いーかわらばん vol.260
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2007/02/08
- vol.260
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<ウィキペディアと情報流通>
「ウィキペディア」を活用している人は、大変多いと思います。ある
いは、ひょっとすると「ウィキペディア」と気がつかないで、使っている
人も案外多いかもしれません。
といいますのも、ヤフーなどでキーワード検索をしますと、
「○○○○・・・Wikipedia」
という見出しが現れ、そこにアクセスすることが多いからです。
「ウィキペディア」は、自由に閲覧できるオンライン百科事典です。
最大の特徴は、誰でも用語や項目を、無償で追加でき、内容
についても、最新のニュースなどを組み込むことが可能な点です。
したがって、一方では、その正確性が必ずしも保証されているわけ
ではありません。もちろん誹謗・中傷などが記載された場合には、
適宜修正されています。
また、「○○○○については、書きかけです。この記事を加筆して
くださる人を求めています」といったコメントがつく場合も多く、その
内容や、項目それ自体の重要性について議論をする場も設けら
れています。
英語版は、2001年の発足、その後13国語のサイトが作られました。
全世界の人が参加して、情報の発信主体と受信主体が入れ替
わりながら、新しい価値を付加していくといった、「Web2.0」の代表
例といえるでしょう。
先日ご説明したブログもそうですが、21世紀の主流となると思われ
る、この情報流通と価値創造の連鎖の道具を、いかにうまく使うか、
今後の個人や企業に問われ始めています。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<二つの思考力と『国家の品格』>
前回は、私が考えている二つの「思考力」
「論理的思考力」 & 「共感的思考力」
を示しました。
仮説を構築するには、この双方が必要なことは言うまでもありません
が、あえて言うならば、「共感的思考力」が
② 高い「価値観」を持つ(価値判断基準)
に結びつくことを指摘しました。この部分をもう少し考えて見ましょう。
ここは、きわめて大事な点ですが、
共感的思考力は論理的思考力の出発点であり、着地点である
ということです。逆に言うと、論理的思考力は、共感的思考力のない
ところでは機能しない、という点です。
この点を非常にわかりやすく説明しているのが、昨年のベストセラー
『国家の品格』で語られた「論理の限界」です。
著者の藤原正彦氏は、たとえば、
A → B → C → ・・・・ → Z
という論理展開で、B以下はすべて→が向かってきているけれども、
最初のAに向かってくる矢印はない、と記しています。
すなわち、このAの部分こそ出発点であり、この部分はどこからも→
が来ることのない、すなわち論理では決められない部分です。
では、それは何によって決定されるのでしょうか。
それを藤原氏は、広い意味で「情緒」という単語を使っています。そ
の人なり企業なりの歴史や品格、理念、哲学といったものが、この
出発点の前提にあるのでしょう。
私が「共感的思考力」と呼び、あるいは、「高い価値観」と言うのは、
この藤原氏の言う「情緒」に近いものです。
この出発点を誤ると、その後の論理展開がたとえ正しいものであって
も、最終的には何の価値もないもの、場合によっては、とんでもない
悪をもたらすものになってしまう可能性があります。
仮説構築において、出発点を誤ることは致命的です。もちろん仮説
ですから誤ったと気づけばすぐ修正すればいいのですが、私の経験で
は、この修正はそう簡単ではありません。
なぜなら、もともとが情緒、歴史、品格、価値観といった、抽象的か
つ全人格的な世界を基礎にしていますから、当事者にとっては、そ
の間違いに気づくことは人格否定になりかねず、論理的錯誤に気づ
くより、はるかに難しいのです。
セブン&アイグループの鈴木敏文氏が、
「過去の成功体験」が革新の邪魔をする
といった表現も、この難しさの一面を語っている、と言えるでしょう。
しかし、この出発点は単なる「思いつき」とは違います。それなりの深い
「思考」が必要です。これについては、後述するとして、次回は、もう
一つの「着地点」について考えてみましょう。
■ 3. 今月の事務
●所得税の確定申告・納付
前回のかわらばんの財務ホット情報でも、とりあげておりますが、
平成18年分所得税の確定申告・納付の受付が2月16日から
始まります。期限は3月15日までです。
確定申告をする必要があるのは、給与所得者でも昨年末に
年末調整をしなかった人、平成18年中の年収が2,000万を超える
人、2か所以上の会社から一定額を超える給与をもらっている人
医療費控除の適用がある人、平成18年度にローンを組んで、
住宅を購入した人などです。
●固定資産税・都市計画税の第4期分の納付
2月は固定資産税の第4期分の納付月にあたります。
納税通知書で、税額や期日を確認し納付しましょう。
●3月決算法人の決算と申告の準備
法人では、3月決算の企業が多いと思います。
3月になってからあわてなくてすむように、協力の必要な部署等
への事前の通達、実地棚卸の必要がある企業では、実地棚卸
のスケジュールを組むなど、スムーズに進められる様に余裕を
もって決算に備えましょう。
■ 4. おしらせ
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 今月の本棚
- 4. おしらせ
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