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いーかわらばん vol.341

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2008/10/16
  • vol.341

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

「ゆとり教育」と「子供ごころ」「自問自答力」

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その10)・・・自分が悪い○、他人が悪い×、運が悪い×

■ 3. 今月の本棚

『結婚難民』 佐藤留美著 小学館101新書

■ 1. 時の話題

<「ゆとり教育」と「子供ごころ」「自問自答力」>

「ゆとり教育」ということばも、最近はなんとなく死語になりつつあります。

1998年から翌99年にかけて、学習指導要領が全面改正され、「総合的な学習の時間」
といったものなどが新設され、実質的な「ゆとり教育」が始まったのが2002年でした。
それも束の間、2004年には、OECD生徒の学習到達度調査において、日本の点数の
低下が問題になり始め、「ゆとり教育」の見直しが始まりました。

日本の学力低下が、「ゆとり教育」と関係があるかどうかは議論の分かれるところです。

しかし、円周率が「3.14」ではなくて、「3」にしたことが、学力低下と結び付くのかどうか、
と聞かれると、そういった議論そのものがナンセンスではないか、という気がしてきます。

子供にとってほんとうに大事な点は、さまざまな事象に出会って、たとえば、素直に
不思議さを感じる力であり、不思議に感じたら「なぜだろう、どうしてだろう」と考えたり、
想像力を働かせてみたり、人と議論してみて、自分の考え方を整理する、といった力
ではないか、と思います。

先ほどの円周率を例にとれば、3だとか、3.14だとかいうことを「知っている」ことが大事
なわけではないでしょう。小数点以下10桁でも100桁でも、電卓やパソコンを、たたけば
すぐに「知ること」はできるからです。

大事なことは、たとえば、円周率が「3より大きくて4より小さい」ことを証明できるか、
その証明をする方法は何通り考えられるか、といったことを、まず自ら問題提起して、
考え、想像する(創造する)、あるいは周りに説明したり、意見を聞いたりしてみる能力
(脳力)ではないかと思うのです。

それと全く同じことが大人にもいえます。

世の中で、あたりまえということをそのままにするのではなく、3歳児にかえって、
「どうして?なんで?」と自問自答してみる機会をどれだけ持とうとしているか、そういった
ことを真剣に話し合える人を自分の周辺にどれだけ持っているか、が重要になってくると
思います。

異業種交流会なども、もちろんビジネスチャンスを得るために意味があるとは思います。
しかし、上記のような「自問自答力」養成の場としてとらえ、実践していくならば、また
違った価値が見えてくるのではないでしょうか。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その10)・・・自分が悪い○、他人が悪い×、運が悪い×>

前回までに、次の5つの理念について考えてきました。

 理念1: ダメ・ムリだと思った時がスタート!
 理念2: 周りが「できない」と言ったらチャンス!
 理念3: やりたいことをやりきる!
 理念4: 善悪>好き嫌い>損得
 理念5: 原因と結果は、いずれ、必ず一致する!

そして、前回の終わりには、、理念5と理念6は密接な関係がある、と予告させていただ
きました。

その理念6とは、
 理念6: 自分が悪い○、他人が悪い×、運が悪い×
というものです。

何かうまくいかないことが起こったときに、その理由(または言い訳)として、人間は、
究極的に上記の三つのどれかを言っている、その中で、他人が悪い、運が悪いと言って
いる人にロクな人間はいない・・・

私の講演を何回かお聞きいただいたかたにとっては、「もう耳にタコができる」という
くらい毎回お話することですが、実は、話しながら自分自身に言い聞かせている中身でも
あります。というのも、気が緩んでいると、自己防衛本能が働き、他人が悪い、運が悪い、
と言ってしまうのが、人間の悲しい性(さが)だからです。

もちろん、直接「だれだれが悪い」「運が悪い」と言葉に出して言うことは少ないでしょう。
しかし、たとえば、
「たまたま暖冬で冬物が売れなくて・・・」
「競合他社があんな新製品を出してくるとは思わなかったもので・・・」
「能力のない部下(上司)ばかりで・・・」
といった表現であらわれてきます。

最初のものは「運が悪い」、後の二つは「他人が悪い」と言っているのと同じわけで、要は、
「自分は悪くない」「どうしようもなかった」と自己弁護しているわけです。

自分は悪くない、自分はどうしようもなかった、と言っている人間は、今のままでいい、と
思っている、すなわち今後の行動に変化が起こるわけはないのですから、何の成長も得
られるはずはありません。

 暖冬になる可能性をなぜ自分は考えなかったのか。
 暖冬になったら、いかなる対処法を用意しておくべきだったのか。
 競合他社の動きが察知できなかったのは、自分のどこに問題があったからか。
 競合他社が新製品を出した瞬間、自分たちはいかなる対応が必要だったのか。
 (「能力のない部下・・・」は問題外で説明する気が起きません!)

と「自分のどこが悪かったのか」を真剣に考えるからこそ、次の進歩があるのでしょう。

これは、「理念5:原因と結果は、いずれ、必ず一致する!」と表裏の関係です。
「能力のない部下ばかり・・・」というのは、そう言っている人に能力がないのでしょう。
原因と結果はいずれ、必ず、一致するわけですから・・・。

しかし、では、「自分が悪い」と思っていればそれでいいのか、と言うと、もうひとつ大事な
「奥」があります。次回は、その部分を考えることにしましょう。

■ 3. 今月の本棚

<『結婚難民』 佐藤留美著 小学館101新書>

今回は、ちょっと違った角度から、昨今の世相を考える本を選んでみました。

かわらばん、2005年12月14日発行のvol.206では、
 日本は『下流社会』に向かっている
というテーマを「時の話題」としました。

2005年の国勢調査では、なんと25~29歳の男性の未婚率が72.6%、30~34歳の
男性の未婚率が47.7%というデータがあがっています。

また一方で、この世代の男性の3割が、30歳前後に至るまで、一度も正社員になれずに
来た、非正規雇用の人たちだといわれています。

著者は、この世代、すなわち「ロストジェネレーション世代」の男を、略して「ロスジェネ男」
と呼んで、なぜ「結婚しない男」が多いのか、という分析をしています。

そして、「結婚しない男」の側の問題もさることながら、「結婚するのに難がある女」の
存在こそ、大きな理由であると述べています。このような内容を男性が書くと、それこそ
大きな社会問題になるかもしれませんが、女性が書いているところに、興味深い点が
ある、といっていいでしょう。

第2章では、「結婚してはいけない13の女」と題して、
 1.家賃より高い靴に散在する「ルプタン女」
 2.骨と皮でもまだ痩せたい「絶食女」
 3.セレブのエコ生活に心酔する「超エコ女」
 4.いく末は新興宗教一直線?「スピリチュアル女」
 5.男の生気を吸い取る「クーガー女」 
   ・・・・
を並べ、そういった「結婚してはならない女」の見分け方についても言及しています。

世の中をいつもと違ったメガネをかけて眺め、違った世界を覗いて、考えてみる・・・
そんな、ちょっとおもしろい本です。

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 事業承継の真視点
  • 4. おしらせ

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