いーかわらばん vol.265
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2007/03/15
- vol.265
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<中食市場繁栄の裏側>
「中食(なかしょく)」ということばもすっかり市民権を得て、6兆1千億円
といわれていた平成15年の市場規模(外食産業総合調査研究センタ
ー)は、ますます増加の一途をたどっています。
ご存知のように、中食とは、飲食店での外食と、家庭での内食の中間と
いう意味ですが、より現実的には、家庭に持ち帰って調理加熱すること
なく、そのまま食べることができるものをいいます。
もちろん、この市場が増加した背景は、働く女性の増加に伴う「時間節
約」型消費ですが、さらに拍車をかけたのが、あらゆる方面からの中食
市場への参入です。
従来からの惣菜専門店はもちろんのこと、ファミリーレストランも持ち帰
り商品を用意し、デパ地下、ホテイチにも、お弁当や惣菜が並んでいま
す。
「ほっかほっか亭」などのお弁当屋さんも、「総合中食店」への脱皮を図
るべく、従来の若手男性に加えて「働く女性」をターゲットとした新しい
フランチャイズの構築を図っています。
その中で、注目に値するのが、コンビニの動きです。
たとえばセブンイレブンでは、「セブンミール」という宅配専門のサービス
があります。
http://www.7meal.com/contents/0000/index.html
2000年にこのサービスを開始したときには、ターゲットは、高齢者世帯で
したが、最近では、その中心が「働く女性」にシフトしています。
注文は、店頭、電話、ファックス、インターネットのいずれでもよく、受取り
は、店頭または宅配方式です。この3月末でなんと15万人の会員を目指し
ているということですから、これだけでも市場はかなりのものになるでしょう。
今後は、個別の事情に即応した中食のあり方がサービスとしてより強く問
われることになります。さらに進化した中食ビジネスを加えて、飲食業界
もさらに大きな転機を迎え、合併連衡が繰り返されるように思います。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<「好きか、嫌いか」は無視できない!>
前回は、「アート」と「フィロソフィー」教育の大切さについてお話をし、
さらに、共感と照らし合わせるべき価値観は、
真・善・美+好き嫌い
であるという私の考えを記しました。
真・善・美という幹の部分は、次回にご説明することとして、今回は
まず「好き嫌い」のほうからお話をしてみましょう。
「好き嫌いでものを判断してはダメだ」ということばは、子供の頃から、
何回となく、親や学校の先生から言われて育ってきているはずです。
しかし、それは、「好き嫌いだけで、感情のみに任せて一時的に」判断
してはダメ、という意味であって、人間からもし「好き嫌い」をすべて
取り去ってしまったら、この世の中は成立しなくなってしまうのではない
でしょうか。
たとえば、好き嫌いを抜きにして、結婚することは出来るでしょうか。
もしできたら政略結婚に近くなってしまうでしょう。
あるいは、好き嫌いを抜きにして、車を買うことが出来るでしょうか。
好き嫌いを抜きにして、スーツも、ネクタイも、バッグも買うことは出来
ません。レストランに行って食事をするときにも、さらに、就職活動でさ
え、最終的には、好き嫌いがものを言います。
また、実際に仕事をする際には、やはり嫌いな人間とするより、好きな
人間と組んで行ったほうがよい結果につながる、といった実験結果も出
ています。
事業開発においても、好きな仲間同士が、好きな顧客をターゲットにして、
好きな商品やサービスを提供することが一番成功の確率は高いのです。
(もちろんスタート段階ですが・・・)
とすると、「好き嫌いだけ」で判断してはダメであったとしても、「好き嫌い」
は非常に大事な判断要素であることは否定できない事実です。
このことは、次のふたつの重要な示唆を与えてくれます。
ひとつは、提供する商品も、サービスも、人も、相手に好きになってもらう
ことは、基本的に重要であること。
ふたつめは、生身の人間はさまざまな長所と短所を持っているけれども、
相手の中に好きな部分を見出せる人は、こちらも好きになってもらえる
確率が高いこと。
では、この、「好きになってもらう」「好きな部分を見出す」といったその
好き嫌いは、何で決まるのでしょうか。
その「おおもと」が、真・善・美なのです。
■ 3. 今月の本棚
<『よき経営者の姿』 伊丹敬之著 日本経済新聞社>
著者の伊丹氏は、私が日本で最も尊敬する経営学者のひとりです。
この「今月の本棚」でも、2006年1月18日発行のvol.209で、『場の論理
とマネジメント』のご紹介をしました。
『場の論理とマネジメント』は、伊丹氏の、学者としての鋭さが前面に
出た本でした。
しかし、今回の『よき経営者の姿』は、きわめて実務的で、決して目新
しいことが記されているわけではないのですが、経営者の本質について、
ものの見事に整理されており、バイブルといえるようなすばらしい本です。
・実際にとトップとして経営に携わっている人
・いずれ経営を引き継ぐ後継者
・経営者の一角を担う経営幹部
・これから起業して経営者になろうとしている人
・経営者の傍らにいて、補佐している総務的、秘書的な人
のすべての人に、ぜひ、読んでいただきたい本です。
構成は、
プロローグ 社長ごっこはもうやめよう
第1章 顔つき
第2章 仕事
第3章 資質
第4章 育ち方
第5章 失敗
第6章 引き際
エピローグ 新しい経営者世代への期待
となっています。
第1章 顔つきからスタートするのも非常にユニークで、なるほどと思う
側面があります。お読みいただきながら、ぜひ、自分をじっくりと振り返
ってみてください。
■ 4. おしらせ
山崎修一オープンセミナーのお知らせ
日時:5月17日(木) 13:00~17:00
テーマ:『これだけは知っておきたい!新任経理担当者の必須知識』
お問い合わせ:神戸商工会議所 078-303-5808
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 事業承継の真視点
- 4. おしらせ
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