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いーかわらばん vol.332

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2008/08/07
  • vol.332

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

ロフト流単品管理

■ 2. 山崎発、経営を考える

効用的修羅場の買いつけ(その1)・・・基本はやはり「理念」「ビジョン」

■ 1. 時の話題

< ロフト流単品管理>

ロフトといえば、1987年に西武百貨店の雑貨売り場として誕生し、1996年に
分離独立、その後、セブン&アイ・ホールディングズの傘下に入ったあの黄色い
店舗です。

このロフトの過去6期の税引前当期純利益をみてみましょう。(単位:百万円)
 平成15年2月決算  2,716 
 平成16年2月決算  1,183 
 平成17年2月決算   664
 平成18年2月決算  1,149
 平成19年2月決算   904
 平成20年2月決算  2,611

平成17年には、その2年前平成15年の4分の1にまで落ち込んだ利益が、
3年がかりで、まさにV字回復している様子が見てとれます。ちなみに、
平成21年2月期も増収増益を見込んでいます。

この原動力はどこにあるのでしょうか。いくつかの要素が考えられますが、
そのなかでも大きいのは、ロフト流の単品管理のあり方です。

平成16年に導入した単品管理では、まったく売れない死に筋の商品を発見し、
それらを撤去してスペースを確保した上で、売れ筋商品を並べていく、という
基本施策を実施しました。

しかし、コンビニでは意味のあるこの原則的単品管理も、ロフトにおいては、
威力を発揮するところまではいきませんでした。在庫の減少には貢献しても、
一方で「面白くない売り場」を作り、顧客の離反を招いたのです。

日常生活必需品が求められるコンビニとは違って、時代を先取りした商品や、
話題性をもったサプライズ商品なども置いてあるからこそ、ロフトの独自性が
あるわけです。

売れ筋商品を並べると同時に、一方で面白さを感じさせる売り場を実現する
には、どのような単品管理のノウハウを確立すればよいのか・・・。
徹底した追究の結果、得られたのは次のようなものでした。

単品をA~Eの五段階に分類した場合、死に筋のEを排除して、売れ筋のAに
絞り込むのがコンビニですが、それは踏襲しつつ、ロフトの勝負はB~Dの商品。
その動きから、いかに「面白さ」と「話題性」をもったものを読み取り、そろえる
ことができるかに集中する、というものです。

単品管理を独創性のある売り場に応用するのは難しいといわれてきましたが、
今回のロフトのノウハウはそれに対する果敢なチャレンジだといえるでしょう。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<効用的修羅場の買いつけ(その1)・・・基本はやはり「理念」「ビジョン」>

前回は、「修羅場・土壇場・正念場」についてお話をした後、「若いときの苦労
は買ってでもせよ」と言うことわざを引き合いに出して、修羅場に自らを投じる
ことは必要なのかどうか、あるいは、それは具体的に何をすることなのか、
という問題提起をしたところで終わりました。

もちろん、若いときの苦労は買うべきかどうか、などという議論は、ある意味
ナンセンスです。

理由の一つは、わざわざ修羅場に身を投じなくても(買いに行かなくても)、
修羅場は否が応でも向こうからやってくる、しかも、場合によってはある日
突然にやってくることがあるからです。

理由の二つ目は、やってきた修羅場がほんとうに大変だと考えるかどうかは、
本人次第だからです。その瞬間瞬間は大変でも、少し時間をずらせば大変さ
を楽しみに変えている人も、案外多いものです。

理由の三つ目は、やはり本人次第で、同じ苦労をしてもそれを後々の人生に
大きなプラスにする人もいれば、それを乗り越えられずに歪んだ人生観に
結びついてしまう人もいるからです。

とすると、「若いときの苦労は買ってでもせよ」という言葉の意味は、
 ・若いときの苦労は、それが後々の糧(プラス)になるように、逃げずに、
真っ向から立ち向かい、乗り越えていくところに価値がある!
というように理解しておくのが無難ということになるのでしょう。

ということは、当たり前ですが、一日の大半を過ごす企業において、
  逃げずに、真っ向から立ち向かい、乗り越えていくことにより
  価値を実感できる場
が用意されていることは、大きな意味があると思われます。

いやいやそんなものをわざわざ創らなくても、日々の仕事に真剣に立ち向か
っていく中で、自然と培われていくものだ、という考え方もあるでしょう。

そのとおりです。しかし、その日々の仕事の中で、「価値を実感できる場」を
意識している企業とそうでなくただ流れて行っているような企業との間に、
社員一人ひとりのやりがい、ひいては収益力、開発力に大きな差が生まれ
ていることを、この20年間、私は見てきました。

「逃げずに真っ向から立ち向かい、乗り越えていくことにより価値を実感
できる場」を私の勝手な造語で、「効用的修羅場」と名づけるならば、そう
いった場を日々の仕事の中に意識的に作り上げることは、「効用的修羅場
の買いつけ」です。

しかも、その「効用的修羅場の買いつけ」を真に意味あるものにするための
基本の基本は、やはりトップの「理念」であり「ビジョン」です。
次回以降、このあたりからお話を進めていきたいと思います。

■ 3. 今月の事務


●労働保険料第2期分の納付

労働保険の概算保険料は、原則5月20日が納付期限ですが、年度更新の
際に延納の申請をしている場合の第2期分の納付期限は、8月末日です。
納付書を確認して、期日までに納付しましょう。

●夏祭りなどへの寄附の経理処理

花火大会・夏祭りなど各種納涼イベントが、各地で催されています。
このような行事に対して、企業が社名入りのタオル等を提供する場合、
原則「広告宣伝費」となります。
その他にも、寄付金と交際費の区分など税務上の問題が生じますので、
経理処理には、注意が必要です。

●夏期休暇前後の対応

夏季休暇を実施する企業では、休暇前の関係先への連絡等を忘れず行い
ましょう。一斉休暇を実施せず、内部で調整をしながら休暇の日程を設定
する企業については、社内連絡等に支障が生じないようにしましょう。

●健康管理

年々暑さが増し、特にこの時期は疲労がたまりやすくなっています。
特に、屋外での仕事に従事している方は、熱中症対策に十分努め、脱水
症状をおこさないように、気をつけたいものです。
又、屋内での仕事に従事している方も、屋外との気温差に気をつけ冷房
の設定温度にも配慮したいものです。

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 今月の本棚
  • 4. おしらせ

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