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いーかわらばん vol.329

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2008/07/10
  • vol.329

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

JR山手線のトレインチャンネルのしくみは?

■ 2. 山崎発、経営を考える

修羅場の効用(その33)・・・「いずれ」「そのうち」は思考停止の典型!

■ 3. 今月の本棚

『スティーブ・ジョブス 神の交渉力』 竹内一正著 経済界刊

■ 1. 時の話題

<JR山手線のトレインチャンネルのしくみは?>

JR山手線に乗ると、ドアの上のディスプレイに次から次へと映像が流れています。
どんな仕組みになっているのかな、と思っている人も少なくないと思いますが、
これは、最近、時々耳にするようになった「デジタルサイネージ」と呼ばれるシス
テムです。

日本では、渋谷のあのスクランブル交差点に設置された四つの巨大ビジョンや、
東名高速の海老名SAのビジョン、先のJR山手線内のトレインチャンネルなどが、
この「デジタルサイネージ」の例と言えるでしょう。

設置場所としては、百貨店、スーパー、ビルの壁面、銀行、ホテル、映画館、病院、
空港、駅、美術館、電車やバスの社内、などが考えられ、欧米では、日本以上に
普及しているようで、町のいろいろなところで目にすることができます。

デジタルサイネージを一言で言えば、デジタル技術を駆使して、タイムリーに映像、
情報をディスプレイに表示する次世代システムということになります。

従来は、コンテンツをディスプレイ用の端末に保存して流していましたが、現在は、
データセンターからの一斉送信や、無線LANの活用などが可能になっています。

したがって、マーケティング的には、
 ① 同じ映像を繰り返し行うものではない
 ② 特定のターゲットに絞り込んだ情報提供が可能である
 ③ リアルタイムの情報提供ができる
 ④ したがって、情報(広告)提供の効果測定もやりやすい
といった長所があります。

テレビが地上波デジタル放送にシフトしていく中で、コマーシャルのあり方も大きく
変化していくだろう、との予測が強くなっていますが、メディアを使用した販売促進
のあり方も、デジタル通信技術の進歩とともに多様化していくことになるのでしょう。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<修羅場の効用(その33)・・・「いずれ」「そのうち」は思考停止の典型!>

前回は、「陥りやすい罠」の二つ目として、
 「世間の風潮に左右される」
ことをとりあげ、「自」を主語にして初めて「肚」であることをお話しました。

今回は、三つ目の注意点、陥りやすい罠について考えてみましょう。それは、
 「いずれ(そのうち)やるべきときが来る」
といった表現や発想についてです。

設備投資や新規開発や組織改編をはじめ、何かの「しかけ」や「改善」をすべき
かどうかを検討する際に、「いずれ・・・」とか「そのうち」という表現や発想で終わ
らせることがあります。

私のお客様においては、さすがに経営トップがこういう表現をすることは皆無と
いっていいでしょうが、次の経営幹部クラス、またその次の管理者クラスあたり
では、人によって頻繁に見え隠れすることがあります。口には出さなくても、
そのような頭の回路になっている場合もありますので、要注意です。

「肚」との関係で申しあげますと、経営幹部や管理者がこのような表現や発想を
していたら、厳しいようですが、その人は少々のことでは、将来、トップ陣の一角
に入ってくる人材ではない、と考えてよいかもしれません。もちろん、幹部や管理
者としても失格です。

なぜなら、これは、何の意思決定も行っていないことを意味するばかりでなく、深
い思考や行動を停止した典型的な表現、発想だからです。

もし現段階でその問題の優先順位が低いために先延ばしするのであれば、
 「これこれ、こういう観点から優先順位が低いから現段階では手をつけない」
とはっきり示すべきです。

あるいは、経済環境や自社の現状に照らして、時期尚早であるならば、その根拠
を整理しておくとともに、こういった条件が整備された段階で着手すべきである、
その時期は、およそいつぐらい、というところまでは考えておくべきです。

「いずれ」や「そのうち」は典型的な「あいまい語」であると同時に、問題回避や先
延ばしにきわめて便利なことばです。これらは「肚」とは正反対のものであり、
「使ったら大変な目に遭う」くらいの風土を醸成しておくべきだと思います。

■ 3. 今月の本棚

<『スティーブ・ジョブス 神の交渉力』 竹内一正著 経済界刊>

知る人ぞ知る、ジョブスについて書いた本です。副題は、
 iPodを生み出した全米最強のCEOに「妥協」の文字はない
となっています。

1955年生まれのジョブスは、21歳でアップルコンピュータを創業し、マッキントッ
シュを爆発的にヒットさせ、25歳で株式上場を果たし、大富豪になります。しかし、
その会社をなんと30歳で追放されてしまうのです。

復讐のために作った自分の会社は全く日の目を見ず、買収したアニメ制作会社
ピクサーも赤字続き・・・

しかし、42歳で赤字続きのアップルの暫定のCEOとして復帰してからは、iMac、
iPod、iPhoneと立て続けにヒットを出していきます。

このジョブスの光と影、正邪の両面をあぶりだした本書は、物語としてもたいへん
おもしろく仕上がっています。ジョブスの身勝手ぶりを書いた次の一節などは、開
いた口がふさがらない、といった感があります。(本書57ページ)

 アップルで、ジョブスに新しいアイデアを認めさせようと思ったら、こうすれば
 よいという話がある。ただしリスクつきだ。
  ①まずジョブスにアイデアを話す
   するとジョブスは「いいなあ」と思っても、その場では必ず「ダメだ」とけなして
  去る
  ②数週間待つ
   だが、数週間後、ジョブスはみんなのもとへやってきて、そのアイデアを自分
   が考え出したかのように平然と「すごいことを思いついたぞ」と言って話し出す。
  こうして数週間前にダメだったはずのアイデアは、ジョブスのものとなっている。
  もともとの発案者は、彼に命じられてアイデアの実現にとりかかることになる。
 
アメリカのIT業界の歴史を知るとともに、破天荒な経営者の一端を見る本でも
あります。ぜひご一読ください。

■ 4. おしらせ

次回7月17日(木)のかわらばんは、お休みさせて頂きます。

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 事業承継の真視点
  • 4. おしらせ

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