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いーかわらばん vol.361

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2009/03/12
  • vol.361

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

「電子記録債権法」とは?

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その29)・・・ 特命ルートへの挑戦と完走!

■ 3. 今月の本棚

『俺は、中小企業のおやじ』 鈴木修著 日本経済新聞出版社

■ 1. 時の話題

<「電子記録債権法」とは?>

昨年の年末、株券の電子化で、各証券機関がごった返していたのは、記憶に新しい
ところですが、その同じ12月に、「電子記録債権法」という法律が、施行されたのは
ご存知でしょうか。

この法律は、2006年6月20日の参議院本会議で、可決・成立し、同年6月27日付で
公布されました。

施行期日は、当初、公布の日(2007年6月27日)から起算して1年6月を超えない範囲
内において政令で定める日、とされていましたが、その施行期日が2008年12月1日と
されたのです。

電子記録債権法の目的は、企業が保有している手形や売掛債権を電子化した電子
記録債権を、インターネットで取引できるようにして、紙の手形に代わる決済手段とし、
その債権の流動化、資金調達の円滑化を図ることです。

それでは、電子記録債権になるには、どのような手続きが必要なのでしょうか。

電子記録債権とは、磁気ディスク等をもって電子債権記録機関が作成する記録原簿
に、電子記録をすることによって、はじめてその発生、譲渡等が行われることとなる
金銭債権のことをいう、とされています。

したがって、まず、電子債権記録機関に対して、電子記録権利者(債権者)と、電子
記録義務者(債務者)とが、電子記録の請求を行う必要があります。

この電子債権記録機関は、主務大臣によって、相応の財務基盤、業務遂行能力、
社会的信用等を要件に指定を受けた専業の民間機関です。

電子記録の中身は、金額、支払期日、債権者および債務者の氏名、記録番号、
年月日など、法律上定められた事項ですが、将来発生するだろう債権について、
あらかじめ電子記録を行うことは、現段階では難しいとされています。

債権の可視化による二重譲渡のリスク軽減、印紙代、紙代など手形交付にかかる
コスト削減、盗難、紛失等のリスク回避などが、おもなメリットとされています。

これらが電子化され、一般に普及し、円滑な資金調達につながるには、まだひと山、
ふた山あるとは思いますが、時代は確実にペーパーレスに向かっているようです。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その29)・・・ 特命ルートへの挑戦と完走!>

前回は、特命システムの運用法について、その注意点とともにお話をしました。
ここで、ずっとお話をしてきた中身を少し整理しておきたいと思います。

もともと、
 理念10: ひと月に月給の10%、1日1時間を「一流の体感」に投資せよ!
にありましたように、「一流への投資」の重要性から始まり、では、会社にそれを
可能にするどのようなしくみや機会が必要か、との検討に入りました。

そこで中心になった二つのキーワードが「背伸び」と「特命」でした。

背伸びという姿勢と、特命というしくみが、一流に近づく人間に必要な修羅場を
体験することにつながるわけです。

そこで、
 理念11: 成長には背伸びが必要!ただし、足を地面から離すな!
に続いて、
 理念12: 特命ルートに果敢に挑戦し、ゴールまで完走せよ!
を設定しておきたいと思います。

さて、通常のルーティーンの業務と、ある一定の特命業務の双方を比較した場合、
どちらがより得意であるか、という点については、人によってさまざまでしょう。

一方、どちらがより重要か、という点については、その時々、ケースバイケースで
一概に言うことはできません。どちらも重要で、おろそかにはできない、というのが
模範的解答です。

しかし、こと「経営者的人材の育成」という視点に絞って考えるならば、特命業務
に対して、一定期間内に、とにかくゴールにたどりつく能力、というのは、圧倒的に、
必要かつ重要なものとなります。

なぜなら、誤解を恐れずに言えば、「経営者」は通常の業務がそれなりに進んで
いる場合には、本来、不要な存在だからです。

経営者が経営者たるゆえんは、
・「いざ」というときの解決か、
・一見問題がないように見える中に問題を見い出して手を打ってしまわなければ
 ならないときか、
・将来を構想、実現していくことか、

このいずれかで発揮されるのであって、極端にいえば、それ以外のときには、
いなくてもいいのです。いや、いなくても、まわるようになっていなければなりません。

この部分については、20代から30代前半であっても、将来経営者的人材に
なろうというのであれば、勘違いしてはならないと思います。

もちろん、部下の気持ちを知り理解できる能力を身につけるためにも、一緒に
なって丸くなって働き、汗を流すことも必要だ、という点について否定する気は
ありません。最も基本である、「現場を知る」ためにも、ある時期、一定の期間は
必要でしょう。

しかし、いつまでもそこに埋没していたのでは、どうしようもありません。大事な
ことは、汗を流して働くという姿そのものではなくて、社員の気持ちがわかり、
現場をしっかり知っている、という事実です。

もっといえば、社員から見て、社員の気持ちがわかり、現場を知っている人だ、
という信頼感を勝ち取っているかどうか、そのことが、「いざ」というとき、あるいは
次の一手、将来の構想を実現する際に、大きな原動力となって動いてくれるか
どうかが勝負なのです。

こういった視点から見ると、上記の理念12についても、特命ルートに果敢に
挑戦し、完走するのは、経営者の仕事であると同時に、その特命ルート自体を
設定し、社員に完走させる能力と達成感、喜びを与えることこそ、より本来の
経営者の仕事である、ということがわかります。

ということで、次回以降は、経営者、経営者的人材の視点により多くの軸足を
置いて、考えていくことにしましょう。

■ 3. 今月の本棚

<『俺は、中小企業のおやじ』 鈴木修著 日本経済新聞出版社>

著者の鈴木修氏は、もちろん、あの軽自動車スズキの会長兼社長です。

売上高3兆円を超える会社のトップが「中小企業のおやじ」という表現をしている
ことが、まず第一に、非常に興味深いといっていいでしょう。

表紙をめくったところには、

 俺は、中小企業のおやじ。
 やる気、そして
 ツキと出会い、運とともに
 生涯現役として走り続けるんだ。

といったつぶやきが記されています。

さらに、この本の最初が、
 「今が最大の危機」
という表現で始まっているのが、第二に興味深い点と言っていいでしょう。

もちろん、自動車関連事業が現在恐ろしい状況に直面していることは、日々の
新聞からも伺うことができますが、それに対してスズキはどのように対応しようと
しているのか、そこがポイントです。

 第1章 ピンチをチャンスに変える
 第2章 どん底から抜け出す
 第3章 ものづくりは現場がすべて
 第4章 不遇な時代こそ力をためる
 第5章 トップダウンはコストダウン
 第6章 小さな市場でもいいから1番になりたい
 第7章 スズキはまだまだ中小企業

という各章から成り立ち、

 1位と2位が争ったら3位は飛ばされる
 代理店の社長経験なしに営業関係の役員には登用しない
 スズキなら5分で決断できる
  ・・・
といった価値あるメッセージが山盛りです。ぜひ目を通してみてください。

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 事業承継の真視点
  • 4. おしらせ

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