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いーかわらばん vol.309

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2008/02/14
  • vol.309

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

油田発見と資源節約

■ 2. 山崎発、経営を考える

修羅場の効用(その13)・・・他人の目を通して自分が見えるか?

■ 3. 今月の本棚

『朝令暮改の発想』 鈴木敏文著 新潮社

■ 1. 時の話題

<油田発見と資源節約>

昨年の11月に、ブラジル、サントス沖のトゥピー油田で、50億~80億バレルの埋蔵量を
持つと推定される大型海底油田が発見されたというニュースが流れました。

発表したのは、ブラジルのペトロブラス石油公社ですが、同社によれば、今後国内で
次々と「エレファント級」、すなわち10億バレルを超えるような油田が発見される可能性が
ある、という強気の姿勢を見せているようです。

このことで、石油の自給自足が何とかできる状況だったブラジルにとっては、ベネズエラ
や中東諸国にひけをとらない石油輸出国になるだろう、と大きな期待が集まっています。

一方で、先日聞いたある環境問題の講演会では、石油や天然ガスなどは、明らかに
ピークを迎えている、という考え方を示していました。

ここで非常におもしろいと感じたのは、世界の人口が増え始めたのは、石炭、石油、
天然ガスといった化石燃料が本格的にエネルギーに転換できる状況になってからである、
という点です。

したがって、これらの資源がピークを迎えたということで、これらが制約条件となって、
人口という点でも、世界的にそろそろピークを迎えつつあるのではないかという推測が
成り立つ、という視点です。

ある一定量のエネルギーのアウトプットを得るために、どれだけのエネルギーをインプット
をしなければならないか、という指標に「エネルギー効率(資源効率)」と呼ばれるものが
あります。

最近、太陽熱や水素などが新しい資源として脚光を浴びつつありますが、このエネルギー
効率という視点からは、化石燃料に比べて、大きく劣るという計算結果も出ています。

すなわち、これらの資源は、多くのインプットをして、初めて一定量のエネルギーを生み
出すことができるにすぎない、したがってプラスマイナスで考えたときに、真の資源と
いえるのかどうか、が疑問になるというわけです。

再生利用についても、これを進めることは大変大事ですが、そのために多くのエネルギー
を使ってしまっては、トータルとして資源を節約したとはいえません。

いずれにしても、資源の節約を真剣に考える時代に突入したといえるでしょう。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<修羅場の効用(その13)・・・他人の目を通して自分が見えるか?>

前回は、心の奥底を「感じ取る」察知能力のある人とない人の差がどこにあるのかという
点について考えてみました。

今回は、10のうち8、聞かなければならない、すなわち聞くことに4倍のエネルギーを必要
とする、三つめの理由について整理しましょう。

結論から申し上げると、
  他人の目を通して自分が見えるまで聞いたか?
という点です。

外国に行って初めて日本のことがわかる、とよく言われます。おそらく宇宙から地球を見て、
より地球のことがわかるのでしょう。「外」から見てほんとうの意味で「内」が見えることに
なるのです。

デカルトは「我思う、ゆえに我あり」ですが、それになぞらえて比喩的に申し上げますと、
「汝思う、ゆえに我あり」となるのではないでしょうか。

言葉を変えて言うと、
  他人の話をよく聞けば聞くほど、他人の中に自分にない特徴を見出し
  他人がわかればわかるほど、自分の中に他人にない特徴を見出す
ということになると思います。

しかし、ここで言う「お互いにない部分を見出す」というのは、決してそれをもとに対立する
ことを目的とするのではありません。実際にさまざまなコミュニケーションを通じてお互い
にない部分を理解した場合に感じるのは、闘争心的な要素ではなく、むしろ共感と尊敬
です。

このあたりがコミュニケーションの不思議なところです。

コミュニケーションが不足しているときには、いかにして相手を説得しようか、という視点で
対峙した姿勢をとっているのに対し、相手のことを、聞いて、聞いて、違いを理解したあと
では、お互いに庇いあうような心が生まれてくることが多いのです。

他人がわかり、結果として他人の目を通して自分が真に見えるところまで聞いているか
どうか、ここに4倍のエネルギーが必要とされる三つ目の理由があるのです。そしてこの
ことは実は、「残りの2で何を話すか」という点と密接な関係があるのですが、このことは
次回説明をしましょう。

以上のように、10のうち8、聞かなければならない理由、聞くことに4倍のエネルギーを
必要とする理由としては、
 理由1 頭を空っぽ(自由)にして聞いているか?
 理由2 心の奥底を「感じ取る」察知能力があるか?
 理由3 他人の目を通して自分が見えるまで聞いたか?
という三つが重要ですが、さらに二つ追加しておきましょう。

それは、
 理由4 相手に自主性を与えるまで聞いているか?
 理由5 他人に喜んでもらえるように聞いているか? 
という二つです。

理由4は、親が子、上司が部下、先生が生徒、先輩が後輩、など目上の者が目下の者に
対するときに、非常に意味を持ちます。

また、理由5は、どんな人間でも、本能として、話を聞いてもらえることは非常に嬉しい
わけで、そういった心の喜びを持ってもらえるような聞き方をしているかが問われること
になります。聞いたふりをしていても、心ここにあらず、では、そういった嬉しさも半減して
しまうでしょう。

次回は、「10のうち8聞いた、その残りの2で、何を話すか」という点について考えを
すすめていきましょう。

■ 3. 今月の本棚

<『朝令暮改の発想』 鈴木敏文著 新潮社>

言わずと知れたセブン&アイ・ホールディングスのトップの手によるものですが、
実は、鈴木氏自身が書く本は、そんなに多くはありません。ほとんどが、他の人が
鈴木氏やセブンイレブンについて書いたものでした。

その意味で、この本は、貴重です。

タイトルは朝令暮改の発想となっています。本書の「はじめに」にも記されているように、
「朝令暮改を躊躇なく出来ることが優れたリーダーの条件の一つになっている」わけで、
これこそ時代が大きく変化していることの典型事例といえるでしょう。

そして、非常におもしろいのは、具体的な戦略項目はともかくとして、この本の中に強調
されている原理原則的な話は、鈴木氏が世の中で多く語られるようになった20年近く前
から、ほとんど変化していない、という点です。

この本の「おわりに」に次のような文章があります。

 今日は昨日の続きではなく、明日は今日の続きではない。
 今日何が変わったのか、新しい発見はなかったか、どんな小さな変化や
些細な発見であっても見逃さず、きちっと向き合い、自分の仕事に取り
込んで活かしていく。それらが一つ一つ積みあがって、小さなチャンスが
大きな成功へ結びついていく。
 そこに少しでも惰性や妥協が入るとすべてが崩れていきます。

このあたりが鈴木氏の最も強調したい部分のような気がします。

「今日は昨日の続きではなく、明日は今日の続きではない」という本質は、20年以上
変わらないけれども、今日は昨日の続きでない以上、今日は昨日と変わっている自分を
見つけなければならない、この禅問答のような言葉の本質をつかんで実行することを
鈴木氏は望んでいるのでしょう。
 

■ 4. おしらせ

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 事業承継の真視点
  • 4. おしらせ

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