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いーかわらばん vol.346

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2008/11/20
  • vol.346

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

「ガラパゴス化」現象とは?

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その15)・・・種、芽、花、そして・・・

■ 3. 事業承継の真視点

持株会社について(その4)・・持株会社のメリット

■ 1. 時の話題

<「ガラパゴス化」現象とは?>

お客様との間で、「ガラパゴス化」という言葉を最近よく聞きますが・・・、という
切り出しで、日本の製造業や、世界標準にかかわる話題に進展することが、
多くなりました。

「ガラパゴス化」現象とは、いかなるものでしょうか。

もともと野村総合研究所が出版した『「ガラパゴス化」する日本』という本が、この
ことばを広めたといわれていますが、皆さんご承知のとおり、ガラパゴス諸島は、
南米エクアドルの西約900キロメートルの沖合に浮かぶ19の島からなる孤島群です。

ダーウィンの進化論で紹介されたことでも有名で、外界から隔てられた環境の中で
天敵となるような巨大陸上哺乳類がいなかったがゆえに、ゾウガメ、イグアナ、ペン
ギンといった独自の生態系が培われました。

しかし、その独自の生態系が逆に弱点を生み出し、ユニークな進化を遂げたもの
ほど、外からの攻撃、侵入に弱いという特徴をもっているのです。

この生態系と同様のことが、日本の製造業の一部にもいえるのではないか、と
いうのが「ガラパゴス化」の意味合いです。

すなわち、たとえば携帯電話の市場などでは、映像や音楽の配信、メール機能の
きめの細かさなどでは、世界の最先端を走っているといわれています。しかし、
不思議なことに、世界シェアは、少し前のこの「時の話題」にも示しましたように、
ソニーエリクソンという合弁会社が、かろうじて5位以内に入る、といった状況です。

同じことが、薄型テレビや、建設技術、国際空港基準、デジタル放送、非接触カード
など、さまざまな分野で見られるのですが、同研究所によれば、「ガラパゴス化」の
プロセスを次の四段階に整理しています。

 ① 高度なニーズ財やサービスの市場が、日本国内に存在する
 ② 海外では、それとは異質のニーズや、機能要求水準の低い市場が存在する
 ③ 日本が独自の高度な進化を遂げている間に、海外では低いレベルで事実
    上の標準(ディファクトスタンダード)が形成されていく
 ④ 気がついたときには、世界の動きから大きく取り残されている

しかし、今回の金融危機をみても、しょせん、スタンダードは人間が作ったもの、
長所もあれば欠点もある、ということで、長期的に何が良くて何が悪いとは言えま
せん。

しかし、少なくとも、顧客あっての商品であるかぎり、世界の顧客をターゲットと見る
ならば、世界から隔離されてはまずいでしょう。自分たちの「グローバルな視野」は
常に保っておきたいものです。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その15)・・・種、芽、花、そして・・・>

前回は、
 ①気づき→②初期行動→③意識の「具体的行動」化→④習慣化するまで継続
という成長プロセスを示しました。

そして、
 (1) その人が、成長する可能性が高いか否かは、その人に、上記①②③④の
     姿が見られるか否か、でおおよそ判断できる、
ということも申し上げました。

復習を兼ねて、しつこいようですが、成長プロセスの重要点を繰り返しますと・・・、
 ・「理念6: 自分が悪い○、他人が悪い×、運が悪い×」は、真の気づき(①)を
  得るための基本姿勢であり、
 ・初期行動とは、「理念7: 変化の予兆=24時間で種が膨らみ、1ヶ月で少し芽
  が出る!」 ことに結びつき、
 ・その気づきや意識を、具体的行動に置き換えるかどうか、さらに無意識にできる
  ようになる(習慣化する)までその行動を継続することが、成長という花を咲かせ
  るために必要である、
ということになります。

そこで、この2回でお話ししたことを、新しい理念として簡潔にまとめますと、
   理念8: 意識を具体化し、無意識にできるまで継続してこそ成長の花が咲く!
ということになります。

ということで、それでは、さっそく次のテーマに話を進めましょう。

前回の最後で、この①②③④に続く、「⑤ 結果として花が咲く(自己変革の一応の
完了)」のところで、「一応の」という言葉を使ったのは、なぜか、という点に触れました。

少し話は横道にそれますが、次のようなたとえを、さまざまな思想や理念の中に垣間
見ることができます。

土に播いた一粒の種が膨らんで芽を出し、花が咲き、そして実をつける。
その実が10粒の種となってまた土にこぼれ、そこから芽が出て、花が咲き、100粒の
実をつけて・・・。

いわゆる、土 → 種 → 芽 → 花 → 実 → 土 → 種 → 芽 → ・・・・・・
という自然界の拡大再生産の図式を示したものです。

さて、今までお話をしてきた中に、
 ・ 24時間で「種」が膨らみ、
 ・ 1ヶ月で「芽」が出る
 ・ ・・・継続して「花」が咲く
といった「種」「芽」「花」という言葉が出てきましたが、上に示した自然界の拡大再生産
図式に当てはめると、まだ「実」と「土」にまで話がいたっていません。

それが次のテーマです。

■ 3. 事業承継の真視点

<持株会社について(その4)・・持株会社のメリット>

前回は、持株会社の歴史について、概観しました。今回は、そのメリットについて
整理しておきましょう。

とはいうものの、これはかなり前に、一度この欄で、お話をしたことがあります。
そこでは、特に、次の二つのことを強調しました。

ひとつは、組織構造を再編するスピードと、より広い視点の確保です。

持株会社という視点を持つことにより、組織の分割や、買収、合併、新規設立といった
世の中の変化、戦略の変化に伴う構造改革が非常にやりやすくなることはもちろん、
そういった目が養われる、というものです。

二つ目は、経営者人材の育成でした。

持株会社の配下にある会社のトップを張れる人材を探す目、そういう人材になって
みたいという欲求、あるいはその可能性、といったものが格段に増してきます。

もちろん、背後で誰もいない究極のトップとはいえないかもしれませんが、それでも、
事業部制のトップや、社内カンパニー制のトップよりは、はるかに独立性は高まります。

ここでは、さらに次の二つのメリットを付け加えておきたいと思います。

ひとつは、所有と経営の分離、です。

持株会社が特に純粋持株会社である場合は、事業戦略とその遂行は、完全に、傘下の
会社に任せて、オーナー家は、そこには口出しせず、各社からの配当と各種賃貸料程度
で成り立たせる、というものです。事業承継を考える際には、この視点は非常に活用する
頻度が高くなります。

もう一つは、グローバルスタンダードとの関連です。

海外、しかも複数の国への進出やそこでの事業展開を考える際に、それぞれの地域性を
尊重しながらも、統一した理念の下で経営を行わなければならない場合、持株会社は、
大きな力を発揮します。詳細は、ずっとのちにお話しする機会があると思います。

それ以外にも様々なメリットがありますが、それは個別の話をする時に譲ることにしましょう。
もちろん一方で、持株会社のディメリット、注意点もあるのですが、それは次回、合併との
比較の中で、検討することにします。

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 財務ホット情報
  • 4. おしらせ

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