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いーかわらばん vol.360

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2009/03/05
  • vol.360

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

最近流行(?)、「DIP型」会社更生

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その28)・・・ 「特命システム」の運用法

■ 1. 時の話題

<最近流行(?)、「DIP型」会社更生>

最近、会社更生法の適用はめっきり少なくなり、それに代わって、圧倒的に民事
再生法が隆盛を極めてきました。

その理由は、主として二つあるといわれています。

ひとつは、旧経営陣が、そのまま引き続き経営に携わることができるかどうか、と
いう問題。

民事再生法はできるのに対し、会社更生法は経営陣は退陣しなければなりません。
会社更生法では、裁判所に選ばれた弁護士などが管財人となって再生に取り組む
ことになるからです。

二つ目は、更生や再生計画が認可されるまでの期間が、会社更生法では1年以上
かかるのに対して、民事再生法では、半年以内という短期間で決着します。

一方、会社更生法では、債権者の担保権行使を止めることができますが、民事再
生法ではできない、といった問題もあります。

しかし、最近、ふたたび、会社更生法が脚光を浴びて(?)います。

日本総合地所や、クリード、富士通グループが出資したアメリカの半導体メモリーの
会社などは、すべて、会社更生法が適用されています。

というのも、「DIP型」という新しい会社更生法の手続きが選ばれているからです。

DIPとは、「Debtor in Possession」の頭文字をとったもので、直訳すると、「資産
占有債務者」ということになり、何のことかわかりにくいのですが、とにかく、資産を
管理できる債務者、というようなことになります。

米国連邦倒産法第11条、俗に“チャプターイレブン”と呼ばれているものが、この
DIP型だといわれています。

すなわち、DIP型の会社更生とは、倒産企業の経営陣が退陣せず、更生計画などに
関与することができ、かつ、債権者の担保権についても制限することができる、
しかも、半年余りで認可までこぎつけることができる、といった債務者にとって、
きわめて都合のいい、更生手続きです。

もちろん、主な債権者の同意、現経営陣に違法行為がないこと、スポンサーの了解
がある、といった要件が必要なことは言うまでもありません。

年明け後の会社更生法の案件は、すべてDIP型ですが、債務者にとって都合のいい、
この制度が、日本経済にとって成果を生むかどうか、見守っていく必要があるでしょう。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その28)・・・ 「特命システム」の運用法>

前回は、やる気のある若い人材に、修羅場を経験させるための「特命システム」
の必要性について、お話をするとともに、それらの特命を三つに分類してご指導
している、というご説明をしました。

今回はその具体的な運営方法について考えてみます。

その三つを、小特命、中特命、大特命と分類した、ある会社のしくみを眺めてみる
ことにしましょう。

その会社では、特命に関して、ざっと次のような定義をしています。

  小特命: 日常定型外の短期課題
  中特命: 日常定型外の中期戦略に基づく重要課題
  大特命: 会社またはグループ全体の構造変革プロジェクト

もちろん、同じような項目でも、その緊急度、重要度に応じて、中特命になったり、
大特命になったり、ケースバイケースであることは言うまでもありません。

一方、社員については、それぞれの特命に携わることができる標準キャリアを
次のように定めています。

  入社1年超  小特命メンバー
  入社2年超  小特命リーダー
  入社3年超  中特命メンバー
  入社4年超  中特命リーダー
  入社5年超  大特命メンバーまたはリーダー

すなわち、5年超、大卒ならば27歳を過ぎたくらいで、大特命のリーダーになって、
グループ全体を左右するようなプロジェクトに、挑戦することが可能になるわけです。

もちろん、上記は標準化キャリアですから、それから、はみ出ることがあっても、
本人にやる気と能力があり、まわり(現実には経営会議)がそれを認めれば、
たとえば24歳にして、大特命のメンバーになることも可能です。

ここで認識しておくべき注意点または着眼点がいくつかあります。

その一つ目は、特命の定義と標準キャリアの設定という、たったこれだけの
しくみが、通常の業務、ラインとは別の特殊組織を形成することを可能にする、
ということです。

二つ目に、そのしくみによって、通常ではなかなか経験できない仕事についても、
本人のやる気と能力によって、追い越し車線がいくつも用意されている、という
事実です。

三つ目は、このようなしくみが、修羅場への足掛かりになると同時に、それらを
成し遂げて自信を深めることによって、修羅場への挑戦を恐れないチャレンジ
精神が生まれてくる可能性が高い、ということです。

四つ目は、たとえ数年を要するようなビッグプロジェクトであっても、最長1年の
期限(区切り)を設け、その区切りごとに、なんとか一定の目標に到達する姿勢を
身につけさせることが望ましい、ということです。

五つ目は、したがって、本人自らの取り組む特命の選択はもちろん、どのリーダー
につきたいか、どのメンバーとともにしたいか、といった選択権を与える必要がある、
ということです。
 
余談ですが、特命に参画することによって実力をつけていった多くの人が等しく
口にするのは、最初に所属した特命リーダーに、多くの影響、示唆を受けた、と
いうことです。大げさですが、その人の職業人生を左右するほど大事だと言っても
いいでしょう。

そして六つ目に、日常業務と異なる特命を拾い上げたり、あるいは全体の特命の
リーダーやメンバーの調整、承認、さらには一定期間ごとのレビューや評価を行う、
といった、たとえば上記の経営会議のような機関が必要である、ということです。

これ以外にも、多くのポイントがありますが、この特命システムをうまく運営すること
が、一流の人間に引っ張り上げるための、正規のルートから外れた、追い越し車線、
飛び級につながることは間違いありません。

■ 3. 今月の事務

●介護保険料率の改定

2009年3月分(4月末納付分)より、全国健康保険協会管掌健康保険
(協会けんぽ)の介護保険料率が介護保険第2号被保険者に該当する場合、
9.33%→9.39%へ改定されます。介護保険第2号被保険者とは、40歳以上65歳
未満の方です。尚、介護保険第2号被保険者に該当しない場合は、現行の 
ままです。健康保険組合における保険料額については、加入する健康保険
組合まで問い合わせの上ご確認ください。


●所得税の確定申告・納付

提出・納付期限が近づいています。
個人の確定申告を提出しなければならない方は、お急ぎ下さい。


●人事異動に関する事務手続き

3月から4月にかけて、人事異動のある会社が多いと思います。
同一職場内の異動であれば、法定手続きは必要ありませんが、住所地が
変わる場合は手続きが必要となります。
 ・社会保険の資格喪失と取得の手続き(本社で社会保険の事務手続きを
  一括処理している場合は、不要)
 ・雇用保険の転勤届の提出
 ・特別徴収にかかる給与所得者異動届出書の旧住所地への通知
などです。


●社員の家族についての異動のチェック

社員の家族に、子女の入学・卒業・就職等の異動が無いかどうか、チェック
しましょう。必要があれば、諸手当の変更・源泉徴収税額表の摘要欄の変更
等を行います。併せて、慶弔見舞金の支給準備も必要に応じて行います。


●労働保険の年度更新手続きと納付時期の変更

労働保険の年度更新手続きを、4月1日~5月20日までに行っていましたが、
平成21年度からは、6月1日~7月10日までに変更されます。
延納に係る納付時期についても、2か月程、後ろにずれる予定です。
尚、保険料の算定方法には変更ありませんので、従来通り、概算・確定
保険料を計算して、申告・納付を行います。

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 今月の本棚
  • 4. おしらせ

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