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＜世界一止まらないATM、その裏側＞

・世界一止まらないATM13,000台（年間稼働率99.95％）
・ATMのみで5億件、17兆円の取引
・取引金融機関　554社
・24時間365日稼動
・2008年3月期　経常利益予想　233億円

以上は今年の2月末に上場したセブン銀行の姿を現したものです。

「世界一止まらないATM」という言葉は、単に365日24時間稼動しているという意味
ではありません。たとえば通常の銀行が閉まっている正月に預金をおろす人が殺到
したとしても、決して紙幣切れを起こして機械が止まることがない、といった意味で
「止まらない」なのです。

これは並大抵のことではありません。というのも、通常の銀行のように、ATM専門の
監視員が各店舗に常駐しているわけでもなく、巨大な地下金庫があるわけでもなく、
1台のATＭに多くのお金を「在庫」しておくことは不可能だからです。

では、この「裏側」はどのようになっているのでしょうか。

セブン銀行のATMはセブンイレブンとヨーカ堂にはすでに全店舗に設置され、
さらに今後は、JR等の主要な駅構内や、空港ターミナルに広げていく予定です。
そのATMが設置されている立地の状況や、顧客層などによって、1万円札、千円
札の入金、出金のスピードや量はおのずと違うとともに、一定の「癖」があります。

その「癖」は70種類に区分され、その区分ごとにさらに、現在の紙幣枚数から、
それがなくなるまでのタイムリミットを、3段階で予測するシステムになっています。
反対に、入金がありすぎて紙幣があふれないような予測も同時に行われています。

そして、その予測は、アウトソーシング先の綜合警備保障（ALSOK）の店舗巡回
スケジュールとリンクしており、現金の補充、回収が瞬間的に行われていくしくみに
なっているのです。

もちろん東京都内にあるコールセンター内の大きなスクリーンでは、全国のATMの
現金カセットの補充・回収状況や、障害状況などが一目瞭然にわかるようになって
います。

まさに、コンビニで培った「単品管理」のノウハウが「紙幣」という商品にも活かされ
ているようなイメージです。

さらに、ATMの機械そのものも、盗難時に紙幣に特殊インクが付着する、視覚障害
者向け音声ガイダンス、ATM内蔵防犯カメラなど、最高級のレベルになっています。

住宅ローンなどを取り扱うイオン銀行などと違い、ATMに特化しているがゆえに、
従来の銀行との競合も最小限に抑えられ、競合どころか、むしろ共存共栄していく、
といったビジネスモデルは、日本が発明した金融上の巨大財産になる可能性を秘め
ています。

＜修羅場の効用（その16）・・・「肚（はら）」＞

前回はｖｏｌ.294からの十数回の内容を、箇条書き方式で振り返ってみました。

「単なる混乱」に陥らないように、あいまい語を排除して、アウトプット(具体的成果
物）を用意したとしても迎えてしまう修羅場・・・、その修羅場を迎える原因の二つ目、　
　②社会の営みは「人間」がおこなうものであり、その人間は「命」を持っている
　　という事実
から、「命」について考え、さらにその奥底にある人間同士の「コミュニケーション」
を軸にして、「器（うつわ）」にいたるまで、検討を加えてきました。

それでは、その原因の一つ目は何だったでしょうか。それは、私がリスクマネジメントの
領域だとかつて申し上げた、
　①　人間の力の及ばない突発的な出来事が起こること
でした。

たとえば、11年前の阪神大震災のために倒産してしまった会社はかなりの数に上った
と言われています。こういった天災が起こることは確かに人間の力の及ばない突発的
な出来事であり、それが原因で倒産した会社に対して同情の念を禁じえません。

しかし、「人間の力が及ばない」ものだからどうしようもない、と放棄してしまうわけには
いきません。悲しいけれど、起こってしまえば、それを言い訳にすることができないのが、
経営者の宿命です。天災ならまだしも、人間の力が及ぶのかどうかわからないような、
天災と紙一重の「事故」（人災）であれば、もっと大きな責任が背中にのしかかってきます。

それでは、こういった人間の力の及ばない突発的な出来事から生じる修羅場を防ぐ、
あるいは最小限にくい止めることはできるのでしょうか。

これこそがリスクマネジメントと呼ばれるものですが、そのテクニック的な側面は別の
機会に譲ることとして、ここでは経営者的人材の育成の場としての修羅場の観点から、
リスクマネジメントに関連する重要なひとつのテーマについて、次回以降、検討して
みたいと思います。

それは、「肚（はら）」というものです。

●人事異動と新入社員に関する事務手続き

3月から4月にかけて、人事異動のある会社が多いと思われます。同一職場内の異動
であれば、法定手続きは必要ありませんが、住所地が変わる場合は、手続きの必要が
出てきます。

　・社会保険の資格喪失と取得の手続き
　　(但し、本社等で社会保険の事務を一括して処理いる場合は不要）
　・雇用保険の転勤届の提出
　・特別徴収にかかる給与所得者異動届出書の旧住所地への通知

などです。社内においても引継ぎ等、漏れのないようにしましょう。

又、新入社員を迎える会社は、事前に準備する事項も多いことでしょう。
通勤経路通勤費用申請書、扶養控除等(異動）申告書、就業規則、規定集等、入社式や
研修を実施する場合の会場の準備、入社後に支給・貸与するものの準備等最終確認を
しておきましょう。

●社員の家族についての異動のチェック

社員の家族に、子女の入学・卒業・就職等の異動が無いかどうか、確認をしましょう。
必要があれば、諸手当の変更、源泉徴収税額表の摘要欄の変更等を行います。
併せて慶弔見舞金の支給準備も必要に応じて行います。

●所得税の確定申告・納付

提出・納付期限が近づいています。
個人の確定申告を提出しなければならない方は、お急ぎ下さい。

●介護保険料率の改定

2008年3月分(4月末納付分）より、政府管掌の介護保険料率が介護保険第2号被保険
者に該当する場合、9.43％→9.33％へ変わります。介護保険第2号被保険者とは、
40歳以上65歳未満の方です。健康保険組合における保険料額については、加入する
健康保険組合まで問い合わせの上ご確認ください。

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