いーかわらばん vol.357
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2009/02/13
- vol.357
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
「ナノコーポ」って?
■ 2. 山崎発、経営を考える
効用的修羅場の買いつけ(その25)・・・「背伸び」 & 「特命」
■ 3. 今月の本棚
『「型」と「場」のマネジメント』 加護野忠男他 かんき出版
■ 1. 時の話題
<「ナノコーポ」って?>
最近、アメリカでは、「ナノコーポ」という言葉をよく聞くようになりました。
聞いた瞬間は、ナノテクノロジーを売り物にしている会社か、あるいは小さな
マンションかと思いましたが、全く意味は違っていました。
「ナノ」はもちろんナノテクノロジーと同じ「微細」の意味を持つもの、コーポは、
会社を意味するコーポレーションの略で、この二つを組み合わせた造語です。
アメリカでいわゆる50歳~60歳で退職したシニアの人たちの間で起業され、
社員はせいぜい一人か二人、自分の専門性を生かして収入を得る会社の
ことを言います。少し前に言われたSOHOにも近い概念です。
これらが盛んになってきた理由は、いくつかあります。
ひとつは、老後も働きたい、あるいは働かないと食べていけない、という人が
増えていること、二つめとしては、大企業の一歯車となるよりも、一定の年齢が
来たら、自由にやりたいことをやる方がいい、という価値観のあらわれとみるこ
ともできます。
しかし、さらにもう一つ、物質的な豊かさを求めて、スケールメリットを活かした
大量生産、大量消費を経験してきた世代の反動として、小さくても、社会に対
してそれなりの貢献ができるんだ、という反発心みたいなものが、その根底に
潜んでいるような気がします。
それは、付加価値を生まないマネーゲームに明け暮れた結果、金融危機を
引き起こし、GMはじめ多くの大企業が瀕死の状態に陥っていることと決して
無関係ではないでしょう。
今回の世界同時不況は、さまざまな側面で、構造やスタイルが変わっていく
歴史の転換点ともいえるのかもしれません。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<効用的修羅場の買いつけ(その25)・・・「背伸び」 & 「特命」>
前回は、「体験視野マトリックス」が広く深い人は、「異なった」多くの一流に
触れて、その共通点や違いを、 感じ取るという体験を、たぶん広く深くして
きているだろう、というお話をしました。
今回は、体験視野マトリックスを広げるような機会や場を、企業の中にどの
ように生み出していったらよいのか、ということを考えてみたいと思います。
具体的な方法には、実は、さまざまなものがあると思っています。
たとえば、海外に赴任させる、というのも一つの方法です。自分の得意な分野
について、社内外で研修等の講師をさせる、というのも、また一つの方法です。
あるいは、それなりの意欲のある人であれば、大きなプロジェクトのリーダーを
経験させるとか、もっと進んで、別会社の社長に据えるのも有力な方法です。
他にもさまざまな方法が考えられますが、いずれにせよ、これらの方法は、
多かれ少なかれ、体験視野マトリックスを広め深めることに、つながるはずです。
しかし、一流に触れることで一流に近づく、という観点からすれば、徹底的に
重要なことが一つあります。
それは、さきほど図らずも記したように、
「それなりの意欲のある人であれば」
という点です。
当たり前ですが、本人にその気がなければ、どんなに機会を作ろうと、場を与え
ようと、結局は、猫に小判です。しかも、「本人のその気」は、若い段階、せいぜい
20代までに形成されているものです。
とすれば、会社の中で、少しでも体験視野マトリックスが広く深く、一流に近づく
人間を生み出したいと真剣に思うなら、行き着くところ、次の二つのことが必要
だと私は考えています。
一つめは、若い人間に、体験視野を広め深め、その気になる根本の姿勢を悟ら
せること、です。このキーワードは、「背伸び」です。
二つめは、そういった姿勢を強く持った人間を引っ張り上げるための、正規の
ルートから外れた、追い越し車線というか、飛び級といえるようなものを豊富に
つくること、です。このキーワードは、「特命」です。
「背伸び」&「特命」という二つのキーワードが、体験視野マトリックスを広げ深める
ために必要である、という中身について、次回以降、じっくりと考えてみたいと思い
ます。
■ 3. 今月の本棚
<『「型」と「場」のマネジメント』 加護野忠男他 かんき出版>
副題は、「今求められる知識創造モデルの再構築」となっています。また、
帯には、「人と組織の能力を全開にする技術」と記されています。さらに、
見返りには、
「会社の機能がフル回転する決まり手ー型
その型を社員の知で産み育てる機会ー場」
という表現がみられます。
たとえば、会議というものを例にとってみると、各社各様、あるいは同じ会社の
なかでも部署によって、さまざまなやり方で行っていると思います。
すなわち、その時々の会議のスタイル(型)というものがあり、それは変化しながら
伝承されていきます。
一方で、会議は、参加したメンバーがお互いに情報を共有し、考えを示しながら、
共通の(疑似)体験を通して、成長することができる「場」でもあります。
この「型」と「場」に着目して、経営との関係、個人のスキルとの関係、また新しい
価値創造との関係について、整理したのがこの本で、
序 章 経営は「型」と「場」で成長する
第1章 スキルは「型」と「場」で形成される
第2章 独創の「型」が「場」の意味を変える
第3章 ハイブリッド戦略で「場」を融合する
第4章 会社の強みは「型」でとらえる
第5章 知識創造企業へ組織を変える
第6章 ダイナミックな「場」が知を創造する
という7つの章から構成されています。
第1章では、伝統産業についての研究成果として、有田焼の「型」と「場」についても
述べられており、大変興味深いものとなっています。
自社の「型」と「場」を検討するために、ぜひご一読ください。
■ 4. おしらせ
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 事業承継の真視点
- 4. おしらせ
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