを示しています。

このことは、長期的にみると、小売り、飲食など店舗設備を要する産業において、
供給過剰を背景に、「出店」以外に増収増益を確保する「革新手法」を見つけだすこと
の必要性を、厳しく突き付けていることのあらわれ、ともいえるのではないでしょうか。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その34)・・・「任せる」とは、より大きなリスクを負うこと>

ここ数回の理念を、しつこいようですが、繰り返しますと。

 理念13: 経営者は、他を通して、やりたいことをやりきる!
 理念14: 経営者は、普段から、やりきるための人材類型を想定しておく!
 理念15: “執念”をもって、自分より能力のある人材を集め、活用する!
 理念16: 人の能力を、100点からのマイナスではなく、0点からのプラスでとらえる! 
 理念17: 自分にない能力で自分と他人を比較することが、人材の活用に結びつく!

となっています。

ところで、前々回、

  しかも、「足りない」と考えている限り、なかなか人に任せることはできず、結果として、
  「他を通して」やりたいことをやりきることができなくなっていきます。
  可能性のある能力を見極め、どんどんやらせてみて、問題や障壁があれば、それを
  いかに乗り切るかを考えさせる、無理ならまた違う能力の活かし方を考える・・・。

という一節がありました。

他を通してやりたいことをやりきるわけですから、「任せる」という行為は、絶対的に必要
であることは言うまでもありません。

今回からは、その「任せる」ということについて考えることにしましょう。

現実を眺めていると、任せ方の上手な人と下手な人の差は非常に大きく、それは、組織
全体の生産性をも左右することになっています。

それでは、任せ方の上手な人と下手な人は何が違うのでしょうか。

 「任せる」ためには、誰に任せるか、その人の能力をよく見極めなければならない・・・
 何を任せ、何を任せてはならないか、ここがポイントである・・・
 任せた後のフォローこそが、その成否を決定付けるものである・・・
 自分がやったほうが早い、と思うのは人の成長を無視した短期的視点である・・・ 等々

リーダーシップを語る“ものの本”には、上記のようなコメントが数多くみられます。

これはほんとうにそのとおり、大事なポイントなのですが、私は、そのもうひとつ奥底に
潜む根源として、
 「任せる」ことの本質は何か
ということが分かっているかいないかで、非常に大きな差となって表れているように思うの
です。

では、任せることの本質は、と言うと、私はズバリ、
 より大きなリスクを負うこと
と考えています。

もちろん、リスクを負うのは任せることだけではなく、自らの行為でも十分にあり得ます。
しかし、任せれば任せるほど、その任された人間が行った行為についてまで責任を負う
ことになり、それが見えにくいぶん、リスクが増大することになるわけです。

任された人がリスクを負うよりも、任せた人がより大きなリスクを負う、という、この点は
きわめて大事です。経営の根幹のひとつ、と言ってもいいと思います。

たとえば、部下が不祥事を起こしたとしましょう。言うまでもなく、その不祥事を起こした
部下本人よりも、その上司のほうがより大きな責任を負うわけです。このことを、部下、
上司双方は、十分に分かっていなければなりません。

したがって、裏返して言えば、
 「任される」とは、任せた人に、より多くのリスクを負わせること
となります。

皆さんの組織において、任された人はほんとうにこのことを分かって仕事をしているで
しょうか。任せた人は、このことをほんとうに分かっているでしょうか。あるいは、きちんと
任せた人にわからせているでしょうか。

上記の“ものの本”に書かれていることも、このことを前提にすると、「なるほど」と見えて
きます。

ということで、
 
 理念18: 「任せる」とは、より大きなリスクを負うこと

という理念をつくり、これをもとに、任せる際の大事なポイントを、次回以降、順次整理
していくことにしましょう。

■ 3. 事業承継の真視点

<持株会社について(その9)・・・ 株式交換による持株会社化>

前々回、持株会社をつくる方法として、株式移動方式とぬけがら方式がある
ことについてご説明をし、前回はそのうち、株式移動方式の最も基本である
 単純な株式譲渡による持株会社化
について、その問題点とともに、お話をしました。

今回は、株式移動方式のうちの二つ目、
 株式交換による持株会社化
についてご説明をしましょう。

会社法では、
 株式交換とは、株式会社がその発行済株式の全部を、他の株式会社
 または合同会社に取得させることをいう
と定義されています。

この説明では、よくわかりませんので、前回同様、簡単な図で説明します。

今、下記の図のように、A社とB社があったとします。

    A社株主      B社株主
      ↓          ↓
    A   社      B   社
           
ここで、A社の株主が、その所有しているA社株式のすべてをB社に譲渡し、その
対価として、B社株式の交付を受けたとすると、どうなるでしょうか。

前回と全く同じように、下記のような状態が生まれます。

    B社株主
      ↓
    B   社
      ↓
    A   社

すなわち、A社は、B社の子会社(「株式交換完全子会社」という)になり、B社が
A社の親会社(「株式交換完全親会社」という)になるわけです。

前回の単純な株式譲渡との違いは、A社の株主がA社株式の譲渡対価として、
金銭でもらうか、B社株式でもらうか、という点です。

A社株式を譲渡して、B社株式をもらいますので、「株式交換」といわれることになる
のですが、このことで、B社側には、買取り資金が不要になります。これは、きわめて
大きなメリットです。

また、一定の要件を満たすと、A社株式の譲渡に対しても、税金がかからないことに
なっています。

もちろん、両社の株式の時価によって、何株のB社株の交付を受けるかに違いが
出ますから、時価をどう計算するかは、前回の単純譲渡と同じく、重要ポイントです。

次回は、株式移動方式の三つ目、株式移転についてご説明をしましょう。

■ 4. おしらせ

<山崎修一オープンセミナーのお知らせ>


 日時:5月13日(水) 13:30~15:00
 テーマ:『100年に一度の危機に対応する事業の秘訣!』
 お問い合わせ:清話会 関西支局 06-6258-3338

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 http://www.nksy.co.jp   

次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 財務ホット情報
  • 4. おしらせ

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