いーかわらばん vol.272
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2007/05/10
- vol.272
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<ITを使った技術伝承>
この「時の話題」でも何回となく取り上げました2007年問題ですが、気が
ついてみれば、2007年も既に半分を経過しようとしています。
技術伝承については、大手企業では、それらを専門に行う学校を作った
り、あるいは、夜間や土日に独自の講習を行うなど、さまざまな試みが
実施されています。
その中で、中小・中堅企業にもっとも取り入れやすいのが、CDなどの映像
を活用した技術伝承です。
たとえば、最近富士フィルムが販売している「研修君」というソフトを見てみ
ましょう。これは、映像を技能教育に活用するためのツールが、オールイン
ワンでまとめられています。
http://kensyuukun.jp/index.html
高性能のCCDカメラを使って、たとえば旋盤の作業などを映像で記録し、
また、タッチパネル付きの液晶モニターでその作業の際のコツや注意点を
文字と音声で加えることができます。まさに、指導者が傍らにいて、実践
しながら教えてくれている、といった状況を生み出しているのです。
しかも、HDやCDに蓄積したコンテンツは、バーコードで瞬時に呼び出すこと
ができるようになっています。
もちろん人間が傍らにいることに比べて限界はありますが、少しでも効率的、
効果的に技術伝承を行うためにITの利用は欠かせないものの一つでしょう。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<量的変化には必ず臨界点(限界)がある・・・?>
前回は、「矛盾の解決こそ価値」という弁証法的視点が、
第二ステージ:量は質によって止揚される
にたどり着くプロセスについて、かなり強引なご説明をしました。
これはイメージ的には、臨界点あるいは沸点に近いものだと考えるとわかり
やすいでしょう。
水に熱を加えるとどんどん水温は上昇していく、そしてやがて100度になった
瞬間に、水という液体が、気体という別の物体へ質的変化を起こすのです。
それでは、これは実際の社会経済のなかで、どのような側面で見られるでし
ょうか。いくつか例を挙げてみましょう。
たとえば、ブランドのシェア。
バッグでも靴でもケーキでも、最初のうちはその希少性から、皆が行列を
作って買いに走ったけれども、そのブランドがあっちでもこっちでも手に入り、
多くの人が持ったり、食べたりできるようになったとき(臨界点)に、急激に
売上が落ち込む・・・
これを防ぐには、ある程度早い段階で、量的拡大から質的向上への脱皮
を図る必要があります。
たとえば、通信料金。
当初高かったインターネット接続料金や携帯電話の通信料は、競争激化
に伴って、どんどん値下がりしました。そして、どの企業もこれ以上値下がり
をしたのではとても採算ベースに乗せることは難しい、となったとき(臨界点)
に、本格的なコンテンツ競争(質的向上)に突入するわけです。
これも、どれだけ早い段階で、将来を予測して、その準備をしているかどう
かで、企業の将来が決定されます。
ここでは、ブランドシェアと通信料金という二つの例を挙げましたが、コンビニ
であっても、居酒屋などの飲食店であっても、同じ兆候が見られます。
「第二ステージ:量は質によって止揚される」という表現はあまりにも難しいの
で、これを、
「量的変化には必ず臨界点(限界)があり、それは質的変化により
次のステージにあがる」
という表現になおしておきましょう。
この視点は、
① 量的変化をある程度で食い止めるか
あるいは、
② その臨界点を見越して、質的変化の対策を早い時点で講じるか
の二つが企業戦略の根本にあることを表しています。
これは、私が常々申し上げている、
「大きく」は「する」ものではない、「なる」ものである!
「強く」は「なる」ものではない、「する」ものである!
という主張と本質的に一致しています。
以上をまとめると、
弁証法的視点1:矛盾の解決こそ価値を生み出す
弁証法的視点2:量的変化には必ず臨界点があり、それは質的変化に
よって次のステージにあがる
ということになります。
次回以降は、弁証法的視点の三つ目に入りましょう。
■ 3. 今月の事務
●労働保険の年度更新
労働保険概算・確定保険料申告書の提出・納付の締切が、本年度は
6月11日(月)に延長されております。
保険料の計算の際には、雇用保険の料率の改正(一般の事業の場合
で、1,000分の15)に、ご注意下さい。
又、石綿(アスベスト)健康被害救済の為の「一般拠出金」の申告と
納付が、すべての労災保険適用事業場の事業主が対象になってい
ます。納付方法は、労働保険料と併せて申告・納付します。料率に
ついては、業種を問わず一律1,000分の0.05です。
●個人住民税の特別徴収の準備
個人住民税の特別徴収は、6月から始まります。各市町村から送付
されてくる各人別の納税通知書が届いたら、一部を本人に交付し、
徴収額を給与台帳や給与計算表に転記したり、コンピュータで給与
計算をしている場合は、更新を忘れずにしておきましょう。
●暑中見舞い・中元・夏用制服等の準備
暑中見舞や中元を贈る企業では、届け先のリストアップや住所等の
変更がないかを確認しておきましょう。
又、制服や作業服等を配布している企業では、数量・サイズを確認
して準備を始めましょう。
■ 4. おしらせ
山崎修一オープンセミナーのお知らせ
日時:5月17日(木) 13:00~17:00
テーマ:『これだけは知っておきたい!新任経理担当者の必須知識』
お問い合わせ:神戸商工会議所 078-303-5808
http://www.kobe-cci.or.jp/seminar/jinzai/070517_keiri.html
日時:6月27日(水) 13:30~16:30
テーマ:『日本型成果主義経営はこう創る』
お問い合わせ:神戸商工会議所 078-303-5808
http://www.kobe-cci.or.jp/seminar/jinzai/070627_seika.html
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 今月の本棚
- 4. おしらせ
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