いーかわらばん vol.345
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2008/11/13
- vol.345
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
「ふるさと納税」って?
■ 2. 山崎発、経営を考える
効用的修羅場の買いつけ(その14)・・・成長可能性を見る4つのポイント!
■ 3. 今月の本棚
『創業家物語』 有森隆著 講談社
■ 1. 時の話題
<「ふるさと納税」って?>
「ふるさと納税」ということばは、ニュースか何かで一度は、お聞きいただいて
いるはずですが、実行した人というのは案外少ないのではないでしょうか。
この制度の良し悪しは、いずれ考えることにして、平成20年度の税制改正に
盛り込まれた概要を整理してみましょう。
「ふるさと納税」というからには、都道府県対抗駅伝などで出身地の選手として
出場できるのと同じように、自分の現在の住所地の代わりに、出身地に納税す
ることだと考えられているようですが、実際にはどの地方公共団体を選んでも
構いません。
宮崎県の知事の取組みがなかなかいいし、遠い昔、新婚旅行で行った青島の
思い出があるから、という理由で、たとえば、宮崎市を「ふるさと」に選ぶ、とい
うことができるわけです。
それともうひとつ大事なことは、「納税」という言葉を使いながら、上記のように、
その実質は寄付金である、ということです。
したがって、住所地に代わって「ふるさとに税金を納める」というより、ふるさと
への寄付金の証明書をもとに、通常の所得税や住民税が安くなることだ、と
いうのがより正確な表現といえるでしょう。
「ふるさと」を選んだのちは、その地方公共団体に問い合わせたり、ホーム
ページを閲覧するなどして、寄付の申込、支払の方法などを確認、実行し、
寄付金受領証明書を受け取ることになります。
そして、原則として翌年の確定申告を行うことにより、税金が控除されるという
ことになるのです。
控除される金額の計算方法は、ここでは、ご説明しませんので専門家にご相談
いただきたいのですが、5,000円を超えた金額が控除対象となりますので、最低
5,000円は、自己負担ということになります。
あとは所得の多寡によって変わります。所得の低い人は、寄付した金額から
5,000円を引いた金額が、控除できる確率が高いのですが、所得の高い人は、
寄付した金額に対して、控除される金額が少なくなる仕組みになっています。
ただおもしろいのは、寄付した先から特産品などのプレゼントなどがあることで、
久留米市のとんこつラーメンセット、奈良市の大和ポーク、山口市の森林セラピー
体験などは、話題を呼んでいるようです。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<効用的修羅場の買いつけ(その14)・・・成長可能性を見る4つのポイント!>
前回は、24時間、あるいは1ヶ月で見られる変化を、数年後“ホンモノ”にする人と、
“ホンモノ”にできない人との違いのもっとも大きなものの一つが、
自分なりの「自己変革プロセス」を持ち、それを実践しているか
という点である、という考えに基づいて、テニスの例をとって、そのプロセスをご説明
しました。
重要ですので、もう一度、振り返ってみますと、
① 「自分の○○が悪い」と気づく(意識する)
<ボールを最後まで見ていないことが問題だ!と気づく>
↓
② 24時間で種が膨らみ、1ヶ月で芽が出る(何らかの行動を起こす)
<ボールを最後まで見る、とはどうすればいいか考え、聞きまくり、
これかな、と思える結論に至る!>
↓
③ 「意識」を、具体的な「行動」に置き換える
<「ボールを最後まで見る」=「ボールの縫い目の回転を見る」>
↓
④ 「無意識」にできるようになるまで行動を継続する
<半年間、しつこく繰り返すことにより、習慣化する!>
↓
⑤ 結果として花が咲く(自己変革の一応の完了)
<コントロールが向上し、ミスショットが少なくなる>
ということになります。
学生時代にクラブ活動などに真剣に取組み、優勝などを目指してきた人は、
上記のプロセスを身につける機会が多かったといえるでしょう。企業がそういう
人たちを採用しようとするのは、自然の成り行きです。
さて、上記の①~⑤のプロセスをじっくりと眺めてみますと、⑤は結果ですので省く
として、①②③④が数年後、“ホンモノ”にできるかどうかの境目である、ということ
が見えてきます。
要約すれば、
①気づき→②初期行動→③意識の「具体的行動」化→④習慣化するまで継続
です。
これが唯一絶対の成長プロセスとまでは言えないにしても、かなり的を射たもの
だとするならば、ここからさらに次の三つのことが、言えるのではないでしょうか。
(1) その人が、成長する可能性が高いか否かは、その人に、上記①②③④の
姿が見られるか否か、でおおよそ判断できる
(2) 成長の阻害要因が、上記①②③④のどこにあるかを判断し、本人に真剣に
考えさせる、あるいはヒントを与えるのが、指導者のひとつの役割である
(3) 上記①②③④こそ自己成長に寄与する、という風土を持った組織は、その
組織そのものの成長可能性も高くなる
ところで、結果なので省く、といった⑤のところでは、「自己変革の一応の完了」と
いう表現を使いました。なぜ、「一応」なのでしょうか。それは、上の(2)や(3)と密接
に関連しています。
これまた、重要な視点ですので、次回はそのお話をして、成長プロセスの結びと
しましょう。
■ 3. 今月の本棚
<『創業家物語』 有森隆著 講談社>
帯には、
「血縁」か、「暖簾」か
トヨタ自動車、ソニー、パナソニック、鹿島、資生堂、キャノン、伊勢丹、赤福、
不二家・・・・・
一流企業51社「トップ交代の歴史」
と記されています。
著者の有森氏は、経済ジャーナリストで多くの著書がありますので、知っている人
も多いと思います。
著者は、五つの章を設けて、継承の類型を整理しています。
第1章 「男子継承型」の創業家
第2章 「娘婿・養子継承型」の創業家
第3章 「兄弟継承型」の創業家
第4章 「パートナー継承型」の創業家
第5章 「途中登板型」の創業家
この本の特徴は、帯にもありますように、誰もが知っている一流企業の継承を
記している点にあります。
しかし、もうひとつ、「歴史は勝者によりつくられる」ものであるがゆえに、
まったく抹殺されてしまっているような敗者の部分にも、光をあてて書いている点も
ユニークです。
まえがきに掲載されていますが、ダイエー創業者、中内功氏のことばは、
いつ聞いても印象的です。
息子を社長にするのは、いつでもできる。だが、経営者にすることはできない。
この本を通じて、創業者が「何を」次の代に引き継がせたいのか、後継者は「何を」
引き継ぎたいのか、突き詰めて考える材料にしていただきたいと思います。
■ 4. おしらせ
いーかわらばんのバックナンバーをホームページに掲載しております。
途中購読の方で興味のある方は弊社ホームページをご覧下さい。
http://www.nksy.co.jp
次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 事業承継の真視点
- 4. おしらせ
【web】 https://www.nksy.co.jp
【mail】 mail@nksy.co.jp
☆弊社お客様並びに名刺を頂いた方にもお送りさせて頂いております。
突然の配信をお許しください。
☆展示会等のご案内を掲載させて頂きます、ご一報下さい。
☆メールマガジンの登録・解除は自由です。配信の解除・送信先メールアドレスの変更はお手数ですが、
mail@nksy.co.jp
にご連絡ください。
☆無断転送はご遠慮願います。