いーかわらばん vol.254
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2006/12/21
- vol.254
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
電池の種類さまざま・・・
■ 2. 山崎発、経営を考える
ヤマハ「光るギター」・・・その2 (プロであることの限界とこだわり)
■ 3. 事業承継の真視点
会社分割の目的と効果・・・その3(セクショナリズム&短期的思考)
■ 1. 時の話題
<電池の種類さまざま・・・>
一部で経営危機もささやかれている三洋電機が、先日、大規模な太陽
電池工場を建設する計画を発表しました。
また、東京電力等の電力会社、トヨタ、ホンダ等の自動車会社、石油元売
り会社等は入り乱れて、燃料電池の開発に凌ぎを削っています。
さらに、つい最近のソニー製のパソコン用電池が発火した事件など、「電
池」ということばを新聞で見ない日はありません。
むかし理科の時間に、カエルの足の神経に二種類の金属をつなぐと電気が
流れたのが電池の起源だとか、習った記憶がありますが、現在、電池の世
界はどのように分類されているのか、ちょっと整理してみましょう。
電池は、一般的に、次の三種類に分類されます。
Ⅰ 化学電池(化学エネルギーと電気エネルギーの変換)
Ⅱ 生物電池(生物化学反応と電気エネルギーの変換)
Ⅲ 太陽電池(光エネルギーと電気エネルギーの変換)
そして、われわれに一番なじみの深いのが、Ⅰの化学電池で、それはさらに、
① 乾電池
② 蓄電池
③ 燃料電池
に分類することができます。
乾電池は、化学エネルギーの電気エネルギーへの変換、すなわち放電のみ
行われるものであるのに対し、蓄電池は電気エネルギーを化学エネルギー
に変換する蓄電機能を有するもので、前者を一次電池、後者を二次電池
と呼ぶこともあります。
燃料電池は、天然ガス、水素、メタノール、といった燃料から直接電気エネ
ルギーを取り出すもので、リン酸、高分子、アルカリ金属炭酸塩、セラミックス、
ダイレクトメタノール、など電解質の種類による分類があります。
生物電池は、微生物などを利用した電池が考えられています。
最後の、今をときめく太陽電池ですが、これも光吸収層の形態により、
シリコン系、化合物系、有機系などに分類できます。
これらの電池は、それぞれメリット、デメリットがあります。今後は電池自体の
開発が一段と進むと同時に、長短を考慮した活用方法についての研究も
進んでいくと思われます。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<ヤマハ「光るギター」・・・その2 (プロであることの限界とこだわり)>
前回掲載させていただいたヤマハのサイト「光るギター 開発秘話」は、読ん
でいただいた方々から、多くの感想をいただきました。
この秘話から、開発過程でいくつかの転換点があることが見えてきます。
もちろん最初は、2001年1月、ラスベガスで行われた世界最大のエレクトロ
ニクスショーへの出展で好評を博したことです。
第二の転機は、2001年4月、社内の営業部門その他への企画提案で、
「ちがうなぁ~」
「こんなおもちゃ売れるの?」
「これでいくら儲かるの?」
「誰がこれ買うの?」
といった痛烈な批判を浴びたことでした。
ここから第三の転機が訪れます。2001年7月のネット企画室のオープンと、
その後の東京ゲームショー。
そして第四の転機が、2001年11月からスタートする、「光るギター モニター
販売」です。
ここでまず面白い点は、第二の転機で記しましたように、2001年4月段階
では、社内において、光るギターの企画提案そのものが、廃案になる寸前
だったということです。
ここからわれわれは何を学ぶことができるでしょうか。
一つ目は、開発に必ず付きまとう、「プロであることの限界とこだわり」だと思
います。
社内の人達には、「ほんとうの楽器のプロである」というプライドがありました。
したがって、光るギターを見たとたん、こんなもの楽器ではない!という感覚
にとらわれたわけです。
しかし、「楽器づくりのプロ」が「楽器演奏のプロ」だけに商品を供給するとは
限らないのです。顧客にもちろんプロはいるでしょうが、大半は、興味を持
った素人か、せいぜいセミプロでしょう。そこに顧客ターゲットをおいたならば、
その人達を満足させてこそ、真のプロだといえるのです。
しかし一方で、ほんとうの楽器が何かが分かっているヤマハだからこそこの光る
ギターが生まれたことも間違いありません。この楽器を限りなく「ほんもの」に
近づけるこだわりを持ち続けたからです。
どこにプロとしてのこだわりを持ち、どの部分で素人的(使用者的)発想を持
つべきか、この点が開発で最も難しく、面白い点です。その重要な一つの
解決ポイントが、「ターゲット顧客の鮮明化」にあることは間違いありません。
次回は、この事例から学ぶ他の項目について、話を進めましょう。
■ 3. 事業承継の真視点
<会社分割の目的と効果・・・その3(セクショナリズム&短期的思考)>
前二回は、経営的側面における重要な「良い点」を二つ記しましたので、
今回は、最大の「難点」を示しておきましょう。
それは、ズバリ「セクショナリズム&短期的思考」です。
私の経験から一番まずいと感じたのは、現在ほんとうに儲かっている事業
から得た利益を、次の新しいビジネスにつぎ込むことに対する抵抗感です。
もちろんこれは、分社されていなくてもある程度は見られることですが、分社
されて「自分たちの」利益が明らかになることにより、より傾向が強まります。
さらに、得た利益の多寡によって、決算賞与が子会社間で大きく差が生
じるようなシステムが採用されているケースでは、よりこの傾向に拍車がか
かり、短期的思考が支配することになります。
もちろんこういった問題を避けるために、本部負担金の制度のあり方、持
株会社の役員構成や戦略策定のあり方等に、工夫を施すことによって、
ある程度は解消されていることも事実です。
しかし、本質的に、こういったマイナス面を克服するためには、
・「利益」の本質
・「永続企業(ゴーイングコンサーン)」の本質
の二つについて、しっかりとしたグループ理念を共有する必要があるでしょう。
たとえば、私どものお客様のある会社は、
「利益はコストである」
という定義を徹底しています。
ご存知のように、ドラッカー的な一つの捉え方ですが、利益がコストであるとす
れば、そのコストが、
・現在コスト(費用)か
・未来コスト(投資)か、
といった選別理念や基準が非常に重要になります。
それを各会社がどのように設定し、グループ全体としてどのように協力し合う
かといった点をいい加減にすべきではない、といえるでしょう。
■ 4. おしらせ
<弊社、大阪事務所のエレベーターについてのお知らせ>
現在、弊社大阪事務所へお越し頂いておりますお客様に
おきましては、エレベーターをご利用頂いていることと存じます。
この度、11月13日(月)より1階からエレベーターをご利用になる
際に、1階乗場に設置されましたテンキーに暗証番号の入力が
必要になりました。
つきましては、入館時に管理人室に弊社ご訪問の旨お申し出
頂くか、又はお近くまでお越しになりましたら弊社にお電話頂くか
ご面倒をお掛け致しますが、どちらかの方法でご連絡下さいます
様、よろしくお願い致します。
ご不明な点がございましたら、弊社までお問い合わせ下さいませ。
<弊社、年末年始休暇についてのお知らせ>
12月29日(金)から1月4日(木)まで、年末年始休暇とさせて頂きます。
従いまして、新年第1号のいーかわらばんにつきましては、1月11日
(木)の送信とさせて頂きます。どうぞ宜しくお願い致します。
<山崎修一オープンセミナーのお知らせ>
今年度のオープンセミナーは、終了致しました。
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 財務ホット情報
- 4. おしらせ
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