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いーかわらばん vol.344

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2008/11/06
  • vol.344

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

今、「真の含み益」を考える時!

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その13)・・・ボールの縫い目の回転を見る!

■ 1. 時の話題

<今、「真の含み益」を考える時!>

数か月前には、日本におけるグローバル会計基準の導入が新聞紙上を
賑わせていたかと思えば、金融危機に陥った瞬間、時価主義会計の見直し、
延期が話題になっています。

とんでもなく“とんちんかん”な話で、
 「時価主義」を採用するかどうかの「基準」は、「ご都合主義」!
ということを証明したように見えます。

時価主義がよいかどうか、は、いろいろと長短がありますから、一概には
言えませんが、われわれ(弊社)の考え方は?と聞かれますと、
 「参考値以上の何ものでもない」
というのが結論です。

というのも、評価が適正か否かという前に、それらが、
 「含み損益であって、実現した損益ではない」
というのが理由です。

20年近く前のバブル華やかなりし頃、ある小売業大手の幹部の方に、
 「なぜ、店舗の下の土地を、所有しないで、借りているのですか?」
という質問をしました。

返ってきた答えは、

 「下の土地を自社で所有したほうが、お客様により多くの商品をお買い上げ
  いただけるのでしょうか? われわれは不動産業者ではありません。です
  から土地に投資する余裕があったら、少しでもお店に投資したいんです」

 「土地の含み益があるから、それを担保に融資を受ける、というのは、おか
  しい、というか、安易であると私どもは思っています。だって、それは未実現
  の利益でしょう。それが実現するのは、売却するとき、すなわちお店を撤退
  するときなんですよ。利益の実現=撤退という、そんな矛盾したビジネスを
  私どもはしたいとは思いません」

というものでした。

これは土地を所有するほうがいいとか、悪いとかを議論しているわけではなく、
真の利益は、「本業において実現する」利益を前提に考えるべきだ、という視点
を提供してくれています。

皆が血眼になって土地や株を買いあさっていたバブル期に、その風潮に流され
ずに、このように軸のぶれないしっかりとした考え方をしているところがあるんだ、
というインパクトの強さが、弊社の今の考え方を生み出しています。

それから数年後、バブルが崩壊したのちに、利益の実現=撤退どころか、損失
の実現=撤退が日本全体で繰り返されたことは、皮肉の限りです。

もし徹底して「含み損益」を重視しようとするなら、貸借対照表に載っている財産
についてだけ考えるのは、完全に片手落ちだといえるでしょう。

企業のほんとうの強さや弱さの根源は、ネットワーク、ノウハウ、ブランド、
システム、人材、あるいはリスクといった、むしろ貸借対照表に載らない資産や
負債にあるのではないでしょうか。ですから、それらの含みを評価しなければ
ならないはずです。

ただし、残念ながらそれらは、目に見えにくく、かつ「金額」に直すことも非常に
難しい。そこで、いきおい、目に見える、お金に置きなおすことができるものだけ
に限ってしまいます。当然に、短期志向にも陥ります。だからこそわれわれは
「参考値以上のなにものでもない」と思っているのです。

そういう意味では、今回の金融危機をもたらしている本質は、日本のバブル同様、
カネに対する誤解、カネ万能発想です。

すなわち、ヒト、モノ、カネといった資源のなかで、少なくとも、カネそのものは実質
付加価値を生まないし、付加価値全体を測定できるものでもない、言い換えれば、
  貨幣(金額)で実質付加価値を測定、増殖することの終焉(限界)を露呈した
といえるのではないでしょうか。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その13)・・・ボールの縫い目の回転を見る!>

前回は、24時間、あるいは1ヶ月で見られる変化を、数年後“ホンモノ”にする
人と、“ホンモノ”にできない人との違いはどこにあるのか、という問題提起を
いたしました。

そして、多くの違いがある中で、もっとも大きなものの一つが、
  自分なりの「自己変革プロセス」を持ち、それを実践しているか
という点だというところまでお話をしました。

その「自己変革プロセス」の基本形は、どういったものでしょうか。正解など
ないのですが、前々回に書きましたように、何百人というトップ陣のかたがたの
研修やコンサルティングを通じて私が得た、“帰納的”な結論は、
 意識に始まり、無意識に終わる!
というものです。

一番わかりやすいのが、スポーツの成長プロセスです。私にとって、イッパシの
ことがいえるテニスを例にとってみましょう。

すべての球技で共通だと思いますが、思ったところにコントロールする基本は、
「ボールを最後までよく見る」ことです。相手の動きに惑わされたり、自分の打つ
方向ばかりを気にして、ボールから目が離れた時に、ミスの確率が格段に高く
なります。

ところがこの「ボールを最後までよく見る」というのが意外に難しい・・・。
見ているようで見ていない・・・。

山崎:  「最後まで」って、ラケットに当たる瞬間まで見るんですか。
コーチ: うーん、当たる瞬間は、実際には、まず見えないと思う。
山崎:  じゃあ、「最後まで」って、どこまでですか?
コーチ: 「最後まで」は、「直前まで」かな、そんな質問受けたことないから、   
      自分でやってみて考えてよ。

私の性格をご存じの方は、「らしいな」と笑っておられると思いますが、ずっと
尋ね回っていると、あるコーチから、
 「僕はボールの縫い目の回転をキチッと見るようにしている、野球の選手も
 そうらしいけど。」
と教えられました。これはスゴイ・・・!。たしかに「最後」「直前」にならないと、
縫い目の回転までは見えません。

この「縫い目の回転をキチッと見る」に集中すること、週2回、約半年。そうする
と、それを意識しなくても、必ず「縫い目の回転を見る」ようになるのです。言い
変えると、縫い目の回転を見ないとストロークもボレーもサーブも打てない、とい
う「体(からだ)」になります。これこそ「体得」ということだなあ、と感じました。

これが私のテニスの飛躍(そんなたいしたものではありませんが)の原動力に
なったのですが、これと同じプロセスが他のスポーツはもちろん、“ホンモノ”の
自己変革にも、つながるのではないでしょうか。

すなわち、 「自分の○○が悪い」と気づく(意識する)
              ↓
       24時間で種が膨らみ、1ヶ月で芽が出る(何らかの行動を起こす)
              ↓
       「意識」を、具体的な「行動」に置き換える
              ↓
       「無意識」にできるようになるまで行動を継続する
              ↓
       結果として花が咲く(自己変革の一応の完了)

というプロセスになります。理屈っぽい話ですが、大変重要ですので、注意点も
含めて、次回さらに深く考えてみましょう。

■ 3. 今月の事務

●年末調整の準備

年末に向けて年末調整の説明会が、税務署や市町村などで開かれます。
担当者は、できる限り出席し要点をチェックしておきましょう。
税制改正に伴い年末調整に関連するものがないかどうか、気を付けましょう。
又、各種控除申告書などの関係書類を入手し、早めに従業員に配布しておき
ましょう。扶養者の増減は、特に気を付けたい項目です。

●歳暮の手配と年賀状の準備

取引先などに歳暮を贈る場合には、11月下旬には発注し、12月上旬には
先方へ届くように手配しましょう。
また、10月30日から、平成21年用のお年玉付き年賀葉書や年賀切手が
発売されています。送付先のリストを見直し、変更が無いかの確認を同時に
進めて早めに印刷に回せるように、準備を進めておきましょう。

●延納が認められている場合の労働保険料第三期分の納付

延納(分割納付)の申請を行っている事業所については、11月末日が労働
保険料第三期分の納付期限です。
送付されてくる納付書を確認し、期限までに納付しましょう。 
 

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 今月の本棚
  • 4. おしらせ

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