いーかわらばん vol.362
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2009/03/26
- vol.362
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
カセットボンベ小型耕運機
■ 2. 山崎発、経営を考える
効用的修羅場の買いつけ(その30)・・・「他」を通して、やりきる!
■ 3. 事業承継の真視点
持株会社について(その8)・・・ 単純な株式譲渡による持株会社化
■ 1. 時の話題
< カセットボンベ小型耕運機>
マスコミで、人気商品として盛んに取り上げられているので、ご存知の方も
多いと思いますが、今、家庭用のカセットボンベで動く耕運機が開発され、
売れています。
その主たる購入者は、家庭菜園を楽しむ中高年です。
耕運機は従来ガソリンで動くものであり、実際、燃費だけを考えると、明らかに
ガソリンのほうが安いので、専門の農家であれば、そちらを選択します。
しかし、楽しみとして家庭菜園をする人たちにとってみれば、コストはそれほど
大きな問題にはなりません。それどころか、専用の容器をもって、スタンドまで
ガソリンを買いに行くのは、極めて不便です。
その点、家庭用で取り扱いも簡単なLPGカセットコンロは、きわめて便利と、
目をつけられたのです。
現在、ホンダの「ピアンタFV200」や三菱農機の「エコ・ラテ」などが市場に
出回っていますが、数坪の土地なら、エンジンをかけて2、3分もすれば耕す
ことができるとあって、当初の予定をはるかにしのぐ売れ行きです。
ここには、マーケティングの視点から見て、ふたつの教訓があるように思います。
ひとつは、家庭菜園のような狭い土地は、耕運機なんかなくても耕せる、と
されていた常識が、覆されたことです。
そして、もうひとつは、家庭菜園を楽しむ人たちにとっては、コストよりも、便利さ
を選ぶ、ということです。
ターゲットが異なれば、商品のコンセプトも似て非なるものに変化する、という
典型的な事例といえるでしょう。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<効用的修羅場の買いつけ(その30)・・・「他」を通して、やりきる!>
理念12までは、特に強く経営者的人材を意識していたわけではありませんで
した。今回からは、前回予告しましたように、経営者的人材の育成に、より重点
をおいてお話を進めていこうと思います。
経営者的人材を強く意識したとき、真っ先にメスを入れなければならないのが、
理念3:やりたいことをやりきる!
です。
前回申し上げたように、「経営者」は、通常の業務がそれなりに進んでいる場合
には、本来、不要な存在であり、したがって、やりたいことすべてを自分でやって
いるかぎり、もはや経営者とはいえません。
前回の繰り返しになりますが、経営者は経営者にしかできない仕事に、エネルギー
を注ぐべきなのです。
したがって、経営者的人材を前提にすれば、理念3は、
理念13 経営者は、他を通して、やりたいことをやりきる!
というかたちに変化します。
この「他を通して」という表現には、非常に奥深いものがあると思っています。
ここでいう「他」には、いろいろなものが含まれるからです。
たとえば、真っ先に思い浮かぶのが、部下です。
部下が自分の意を汲んで、仕事をやりきってくれるようになったら、それはすばら
しい経営者です。野球で、選手が監督の思うままに動いてくれる状況をつくったら、
その監督は天下一品というのと、本質は同じです。
あるいは、外注先もここでいう「他」に該当します。
自社の想いをしっかりと理解して協力してくれる外注先を作り上げること、しかも
自社の部下が作り上げてくれるようにもっていくことが、経営者の「やりきる」です。
さらに言えば、企業が生み出す商品やサービスも、「他」に含まれる、といっても
言い過ぎではないと思います。
たとえば、子供に夢を与えたいという強い想いで、おもちゃを作っている会社の
経営者は、おもちゃという商品を通して、やりたいことをやっていることになります。
同じように、女性を美しくしたいと思っている経営者は、化粧品という商品を通して、
それを実現しているわけです。
この理念13は、経営者的人材を考える上での、原点といっていいでしょう。
これをベースに、次から次へと、経営者的人材を育成するために大事な理念が
生まれてきます。次回以降、それらについて順次考えていきましょう。
■ 3. 事業承継の真視点
<持株会社について(その8)・・・ 単純な株式譲渡による持株会社化>
前回は、持株会社をつくる方法として、株式移動方式とぬけがら方式について
ご説明をしました。
その中で、株式移動方式は、単純な株式譲渡をはじめ、株式移転、株式交換
等が該当すると申し上げました。
まず、今回は、単純な株式譲渡による、持株会社の設立についてみておきま
しょう。あまりにも単純なものなので、つまらないと思われるかもしれませんが、
基本の基本ですので、省略しないことにします。
今、下記の図のように、A社とB社があったとします。
A社株主 B社株主
↓ ↓
A 社 B 社
ここで、単純な株式譲渡により、B社をA社の100%持株会社にしようと思えば、
A社株主が、その所有している株式のすべてを、B社に譲渡すればよいことは、
すぐおわかりになるでしょう。
前回示したように、
B社株主
↓
B 社
↓
A 社
の図式が、いとも簡単にできあがるわけで、これが基本という意味もうなづけます。
ところが、図解の上では簡単ですが、実際には、いくつか問題があります。
その問題のひとつは、当たり前ですが、買い取るには、そのための資金が必要
だという点です。
手元に資金がなければ、借金しなければなりません。借金をすれば、返済しなけ
ればなりません。事業持株会社ならまだしも、純粋持株会社の場合は、返済額に
見合う受取配当金が必要となります。
二つ目は、時価が株式を取得した金額よりも高い場合には、譲渡した側に譲渡
税がかかるという点です。もちろん、分離課税であることを前提にすれば、その
税金を高いと考えるか、安いと考えるかは、効果との関係で微妙です。
三つ目は、何回もここで申し上げているように、株式の時価の算定は、唯一絶対
の方法があるわけではなく、もめる要素になるということです。
現実には、以上のような問題点を解決しながら、単純な株式譲渡による持株会
社化を進めることになります。
■ 4. おしらせ
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次回のテーマは以下の通りです。
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